さいたまダービーを観戦してきました
この前の日曜日、浦和駒場スタジアムで行われたさいたまダービー、浦和レッズレディースと大宮アルディージャヴェントスの試合を観戦してきました。
レディースの試合は、毎試合DAZNでは見ているのですが、スタジアムに見に来たのは久しぶり。思い起こせば、5月に行われたACL決勝以来、半年ぶりでした。
試合前日までに、多くの選手達がXで「5000人集客を目標にしている」という趣旨の投稿をしていたのです。それを見てその健気な姿勢に心を打たれて足を運びました。
当日は、11月とは思えない暖かさで、選手達は厳しかったでしょうが、観客としては最高の天気でした。
試合内容
駒場スタジアムについてみると、いっぱい人がいる!5000人とまではいきませんでしたが、4202人のたくさんの観客が集まって試合が始まりました。
試合開始から終始浦和が圧倒して大宮陣内で試合を展開するものの、守備的サッカーを展開する固い大宮の守備を崩せない展開が続きました。
しかし、前半34分、先日なでしこ日本代表に初選出された遠藤選手の斜めのパスに、逆サイドの栗島選手が飛び込み見事なゴールでした。
続く36分にも遠藤選手が右サイドを切り裂き、放ったグラウンダーのクロスが相手オウンゴールを誘発し、2-0とリードを広げます。
後半早々の3分、後半から入ったスーパールーキーの藤崎選手が、右サイドをドリブル、相手を振り切りシュート。見事に決まって、3−0。うわっと思いました。
そして18分、前線の島田選手の優しいパスをもらった藤崎選手が冷静にシュートを決め、4−0。
前半は遠藤選手、後半は藤崎選手の大活躍で、4-0の快勝でした。
さいたまダービーと称した試合でしたが、浦和の実力の高さと大宮との力の差の大きさを実感した試合となりました。
彼女達に心打たれるところ
彼女達の試合を見に来て思うのは、
”彼女達を見ると、自然と幸せな気分になる”
と言うことなのです。
なぜかと考えるといろんなことが思い浮かびます。
感謝の気持ちが全体に溢れている
彼女達が大勢の観客の前でサッカーする幸せを感じ、感謝の気持ちを持ってプレーしていることが溢れ出ているのです。
・試合前や試合後に観客に挨拶をする際に、大きな”ありがとうございました!”と言う声出しと共に深々と頭を下げること
・試合終了後のインタビューや、選手それぞれのXの発信で、サポーターへの感謝の気持ちを語っていること
プロリーグになって集客が重要だからそう感じるというドライな側面もあるのですが、彼女達にはそれ以上に何か真心のようなものを感じざるを得ないのです。
今いる主力の選手達の人格の素晴らしさもあると思います。加えて、浦和レッズレディースの育成含めたそれまでの指導者の指導や、レディースチームの雰囲気が素晴らしいとも思います。
逆に言うと、リーグの置かれている状況が違いますが、今の男子サッカーには見ることができない光景だと思います。男子サッカーも、初心を忘れずに、今の女子サッカーの姿勢を見習って欲しいと思います。
ひたむきに努力していることがわかる
”ひたむきさ”
それは彼女達のいろんなところで感じます。
・当然ながら試合中のプレー、特にボールロストした時の守備にそれを強く感じる
・先ほどの集客のための活動
・試合後には、子ども達とサッカースクールを実施
(後で知りました。試合後疲れていて、しかも2日後に試合がある状況なのに。素晴らしいことです。)
そんな彼女達を見ると、何か助けてあげないとと思ってしまいます。
スポーツの素晴らしさを実感できる
スポーツマンシップの原点を彼女達に見ることができることも、清々しさや幸せを感じられる大きな要因だと思います。
これは、正直、近年の男子サッカー、Jリーグには欠けている部分と言わざるを得ません。最近の神戸や町田のようなフィジカル勝負のチームが主流となっている現在、ファールまがいの接触プレーにおいて相手に対して有利に立とうとするプレーが多く見られます。
