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クルマ

燃費最強のコンパクトカー!【 YARIS HYBRID をドライブ】

レンタカーで金沢をドライブしてきました

先日、金沢周辺を旅行してきました。旅行のお話はまた後日まとめることにしますが、今回はその時に借りたレンタカーの話をしたいと思います。

コンパクトクラスを予約したのですが、以前借りてドライブしたホンダのFIT e:HEVがあまりにも完成度が高かったので、その対抗馬であるトヨタ YARIS HYBRID に以前から興味がありました。

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今回の旅行で、ヤリスにあたったら嬉しいなと思っていたのです。

レンタカーの車種とグレード

金沢駅のレンタカー店に到着して、準備されていそうなクルマたちを見て、きっと当たりだろうと確信しました。なぜなら、コンパクトカーはヤリスだけだったから。小さくガッツポーズしました。

※この写真は、トヨタのホームページから引用させていただきました。

レンタカーのグレードは以下の通りです。

グレード:     ハイブリッドX

パワープラント:  ハイブリッド(直列3気筒1490cc+モーター)

駆動方式:     FF

カラー:      ホワイト

価格:       2,044,000円(税込)

WLTCモード燃費: 36km/L

詳細はこちらをご覧ください。 トヨタヤリス ホームページ

YARIS HYBRIDはこんなクルマ

やはり、ハイブリッドシステムが最大の特徴です。

ハイブリッドシステム構成

構成部品としては、

・1.5L直列3気筒エンジン
・2つのモーター(主に駆動用と発電用)
・パワコントロールユニット(モーター駆動、エネルギーマネージメント)
・バッテリー(バッテリー)

という構成です。

トヨタのハイブリッドシステムの特徴

以前のFIT e:HEVの記事で紹介しましたが、ホンダのホームページにトヨタのシステムとの違いを解説している部分がありましたので引用させていただきます。(e:hev システム解説

下の図のシリーズ・パラレル方式は、まさにこのヤリスハイブリッドのトヨタのハイブリッドシステムです。

トヨタのシステムは、エンジンの出力を遊星歯車の動力分割機構により、タイヤを駆動する力と発電用モーターを駆動する力に分配します。そしてその出力を走行用モータの出力と足し合わせてタイヤを駆動するシステムです。

反面、ホンダのシステムは、クラッチ機構により、モーター走行か、エンジン走行かを切り替えること。シンプルな構造で実現しているところが特徴的です。

動作解説

いろいろとYOUTUBEで探すと、トヨタハイブリッドシステムの制御を解説してくれていたとてもわかりやすい動画を見つけました。引用させていただきます。

制御パターン

これによると、制御パターンとしては、9パターン。これほど複雑な制御を状況に応じて適切に制御することは、想像するにすごく難しいシステムだと改めて思いました。

その上で、トルクのつながりの段差を感じないように制御できていることに、トヨタのエンジニアの技術力を感じます。

動力伝達機構

また、動力伝達機構も解説してくれています。遊星ギアの機構をミソとする解説がとてもわかり易かったです。

この動画を見ても、この複雑な機構をうまく制御していることに驚嘆です。

エクステリア

ここからは、細かく写真も交えてレポートします。まずはエクステリア。

少し強面なマスク。昔のフォードフォーカスに似たデザインにも思いますが、これはこれでかっこいいと思います。

そして全体的なフォルムの印象としては、4輪が4隅一杯一杯のところにあって、低重心というか安定感を醸し出すようなデザインだなと思います。

しかし、リアタイヤの張り出しが、リアドアのプレスからフェンダーにかけての造形がちょっと取ってつけた感じだし、大袈裟に張り出しすぎかなと思いました。

タイヤは、BRIDGESTONE ECOPIA ER150、 エコタイヤですね。サイズは、175/70R14。FIT e:HEVが、185/60R15だったことを考えると、扁平率の大きいこのクルマの方が乗り心地的には有利なはずなのですが、実際は逆でしたね。

