ホーム開幕戦の相手は苦手セレッソ
振り返ってみると、全くと言っていい思い出がないセレッソ大阪。
2022年シーズンの対戦では、結局勝てませんでしたね。
5月25日 リーグ戦アウエイ ●0-2
9月15日 リーグ戦ホーム ●0-1
9月21日 ルヴァン準決勝アウエイ △1-1
9月25日 ルヴァン準決勝ホーム ●0-4
ルヴァンを取るためにリーグ戦の試合で主力を温存し、迎えたルヴァン準決勝埼玉スタジアムではいいようにやられて完敗。スタジアムではもうやるせない気持ちでいっぱいだった記憶があります。
守備が固く、為田選手や山中選手といった多彩なクロスを加藤選手などFWの選手がきっちり決めていくサッカー。今年に入って、レオセアラやクルークスといった実力者を補強し戦力的に充実して恐ろしい相手。
ただ、これまで2戦を落としている浦和は相手がどうであれどんな勝ち方であれ、勝つことが次に繋がることをチームとサポーターがともに理解しています。しかもホーム開幕戦。やるしかありません。
落ち着きと連動性
試合開始から感じたのは、全員のポジショニングがよく、自信を持ってキープできることから、落ち着いて繋ぐようになったと感じました。また、ポジションチェンジやカバーがスムーズ、パススピードも速い。そして全員の集中力が高いことを感じました。
それをベースに縦パスの意識が高まったり、ワンツーによるボールを前進させるプレー、パスした後の動き直しも速い。そしてチャンスの時に多くの選手が走り込む。
マリノス戦の後半から徐々に出てきていたとは思いますが、うーんこれは先週の公開練習でも垣間見れたことでもありました。浦和のレジェンド阿部勇樹さんは、自身の本「僕はつなぐ」の中で、オシム監督についてこう語っています。
(オシムさんは頭の中で試合前に対戦相手とシミュレーションをして)そうして出た答えを、言葉で伝えるのではなく、練習方法で選手に伝えた。例えば、急にゴール前の練習を始める。すると、びっくりすることに、似たシチュエーションが次の試合で現れるのだ。
もしかしてマチェイ監督はオシム氏のような監督なのか?どうかはわかりませんが、同じ雰囲気を醸し出している気がしています。
この1週間でここまで修正してきたマチェイ監督の柔軟性と言いますか、引き出しの多さ、修正力は本物だなと感じざるを得ませんでした。
それを引き出していたのは?
チームに落ち着きをもたらしていたのは、やはり岩尾選手と興梠選手だったと思います。
岩尾選手
岩尾選手は、まさに核といったプレーだったと思います。最終ラインに下がってのビルドアップから始まり、有効なサイドチェンジ、鋭い縦パス、ワンツーパス、守備では広大なエリアをカバーし、相手ボールになった時の守備への切り替えの速さ、体を張った守備。獅子奮迅。もういなくてはならない選手ですね。岩尾選手のユニフォームが到着してそれを着てスタジアムで応援するのを心待ちにしています。
興梠選手
そして興梠選手。さすがとしか言いようがありませんね。岩尾、ショルツ、マリウス選手が縦パスを出せるのも、興梠選手の引き出しがあってからこそ。あの周りを活性化する気の利いたプレーはできる選手はあまりいないですよね。ピーターウタカ選手くらいかなと思っています。貴重なプレーヤーであることを改めて証明してくれました。未だゴールは取れていませんが、このままの調子でいけば時間の問題ですね。
2バックになるのがヒヤヒヤ
ただ、今回は酒井選手、明本選手両サイドバックが同時に上がるシーンがあり、攻撃的であるが、ボランチ二人がその守備の穴を的確に埋めないと、2バックになってしまうシーンがあります。
いくら、最強センターバックのふたり、ショルツ選手とマリウス選手であっても、数的不利ならかなり厳しい状況に陥ります。
オウンゴールのシーンはまさにその穴を為田選手に狙われ、昨年よく見たの鋭いグラウンダーのセンタリングを放たれた結果です。
今後、このリスク対応をしっかりやっていく必要があると思いますね。
若い選手の躍動
敦樹選手
この試合の若い選手の中では、敦樹選手がすごく良かったなと思います。守備時の彼の相手に対する間合いの取り方、寄せ方が、長谷部選手に似てきたような気がします。長谷部選手の守備は確実にボールを奪取して見ていて痛快でした。そんな印象を敦樹選手にも感じます。
