相性いい柏に対し前節の流れを継続していけるか?
前節は難敵鳥栖に完勝。いよいよチームとして回り出したと感じた好ゲームでした。
今節の対戦相手の柏は、昨年来相性の良い相手。しかもU-23代表で主力の2人が不在と、浦和にとってみれば、前節の良い流れを継続できるのにいいチャンスでした。
しかし、結果的には、柏のコンパクトな守りと鋭いカウンターに苦戦し、残念ながら敗戦を喫すのでした。
この試合、初めて三共フロンティア柏スタジアムを訪れ、現地観戦。寒い風が吹きすさぶ中、体も心も冷え切った試合となってしまいました。
試合前の様子
初めて訪れた柏駅
Jリーグ開幕当初から浦和の試合を見出してもう30年。その中で意外にも柏を訪れたことがありませんでした。
柏のホームの試合行ったことがありましたが、昔は浦和との試合は国立でやっていたと思います。
そんなこんなで初めて柏の地にやってきました。
行きは、埼京線、武蔵野線、中央線を乗り継ぎ、帰りは、東武線、埼京線を乗り継ぎました。東武線利用の方が乗り継ぎが少なくて良かったですね。
東口には昭和レトロな建物。正面には、いかにも「そごう」だったと思われる建物がありました。今は、ビッグカメラ。他にもマルイもありました。
ビッグカメラの壁には、レイソルの写真。犬飼選手がにこやかに写っているのを見て寂しさを感じました。
スタジアムへの道のり
浦議チャンネルで紹介された、フリーペーパー「柏で寄り道アディショナルタイム」をいただきました。ありがとうございます。
その中にあった地図を頼りにスタジアムに向かいます。
レイソル通りに出てしまえば、まっすぐ。わかりやすい道でした。
しかし道が狭い。歩行者がうざいとばかり、軽バンがアクセルを煽って抜いていきます。(ちなみに帰りは、この道は歩行者専用になりました。)
途中にあったカレー屋さん。浦和サポーターを歓迎してくれていました。ありがとうございます。
20分くらい歩いて、やっとスタジアム前まで来ました。
今回はゴール裏などユニフォーム着用可の席が取れなかったので、ホームのバック席での観戦です。森の中を進んでいきます。
スタジアムが見えてきました。黄色い。
スタジアムの様子
想像していたよりかはかっこいいスタジアムです。
スタグルも充実していました。
スタジアムの隣にある練習場の脇に桜が咲いていました。サポーターのお花見スポットになっていました。
いい雰囲気です。
ひとしきりウロウロした後、スタジアムに入りました。バックの上段でゴール裏に近いところでの席でした。昼間は暑かったのですが、日が沈んできて風が出てきてもう寒い寒い。試合前に持ってきていた着るものをあるだけ着込んでいました。
この席の難点は、グラウンドの左手前にボールが行くと左隣の人の頭が邪魔になって見えない。首もずっと曲げていないといけないので結構大変でした。アビスパ福岡のスタジアムもちょうど同じ位置で同じ感想でした。四角いスタジアムは、ゴール裏でなければ取る席を考えないといけませんね。
雰囲気的に周辺にいる観客は、浦和サポーターだろうなと思っていました。まず、黄色のものを身につけていない。わざとらしく主張していない。でも時折、赤いものがチラっと見える。で、結局それが証明されたのが、柏のゴールシーン。周辺の人は、誰も喜んでいませんでした。
試合全体を通して
立ち上がり、柏のハイプレスに苦しむ
立ち上がりから柏のハイプレスは予想以上に激しく、特に小屋松選手がスイッチを入れてどんどんと浦和の2人のディフェンダーにプレスをかけてきます。
そうなるとビルドアップの出口に苦しむのが今の浦和です。しかも前節まで絶妙なポジショニングでビルドアップの出口となり、グスタ選手のマークを散らしてくれていた岩尾選手が欠場。グスタ選手は、2トップ2ボランチに囲まれてなかなか前進できない重苦しい雰囲気が続きます。
15分あたりから、グスタ選手が降りてきたり、左サイドに流れてリョーマ選手を押し出すなど、ポジショニングを変え出してからグスタ選手が前向きでボールを持てるようになり、徐々にビルドアップからの攻撃の形が見えてきました。
浦和は立ち上がりでこの試合がどうなっていくか?ある程度予想できますよね。この試合が苦しい試合になることは容易に予想できました。鳥栖戦のように、立ち上がりからハイプレスに行かず、ミドルゾーンで守っている印象だったので、立ち上がりから主導権を握る勢いを見せて押し込むサッカーを見せて欲しかったと思います。
簡単なパスミスや連携がうまくないシーンが多かった
また、立ち上がり簡単なパスミスが多かった印象でした。
松尾選手がトラップミスしたり、リョーマ選手へのパスがずれていました。またグスタ選手も特に立ち上がりでパスがずれたシーンがありました。
松尾選手は、試合後の様子だとコンディションの要因はあったのかもしれません。
しかし、現場では集中力を欠いたプレーにしか見えず、少し残念でした。
攻撃の組み立ては悪くなかったが決定力が不足していた
とは言え、徐々に浦和がボールを持って前進できるようになってきて、狙っていた攻撃の組み立てができていました。前半は言うほど悪くなかったと思います。
23分、25分、28分、29分、30分、43分と押し込むシーンは多かった。しかし、決定力が不足していた。シュートが枠に行っていませんでした。
