前節の勢いをキープして連勝したい試合
前節、ホーム埼玉スタジアムでFC東京相手に劇的逆転勝利を収めた浦和。劇的逆転勝利なんて、久々に感じましたし、チームのみならずサポーターも含めて全体が勢いに乗った勝利だと思いました。この勢いを続けて、連勝を続けていきたいところでした。
今節の対戦相手は、川崎フロンターレ。確かな技術のある選手たちが揃っているとともに、今年はなんといっても長谷部新監督の就任。長谷部監督が率いるアビスパ福岡はなんとも言えず強かった。川崎というよりも、長谷部監督に苦手意識を感じざるを得ません。それだけ、素晴らしい監督だということです。しかしそんな気持ちを跳ね飛ばし、連勝といきたいところでした。
がっぷり四つの展開が繰り広げられるも、この試合も劇的な大久保選手のゴールで追いつきドローという結果になりました。
なんと26年ぶりに等々力陸上競技場の試合に参戦
川崎のホームスタジアムは、”Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu”。
昔の名前は、”等々力陸上競技場”だったと思います。
思い起こせば、1999年、浦和レッズがJ2に降格した年。ホーム駒場スタジアムの広島戦で、福田選手の涙のVゴールで、J2降格が決まってしまいました。その試合の前の試合が、等々力陸上競技場でのベルディ川崎との試合だったのです。
その試合、浦和をJ2に落としてはいけないと等々力に向かい、その試合に参戦したものの、ベルディ川崎の北澤選手のゴールで敗戦。今でもあの記憶は鮮明に残っていて、等々力陸上競技場には行きたくないなとずっと潜在的に思っていました。
しかし、FC東京戦の逆転勝利に加えて、試合後のYoutube動画、”INSIDE REDS”のマチェイ監督の言葉、「We are Urawa Reds!!」(俺たちは浦和レッズだ)という言葉が自分の魂を大きく揺さぶり、自然にチケットを買っていました。
数えるとなんと26年ぶり!の等々力陸上競技場への参戦となったのです。
川崎サポーターの歓迎に感動しました!
この試合が始まる前に感動したことがありました。
「浦和レッズのサポーターの皆さんようこそお越しくださいました!」と場内アナウンスがありました。まあ、表面的にはそうだよな、自分が思う常識的なレベルならばそこで終わりだよな、そうなるなはずでした。
しかしそこで、川崎サポーターの皆さん全員が大きな拍手をくれました。このことは、自分の予想を遥かに超えた感動的な出来事でした。涙が出そうなのを堪えるのに必死でした。
川崎サポーターの皆さんに対して、本当にリスペクトの気持ちを感じました。
自分たちも自分自身を正して、川崎サポーターのような品位のあるサポーターにならないといけないなと痛烈に感じました。そう思わせていただいたことに対して感謝の気持ちを述べたいです。ありがとうございました。
試合を通して