サッカーは接触を許容する競技なので、誤っていき過ぎてしまったのはしょうがないと思います。しかし、そう思えない過度な接触プレーが多く見られる傾向にあります。そんな相手へのリスペクトを感じないことに、自分は最近嫌悪感を感じています。
その点、女子サッカーはまだそこまで行っていないと感じます。INAC神戸や日テレベレーザが、フィジカル重視傾向な戦術になってきてはいますが、接触後の相手に敬意を表したりする行動から、相手へのリスペクトを感じます。
見ていて心が和む彼女達のチームワーク
ゴールが決まると、ほぼ全員がゴールした選手に集まってニコニコ顔。みんなが本心から祝福している。また、ゴールした栗島選手が、サブの選手に向かって一目散に走って抱き合っている。
そんなシーンを見ていると、本当にいいチームなんだなあと思うんです。
男子チームだって、同じようなシーンはあります。しかし、彼らにはまだそこまでを感じないんです。きっとまだ一枚岩になりきれていないと思えるからです。
反面、女子チームは完全に一枚岩。しかも、選手達の結束の高さが見て取れます。
また、激しいサッカーというスポーツをしている選手ですが、ゴール時の喜び方に女性らしい可愛らしさというか優しさを感じる。それも我々おじさんを和ませてくれるのです。
彼女達が披露する完成度の高いサッカー
浦和レッズレディースが見せてくれる完成度の高いサッカーが楽しいのです。
相手がフィジカル勝負でこようが守備ブロックを引いて守ろうが、もろともせず、鋭いパスを通してゴールに結びつける。ボールロストしたら、伊藤選手や柴田選手があっという間にボールホルダーを囲み、鮮やかにボール奪取する。
そんなサッカーを見ていると、ちょっと大袈裟なんですが、全盛期のバルセロナのような印象にも見えてきます。
個人個人の技術の話をし出したら、話が止まらなくなりそうなのでやめておきます。
湧いて出てくるようなルーキーの活躍
ルーキーが活躍するのを見ることができるのは、実に楽しいのです。
つくづく、レディースのユースの育成能力は凄すぎる!と思っています。
今シーズン、17歳で鮮烈なデビューを飾った藤崎選手をはじめ、角田選手、丹野選手、前原選手など、ルーキーの選手はユース出身。もっと言うと、その上の世代の主力選手、塩越選手や遠藤選手、島田選手もユース出身。
優秀な選手が湧いて出てくるように見えます。抑えても抑えても溢れ出してくる感じがします。本当に頼もしい。
それ以外のルーキー選手でも、高畠選手や後藤選手と若い選手が躍動しています。
浦和レッズレディースが、長い間、このサッカースタイルを続けていくことができると確信しています。
トップの試合に観戦しに来てくれる素晴らしさ
記憶が確かか自信がないのですが、降格がヒタヒタと迫ってきていたトップチームの柏戦。そんな重要な試合をレディースの選手達が応援しに来ていて、バスから降りる選手達を迎えていたシーンがあったと思います。
レディースの選手達は、トップチームの試合をよく見にきています。Xの記事によると、遠藤選手は、プライベートで何度も見にきていますね。
トップチームの選手も、もっとレディースの試合を見にきて欲しいと思います。
もっと言うと、前から思っていたのですが、男子チーム、女子チームの交流がもっとあっていいんじゃないかと思うのです。それによって、お互い刺激しあって成長していく。そんな相乗効果が期待できると思います。同じクラブなのですから。
コーチが交流するなんていいじゃないですか?阿部コーチや平川コーチが女子を指導するなど。
今年の冬はレディースの試合観戦です!
色々と浦和レッズレディースの魅力を語ってきた記事になってしまいました。
そして、これから今年の冬は、レッズレディースの冬になりそうです。
リーグ戦の残り、クラシエカップ、皇后杯と、Jリーグがシーズンオフの中、休みないサポーター生活となりそうです。
それはそれでサポーター冥利に尽きますね。