後半に入って、佐藤選手の裏へのロングフィードが目立ってきます。監督の試合後のコメントにあるように、柏のハイラインにある裏のスペースを狙いつつ、そのハイラインを押し下げることを狙ったものでしょう。45分、46分、48分と佐藤選手を起点とした攻撃を繰り広げますが、ゴールにつながりません。
59分に、佳穂選手と前田選手に変えて、中島選手と大久保選手を投入し、4-2-3-1、敦樹選手、グスタ選手のダブルボランチ、中嶋選手をトップ下にする布陣に変更。
64分、65分、69分、71分、75分、77分、85分、87分と、再三、中島選手を中心とした攻撃の組み立てが見られましたが、ゴールを破ることができませんでした。
守備のロジックが共有できているのか不安に思う
この試合、圧倒的なスピードと推進力で浦和の守備陣を困惑させていたのが、サビオ選手。53分には、サビオ選手とジエゴ選手に2回連続でやられそうになった時はもうヒヤヒヤでした。
今の浦和は、ボール非保持の守備が下がりすぎる。柏の犬飼選手がハーフウエーラインを越すあたりまで前進しているのにもかかわらず、誰も行かずノープレッシャー。彼のキック能力を存分に披露させてしまっていました。
そして、東京戦でもありましたが、サビオ選手のようなスピードに乗ったドリブルを見せる選手に対して、後手後手に回ってしまうのです。また、得点シーンのように、サイドから簡単にセンタリングを上げさせている。サイドバックがいくのか、いけない場合はボランチがいくのか、ウイングが行くのか。
昨年のような守備の役割分担や整理されたロジックを共有できているのか?心配になるところです。
まだまだチームのタフネスが足りない
総じて、チームのタフネス、つまり相手に対しての対応能力と言いますか、許容範囲がまだまだ狭い印象です。ハマる時があればハマらない時もある。ばらつきが多いですね。
優勝を狙うと言う目的に対しては、時間的余裕はもうないと思うのです。ですが、個人的なには、対戦相手が1巡するシーズン中盤までは、4-3-3のシステムの習熟に必要な時間となると思います。そこまでトライアンドエラーが続いていくものだとこの試合を見て自分は覚悟しました。
東京ヴェルディ戦もそうでしたが、4-4-2で、ハイプレスハイラインで守備をしてくるチームは、結果的に苦手としている印象なので、2巡目の戦いまでにしっかりと対応できるチームになっていってほしいと思います。
この敗戦を糧に、チームのタフネスをしっかり上げていってほしいと思います。
印象的だった選手たち
ポストプレーが冴え始めた サンタナ選手
サンタナ選手のポストプレーが冴え始めましたね。
特に51分と65分のシーンは、しっかりボールをキープして相手を寄せ付けず、周りの選手が前進する時間を作る素晴らしいプレーだと思いました。
攻撃の組み立ての中にも必ずと言っていいほど参加していて、松尾選手や中島選手、グスタ選手など、周りとのコンビネーションが向上してきていることが見て取れます。そして、シュートも積極的に放っています。
チーム全体が安定してきた時には、ゴールを量産してくれる予感がします。
欠点が初めて見えた 佐藤選手
この試合も得意のロングフィードでチャンスを創出していた佐藤選手。
これまで彼には欠点がないのか?とまで思わしてくれていましたが、今回それが垣間見れた気がしました。
1つはスピードのある選手への対応。19分サビオ選手の突破を戻りながら対応するシーンは、やはり後手に回っていた印象は否めません。走力はそうそう向上するものではありませんから、予測能力や危機察知能力を向上させる以外ないのかなと思います。
2つ目は、ゴール前の相手への寄せ。71分の木下選手へのボレーシュートに対する寄せがワンテンポ甘かった。これも予測だと思います。
試合の反省やショルツ選手のプレーからその辺りを学び取り、さらにスケールアップしてほしいと思います。
違いを見せつける 中島選手
この試合は残り30分といつもより早い出場となった中島選手。
最初は、インサイドハーフ、6分後、安居選手が入って中島選手は左ウイングにポジションをとります。
毎回言っていますが、中島選手は、独特のテンポのドリブル、止まってからの動き出しで相手を振り切るアジリティ、レイオフで周りの選手と連携しながら相手を崩す技術が素晴らしいと思います。
守備でもしっかり走り切って相手からボール奪取するシーンも見られます。
積極的なシュートも見れていますので、1発ゴールが決まればもう突っ走ってくれると信じています。
ヘグモ監督、そろそろ、スタメンで使ってみてはどうでしょうか?守備が不安なら、左ウイングでも大丈夫です。検討の程よろしくお願いします。
帰りに柏サポーターの会話にを耳にし感じた悲しさ
試合終了後の柏駅に向かうレイソル通り。車両通行止めとなり、柏サポーター、浦和サポーターが入り混じって、柏駅に歩いて向かっていました。
すると脇を歩いていた柏サポーターの会話が聞こえてきました。
「ていうか、浦和、やばくね?」「俺も思った。浦和大丈夫かって。」
この試合で、柏サポーターに浦和の状態を気遣う余裕まで与えてしまったのです。
このことで、敗戦の心の傷に加えて悲しさというか情けない気持ちになり、さらにどんよりした気持ちで電車に乗って帰るのでした。
次の試合は、ホームガンバ戦
次は、4月20日(土)ホームガンバ戦です。
連敗は絶対できません。この試合の課題をしっかりと修正し、この試合の悔しさをぶつけて、すっきり勝って欲しいと思います。
※なお、本記事の写真で、自分で撮影した写真以外は、浦和公式サイトの写真を引用させていただきました。