マチェイ監督の勇気を感じました
スタメンを見た時に思いました。やっとこのタイミングが来たなと。そして、マチェイ監督が勇気を出して、選手全員を信頼して起用したんだなと思いました。
特に利樹選手と翔哉選手は、これまでずっとサブ組でスタメン出場もなく、内面で沸き起こるジレンマに苦しんでいたのだと思います。実力を出せば絶対に活躍できるし、うまくいってほしいと切に願っていました。
その他、関根選手、松本選手と、サブスタートだった選手も含めて、この試合の活躍が今後のチームの底上げになると期待できる采配だったと感じていました。
また、厳しい連戦を勝ち抜くため、チームとして一体感を高めるために有効な采配だったと思いました。
好敵手の川崎とがっぷり四つの前半
前半は、攻守が入れ替わり、一進一退、がっぷり四つの試合だったように感じました。
やや浦和がローブロックで5バック気味で守る時間帯も多いように感じましたが、川崎の両サイド、特に左のマルシーニョ選手は厄介でしたし、石原選手に加えて金子選手でしっかりと守備していた印象でした。
立ち上がりはややビルドアップに苦労していた感があったものの、15分過ぎ辺りからビルドアップの受け手がどんどんと工夫してポジションニングし、ビルドアップできるようになってきます。安居選手が開いたり、翔哉選手や松本選手が下がったり、金子選手がロングボールを受けたりと。
前半は特に、ファンウェルメスケルケン際選手(名前長い!!)の突破とクロス、エリソン選手の不運な接触での交代で入ってきた山田新選手が厄介でしたね。
そんな中、41分に後ろからのしっかりとしたビルドアップからチャンスを作ります。右サイドで、ボザ選手、金子選手、翔哉選手、金子選手と繋ぎ、金子選手がサイドチェンジしマリウス選手へ。長沼選手へと渡長沼選手が、左の裏を狙った利樹選手へ縦パスを通します。そして、左ポケットに侵入した安居選手へと渡り、翔哉選手に戻すと、翔哉選手が見事な軌道のクロスを放ちます。金子選手がヘディングモーションを見せたものの、それが相手キーパーを惑わす形となり、そのままゴールに吸い込まれます。
このシーンを見て、2023年のACL決勝で慎三選手がヘディングモーションしたのを思いおこしました。金子選手、グッジョブでした。
それにしても、翔哉選手ファンの自分としては、久々のゴールはすごく嬉しかった。現地では誰が入れたのかわかりませんでしたが、翔哉選手と知ってじわっとくるものがありました。
しかし、その直後に、圧をかけてきた川崎のゴールが決まってしまいます。浦和にとっては、セットプレー崩れの失点になりましたが、あのゴールは後で映像を見ると、山田選手のハンドもしくは長沼選手を引っ張っていることによるファールにしか思えませんでした。非常に残念な失点となりました。
後半は浦和優勢で展開、選手交代でさらにブーストアップ
後半は立ち上がりからしっかりとしたビルドアップを見せ、押し込み続けます。
58分に、利樹選手、翔哉選手に代えて、松尾選手、サビオ選手を投入。さらに65分に、関根選手、金子選手に代えて、凌磨選手、大久保選手を投入。前線のハイプレスの強化によってさらに全体で押し込みます。
しかし、いい流れのなかで追加点が奪えず。ここで決勝点が奪えなかったのが痛かったと思います。
しかし、川崎も選手交代で流れを引き戻す
そんな中、川崎も69分に選手交代。マルシーニョ選手、河原選手に代えて、山本選手、家永選手を投入しました。この交代が結果的には、流れを一変させました。徐々に、川崎は圧倒的なパスワークを見せるようになり、浦和は徐々にズルズルと下がって自陣のゴールで守備をすることを強いられます。
印象的だったのは、山本選手。いい意味で力の抜けた、もっというと脱力感を感じるほどのプレーから繰り出されるクロスやパスを見て素晴らしいと思いました。ふと、遠藤保仁選手のようだなと思いました。浦和が押し込まれたのが彼のせいだったことは明らかでしたし、非常に厄介な選手だったと思いました。
そして、ついに85分、右サイド家永選手が折り返したクロスを瀬川選手がダイレクトシュートで逆転されてしまいます。敗戦色が濃厚に感じる時間帯の得点でダメージの大きい失点でした。
執念ともいうべきゴールで貴重な勝ち点1
しかし、今の浦和は諦めない頼もしさがある!勝者のメンタリティを兼ね備えている!そのことを証明したのです。
石原選手のメンタルブーストがチームに火をつけたといっても過言ではないでしょう。91分に、浮いたボールに頭で行った石原選手の頭を、足で行った瀬川選手が蹴ってしまいます。脳震盪と思われる状況だったのも関わらず、彼はすぐさま立ち上がり、プレーを続行。その後の大久保選手の同点弾に繋げます。石原選手は今、浦和の精神的支柱と言っても過言ではないと思います。
終了間際の93分、サビオ選手のクロスを長倉選手の見事なヘディングによるアシスト、そして大久保選手のダイレクトシュートで同点に追いつき、試合終了。
諦めない気持ち、執念のドローというべき試合を見せてくれました。

