なんとしても意地を見せたい モンテレイ戦
前節のインテルミラノ戦は、先制ゴールでリードした後、インテルに実力を見せつけられ始めます。なんとか守っていたものの、最後の最後で逆転され、痛恨の敗戦となりました。この結果、予選リーグ敗退となってしまいました。
そして今回は、6月25日にロサンゼルス ローズボウルスタジアム で行われた、第3戦のモンテレイ戦です。
モンテレイは、メキシコの強豪クラブ。しかも、決勝トーナメントに出場する可能性を残して臨む試合だけに勝ちに来るはずです。
ですが、浦和もこのままでは帰れない。なんとしても意地を見せてほしい!一矢報いてほしい!と願うばかりでした。
しかし結果的には、0-4の大敗。浦和らしい攻撃はしっかり見せられていたものの、決定力に明らかな差がありました。失意のクラブワールドカップと終焉となってしまいました。
試合前の様子
日差しが刺すように暑い
ロサンゼルスは、日中の日差しが刺すようようでした。開門2時間前、16時は容赦なく照りつける日差しに体力を奪われる。そんな状況でした。
選手たちも大変だなと思いました。


入場すると、旧国立競技場をさらに大きくしたようなすり鉢状のクラシックなスタジアム。事前情報のイメージ通りでした。

広角にするとこんな感じ。

これまでの2戦に比べて、少ないものの十分なサポーターの数でした。

試合を通して
立ち上がりから、浦和らしい攻撃の組み立て・ビルドアップはできていたと思います。この試合では浦和らしさを見せて勝ちに行こうという姿勢が見られました。

しかしながら、30分過ぎからスーパーなミドルシュートや鋭いカウンターなど、浦和に明らかに足りない決定力であっという間に3点を取られ、それ以降はうまくゲームを進められ大敗という、最悪のCWCのエンディングとなってしまいました。
立ち上がりから30分までは浦和ペース
これまでの2戦とは異なり、立ち上がりから、しっかりとボールを保持してビルドアップしていくシーンが多く見られました。
6分、9分、17分、18分といい流れの攻撃ができていましたが、最後のところまでは行けませんでした。
そして、22分、ボザ選手から右サイドで関根選手が受けて、金子選手とのワンツーで前進。中央の凌磨選手、左の松尾選手と渡って、松尾選手がシュート。惜しくも枠を捉えることができませんでした。
また、直後の23分には、左サイドからの鋭いグラウンダーのクロスに中央にいた凌磨選手、長沼選手が合わせようとしますが、惜しくも届かず。
振り返ると、この2つのプレーで決めていたら流れが全く変わったなと思うほど分岐点となったプレーだったなと思います。
衝撃的な理不尽ミドルシュートが炸裂してしまう
そして、我々の希望を打ち砕く、衝撃的なミドルシュートが炸裂してしまいます。
29分、ゴールからかなり遠い位置でボールを持ったオデッサ選手が左足一閃。信じられないスピードで浦和ゴールに突き刺さってしまいます。
ちょうど西川選手の真後ろの位置で観戦していた自分は、その瞬間、真ん中が空いてる!と思いました。そして、オデッサ選手がシュートを放ち、そのボールがブレながら飛んでくるのが見えました。これは、流石の西川選手でも取れないと思いました。
DAZNで見返したところ、浦和の2ボランチも前には立っていましたが、寄せが甘かったというよりも、そう来ると予測していなかったように思えました。ちょっとでもオデッサ選手の前情報があったら防げたのではないか?と思いました。
そして、致命的だったのが、飲水タイム直後の失点。残念ながら、集中力を欠いた失点だったとしか思えませんでした。
その後、気になったのがグスタ選手。いつもより、前目のポジショニングが多い気がしていましたが、反面、戻りが遅い気がしました。
その不安がまたも的中。37分にコロナ選手にボールが渡った時点では、浦和の2ボランチは前がかりになっていて、ライン間にはポカンと大きなスペースができていました。そこをコロナ選手にドリブルされ、ほぼフリーでまたしてもスーパーミドルシュートを決められてしまいます。
どんなにいい試合内容で攻撃ができていても、ゴールが決まらなければ意味がない。両チームの決定力と集中力の差が如実に出た前半となってしまいました。
後半も諦めずに攻撃するもゴール決まらず
後半から、金子選手、グスタ選手に代えて、サンタナ選手、松本選手を投入して、攻撃を活性化させました。
浦和がボールを持って、なんとかゴールをこじ開けようとします。71分の荻原選手、72分の長沼選手とシュートできるチャンスがありながらもシュートできず。73分の凌磨選手のフリーキックが枠外と、ゴールに結びつきません。
90分に、ニ田選手のクロスにサンタナ選手がゴールしますが、その間にいた松尾選手がオフサイドの判定でゴールが取り消されます。
そして、96分にダメ押しのゴールをベルテラミ選手に決められ万事休す。
最終的には、0-4という大敗となってしまいました。
明らかな経験と決定力の差
試合を終えて冷静に振り返ってみると、モンテレイの選手たちは、浦和の攻撃を見ながらどこに空きがあるのか?様子を伺っていたように思えます。
そして、ある程度のところで見切って、あとは一気に畳みかけて点を取りにいく。そしてそこで取り切る。
そこには、明らかな経験と決定力の差があったと思います。
”うまく彼らの手のひらの上で転がされていた”
そんな印象が頭の中に浮かんだ時、試合終了直後の悔しさが何倍にもなって返ってきたのでした。