また攻撃に顔を出すシーンも今回増えて、特にリンセンのシュートチャンスを奪ってシュートするシーンは特筆すべきだと思います。それは、普通、外国人FWがトラップしてシュート体勢に入ろうとしているのなら若い選手は遠慮してシュートを選択しないんじゃないかなと思います。ややトラップが大きくなったこともありますが、遠慮せず、言い方悪いんですが横取りするようにシュートを打った。この試合、俺が決めてやるぞという意気込みを感じられ素晴らしいと思いました。勝つための覚悟。それを彼に感じました。
荻原選手
もう見たくて見たくて仕方がなかった選手。公開練習でもゴール含めて素晴らしいプレーをしていましたから、この試合絶対出場すると思っていました。
もう素晴らしいプレーでしたね。攻撃での明本選手とのワンツー、最後に体を張った守備。また、シーズン前のインタビューで「試合の勝敗の責任を負える選手になりたい」という主旨の発言をしていましたね。その気持ちが体全体から湧き出ていた気がします。ほんと頼もしくなって帰ってきてくれました。
安居選手
決勝ゴール、Jリーグ初ゴールを決めた安居選手。ちょと予想外の起用だったのです。自分は平野選手を入れて敦樹選手を前にだすのではないか?と思っていました。
でも、マチェイ監督の選手を見る目は確かなんですね。安居選手は、昨年のACLグループリーグでも鋭いミドルシュートを決めていますし、シュート力は確かなものを持っています。このまま決定力のあるトップ下でレギュラー奪取でもしようものなら、本当に日本代表まで駆け上がってしまうかもしれない。そんなポテンシャルが見え隠れしています。楽しみですね。
ふと思うと、江坂選手が移籍しなかったらこの状況にならなかったわけですし、逆にこのポジションを変に補強しないで、小泉選手や大久保選手とレギュラー争いをする中で彼を育てていくようにしたほうが、レッズや彼の将来のためになるのかなと思っています。
浦和の一体感を感じたシーン
コールリーダーの声
試合翌日にTwitterで知ったのですが、オウンゴール後にコールリーダーが「大丈夫、大丈夫!」と声をかけていたこと。
これこそが浦和を信じる一体感の象徴だと感じました。自分もまさにその通りと感じていて、そこまで全然悪くなかったし、まだ全然いけると思っていました。ポジティブな声掛けをすることでみんなが前に進める。素晴らしい言葉だったと思います。
試合後、オウンゴールに関与してしまった岩尾選手が「サポーターに救われた」と言っていたところからも、この言葉が絶大なパワーを持っていたことがわかります。ありがとう。
安居選手のゴール後のシーン
安居選手のゴールのあと、もみくちゃにされている安居選手。その中にサブの選手にフィジカルコーチのテックコーチ、通訳のイゴールさんまでもが安居選手に駆け寄って祝福していたシーン。
テックコーチは、公開練習を見ていても、全ての選手にポジティブな言葉をかけていますし、フィジカルだけでなくメンタル面もコーチングしているのではないか?と思うほど。彼も今年の最大の補強ではないか?と感じるところです。
加えてサブのメンバーも飛び出して安居選手を祝福したシーン。すごく幸せに感じたのと同時に、浦和の一体感をすごく感じたシーンでした。
荻原選手が体を張ったディフェンスをした後のシーン
最後は、荻原選手が体を張ったディフェンスをした時の周りの選手が駆け寄ったシーン。
荻原選手の魂のプレーとしか言いようがありませんが、それが他の選手たちの魂に火をつけたとしか思えませんし、チームが勝利へのメンタリティを共有したプレーでもあったと感じました。
それと同時に、浦和レッズOBで京都サンガ監督の曹貴裁監督に感謝の気持ちを伝えたくなりました。
駒場が救ってくれた気がします
ホーム開幕戦が駒場でよかったとつくづく思いました。
苦手セレッソに勝ててよかった!アウェイ2戦での敗戦を引きづらないでよかった!と思うのと同時に、魂を込めて応援したサポーターたちに加えて何か駒場が救ってくれたのじゃないかという気がしてきました。本当にありがとう。
明日はルヴァンカップ初戦。この流れで控え選手の奮起と底上げ、期待します。勝ち続けて、勝者のメンタリティを強化していきましょう。
[…] マチェイ監督の修正力の凄さを感じた!【浦和レッズ観戦記(セレッソ大阪戦)】ホーム開幕戦の相手は苦手セレッソ 振り返ってみると、全くと言っていい思い出がないセレッソ大阪。 […]