お互い一歩も引かない好ゲームだった
振り返ってみると、お互い、チームのプレースタイルを見せつけた好ゲームだったと個人的には思いました。
川崎は、伝統のパスワークに加えて、見事なまでのサイドチェンジで攻撃チャンスを作り、ボールロストしても即時奪回で浦和にカウンターの自由を与えませんでした。
そして浦和はこれまでの通り、しっかりとしたビルドアップによる前進とロングボールでの前進を使い分け、引いて守るだけではなく攻撃のチャンスを作り出していました。
お互い一歩も引かない好ゲームだったと思います。
また、価値ある引き分けだったとも感じています。浦和はこれまでサブ組となっていた選手たちがスタメンで試合に絡んで、しっかりと存在感を見せてくれましたし、これまでのスタメン組が少し休養できたのですから。

印象的だった選手
らしさ発揮!! 利樹選手
今シーズン初スタメンの利樹選手。怪我で苦しい時期を乗り越えて、しっかりと復活の狼煙を上げてくれたと思います。
この試合で、彼らしい献身的で、相手にとって危険なプレーを見せてくれました。
前線での迫力あるプレス。サイドの裏に走り込みチャンスを作る。そして、前半19分、川崎のディフェンスラインのパスが緩くなったのを逃さずパスカットしてドリブルで突破しようとするも、丸山選手のプロフェッショナルファールで止められたシーンは、この試合の彼のプレーのハイライトというべきシーンでした。
この勢いをキープして、どんどんとコンディションを上げていってほしいと思います。

やっぱり魅せてくれる!! 翔哉選手
これまで、短い時間しか見ることができなかった翔哉選手のプレーがこの試合では、60分近く観れたことは個人的に嬉しかったですし、彼の今後のためにもいいことだったと思います。
パスを受けて、独特なリズムで攻撃のテンポを変えてくれますし、ゴールとなったクロスも回転がかかってバウンドした球がゴール方向に吸い込まれたのも技ありでした。
守備も献身的に動いていましたし、総じて良かったと思いました。
これからも出場時間を伸ばして、我々サポーターを楽しませて欲しいと思います。

いきなり絶好調続く!! 大久保選手
前節、スタメン復活からのいきなりの絶好調なプレーを見せてくれた大久保選手。この試合、終盤に投入され、劇的な同点ゴールを決めてくれました。
長倉選手の見事なヘディングからのあのダイレクトシュートは、彼の課題だったシュート力、決定力不足の改善が見られた素晴らしいゴールでした。
加えて、あそこに立っているということの意味、つまりなんとしてもゴールを取りたい、追いつきたいというメンタリティを感じました。
怪我から帰ってきた選手が、大きくなって帰ってきた、そう思いました。

やっぱりファイター!!石原選手
この試合、初っ端からマルシーニョ選手とのスピードバトルが勃発。それ以降も何度となくバトルを繰り返し大変だったと思います。そのおかげか、終盤まではいつもより攻撃参加が少なく、自陣で守備に徹することが多かったと思います。
終盤に入ると、前線で魂のプレーを見せて始めます。76分にはカットインからのシュート、89分にはゴールライン付近まで進出しマイナスのクロスを放つなど、なんとしてでも追いつこうという気迫を見せてくれました。
そして、91分の瀬川選手に頭を蹴られ、脳震盪と思われる状況でもプレーを続け、攻撃のパワーを弱めませんでした。
本当にファイター、浦和の精神的支柱の選手だと思います。本当に頼もしく、愛さざるを得ない選手だと思います。
名古屋戦はもしかしたら厳しいかも知れませんが、健康を優先して休んで欲しいと思います。

次の試合は、アウエイ 名古屋戦
次は、5月24日(水) アウエイ 名古屋戦です。
名古屋は因縁の相手。ここ2戦のメンタリティを続けて、スッキリと勝って欲しいと思います。
※なお、本記事の写真で自分が撮った写真以外は、浦和公式サイトの写真を引用させていただきました。