CWC 3戦を通しての思うこと
2度とこの感情を味わいたくないというのが本音
この試合の後半開始から、ゴール裏では”PRIDE OF URAWA”をずっと歌い続けました。こんなに歌い続けたのは初めてだったのではないでしょうか?
そして、歌いながら”PRIDE OF URAWA”って何だ?と考え始めました。
このCWC3戦を通して、悔しい気持ちしか残っていません。正直、この感情を2度と味わいたくありません。浦和のプライドはズタズタにされた気分です。このままじゃダメだと思います。
4年後リベンジに向けての具体的戦略を真剣に考えてほしい
この悔しさを、次の4年後に晴らしたいというだけなら簡単なこと。
しかし、それをクラブ全体で本気で目指してほしい。我々サポーターに2度とこの悔しい気持ちを味あわせないでほしい。浦和のプライドを守ってほしいと切に思っています。
そのために、その目標からやるべきことに要素分解していって、しっかりと実行していってほしいと思います。
今大会だけで、この世界の戦いは遥かに彼方にあることがわかりましたし、日本人らしい組織力だけではその差を埋めることが不可能な領域です。
その差を埋めるには、身も蓋もない話ですが、結局はお金が必要でしょう。外国人枠の撤廃もマストだと思います。
そんなことを真剣に考えて、今大会の経験を無駄にせず、4年後に向けて確実なステップを踏んでほしいと思います。
そのためにも直近の選手補強はマスト
選手たちは精一杯戦ったと感じています。
しかし、今大会で明らかな課題として突きつけられたのは、センターフォワードの決定力とサイドバックの選手層だと思います。
特に、カンテ選手のような理不尽ゴールが決められるフォワードを取ってくることが絶対条件だと思います。
これは、今に始まった話ではありません。ずっと前から言われている話です。
CWC決勝トーナメントで見た、バイエルンのハリーケイン選手のシュート力。世界で勝つということはこういうことだとつくづく思いました。
これ無くしては、今期のJリーグ優勝なんて口だけですし、実現はないと思います。
興奮と失望のCWCが終わりました
人生またとないチャンスと思い、期待と興奮の中で参戦を決めたCWCアメリカ遠征。
事前にこうなることがわかっていながらも、その通りの空虚感というか失望の気持ちが残る結果になりました。
しかし、歴史は続いていきます。自分の人生の中で、浦和が世界的なクラブと対等に戦えるレベルにならなくても、自分たちの子孫がそれを見届けてるために今がある。
それを信じて、浦和を応援し続けようと改めて思いました。
※なお、本記事の写真で自分が撮った写真以外は、浦和公式サイトの写真を引用させていただきました。