インテリア

続いてインテリアです。

シンプルなインパネ

最近のトヨタ車は凝ったインパネが多かった気がします。このクルマは、シンプルなインパネで、個人的には好きです。

メーターはこんな感じ。特に可もなく不可もなく。

トヨタ純正のナビは、経路誘導で曲がり角を教えてくれるタイミングが絶妙でした。”〇〇m先の交差点を左です””この交差点を左です”としっかり2回に分けて教えてくれるので、間違えることなくちゃんと曲がることができました。

また、ナビの下の物入れ、メガネを置いたりスマホも置けるし、ちょうどいい場所にあって良いと思いました。

助手席側にも物入れがあります。

シフトレバーの奥にも物置。スマホなんかにいいですね。そしてなんといっても、このクルマはサイドブレーキ。今時のクルマと考えるとちょっと時代遅れ感が否めません。

シート

シートは地味目ですが、ヘッドレスト一体型でレーシーな形状。レバーは、リクライニングと座面の高さ調整が可能です。

ロングドライブで、特にお尻や腰が痛くなったりしませんでした。

 

後部座席も同様で座り心地が良かったです。背もたれが高くしっかりしていて、座り心地は良かったです。

ただ、前席との膝のクリアランスが狭いのと、足が引っかかって抜きづらく乗降しにくいのがマイナスポイントですね。

トランクは十分なサイズです。

後部座席を倒せば、広大な荷室に変身します。しかし、後席の段差が大きいのが残念なところです。

試乗インプレッション

はじめに全体的な感想をまとめておきます。一言で言うと、

”高燃費と軽快さが特徴のコンパクトカー。質感・商品性は課題。”

そんな印象でした。良いところ、悪いところをまとめてみるとこうです。

ポジ

良いところ

・圧倒的な高燃費
・追い抜きや上り坂で感じるトルクフルで爽快な加速感
・ワインディングでの軽快なハンドリング
・自然で好印象な速度支援系のADAS制御

悪いところ

・質感や商品性が今一歩(エンジン振動、エンジン音、ロードのノイズなど)
・扱いづらい高速でのハンドリング
・ピッチ運動を伴う乗り心地の悪さ
・操舵支援系のADAS制御がしっくりこない
・ブレーキの効きのばらつき

詳しくお話ししていきます。

良いところ

圧倒的な燃費性能

燃費は、脅威の29.8km/L! やはり、トヨタのハイブリッドは燃費ナンバーワンですね。

・走行距離   411km (高速6割/山道2割/一般道2割)
・消費ガソリン 13.8L

ガソリンを入れる時、あまりにもすぐ満タンになるので、ほんとびっくりしました。

追い抜きや上り坂で感じるトルクフルで爽快な加速感

モーターでの加速は、トルクフルで力強く、スムースで爽快な加速という印象。特に高速での追い抜き時や上り坂での加速するといったシーンで頼もしいの一言でした。

ふと思ったのですが、高速の追越車線をすっ飛ばしていくプリウスやヤリスをよく見かけます。これまでは彼らが飛ばすのは、燃費がいいからアクセルを多めに踏んでも大丈夫とか、仕事で急いでいるんだろうとか思っていました。しかし、このヤリスに乗って、その原因がわかりました。

気持ちいいんですね。加速が。ついついアクセルを踏んでしまうんです。そして、コンパクトカーで、セダンやSUVなど上のクラスを凌駕する加速性能に、下剋上/ジャイアントキリング的な優越感まで感じてしまうのです。

ワインディングでの軽快なハンドリング

コンパクトカーの特徴である軽さは、ハンドリングの面で武器ですね。

ワンディングでハンドルの切り増し、切り返しにヒラヒラと車が反応し曲がっていく。

また、アクセルオンオフで応答よく姿勢コントロールができる楽しさがあります。そして、コーナー出口では爽快な加速を味わえます。

自然で好印象な速度支援系のADAS制御

前走車との車間が詰まっても、自然な減速で不安感がありません。設定距離を忠実に守るというより、急な加減速をしないセッティングで好印象です。

悪いところ

質感や商品性が今一歩

商品性が今一歩、コンパクトカーだから商品性は妥協してくださいと言われているようです。しかしながら、乗り心地同様、FIT e:HEVと比較すると圧倒的に負けている部分で、改善点だと感じました。

一つ目は、エンジンの音・振動。最も改善要だと思います。

・ガラガラと心地よくないエンジン音、エンジン振動、フロア振動
・エンジン停止時のボディのゆすられ
・車両停止時のステアリングに伝わる大きめのアイドル振動

二つ目は、停止時のブレーキシステムの作動音。ブレーキペダルを踏むたびに、ポンプモーターが駆動し、うるさめです。

三つ目は、ロードノイズ。一般的に、荒めのの路面を走行すると低めのゴーッという音がタイヤ周辺やフロア周りからしてきます。このクルマの場合は、それが高めの周波数と音圧のガーッという音となって入ってきて、ずっと聞いていると我慢できないと思うほどでした。

扱いにくい高速でのハンドリング

高速道路でレーン内を微小なハンドル角で狙ったラインをコントロールするようなシーン。そんな時に、ハンドルの切り始めからの挙動が読みにくいのです。切りすぎたり、戻したりと安定せず。1発で決まらないのです。

その要因としては、ハンドル切り始めのハンドルの重さと、その後の一体感のない車両挙動にある気がします。直進からのハンドルの切り始めの操舵力重く、ハンドルを動かしずらい。それを乗り越えてハンドルを切り増すと遅れてロール、さらに遅れてヨーが発生し、曲がり出す。

途中、イグニッションリスタートでセンタートレースといった操舵支援系の制御がデフォルトで作動状態になっていることに気づき、それらを制御オフにしてみました。切り始めのハンドルは軽くはなるのですが、それでもロールヨーの一体感がなく、片手で余裕を持って運転することはできませんでした。

ピッチ運動を伴う乗り心地の悪さ

路面の悪いところで乗り心地が弱点だと思いました。

凹凸の大きめの市街地や幹線道路を走ると、

・ピッチ方向にゆすられ、頭を前後にゆすられる
・大きめの段差での衝撃を吸収できない
・フロアからシートまで、ずっとゆすられている感じが続く

と乗り心地の悪さを感じます。そんな道が続くとそんな乗り心地に飽き飽きしてしまいました。

足回りがフリクション少なくしっかり動いている印象がありません。コンパクトカーという諸元から来るショートホイールベースであることも影響があるのかもしれません。

しかし、FIT e:HEVは、コンパクトカーらしからぬしっとりとした乗り心地を実現できていたことを考えると、改善すべき点かなと思います。

操舵支援系のADAS制御がしっくりこない

操舵支援系のADAS制御、LTA(レーントレーシングアシスト)がしっくりきません。

イグニッションONの時点でデフォルトで、これらの機能が作動する設定になっています。つまりトヨタは、この機能が標準的な状態があるべき性能としているのです。

それにしては、違和感があります。”扱いにくい高速のハンドリング”の部分でも悪影響を与えている気がします。また、センタートレース機能が結構強引にハンドルを戻すため、レーン内を左右行ったり来たりする結果になってしまいます。

ブレーキの効きのばらつき

回生ブレーキなのにも関わらず、ブレーキフィールは違和感がなく良好なフィールでした。

しかしながら気になったのは、極低速でのブレーキの効きが悪いこと。それを感じたのは、高速の料金所でお金を払おうと止まろうとした時。(恥ずかしいことに、ETCカードを忘れまして)あれ!止まらない!と思ったのです。

10km/h以下なので、回生ブレーキが効かない、メカニカルブレーキのみのシーン。ずっと、高速を走ってきてブレーキが冷えていたせいか?元々のメカニカルブレーキのキャパシティが低いのか?わかりません。

このブレーキの効きのばらつきは、気になるところでした。

最後に

改めて、YARIS HYBRIDは、

”高燃費と軽快さが特徴のコンパクトカー。質感・商品性は課題。”

でした。

動力性能 :◎-  乗り心地:△  ハンドリング:○

しかしながら、今回のドライブで、このクルマの位置付けがはっきりしました。

競合車で、コンパクトカーを凌駕した性能を持つFIT e:HEVと比較すると、燃費以外はFIT e:HEVが圧倒していたことが確認できました。反面、燃費だけを重視される方はYARIS HYBRIDということになりますね。

今後、さらに同クラスノートハイブリッドにも試乗してその違いを確認してみたいなと思いました。

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