よりよい人生を送るための思考法
このサブタイトルが目に止まり、ビビッときて、手にとったこの本。
読み始めから、納得する言葉と新しい気づきの連続で、すごく読み入ってしまいました。
題名:Think clearly
最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法
著者:ロルフ・ドベリ 訳:安原美津
発行:サンマーク出版
52個の思考法のうち印象深かったものを紹介
本書は、52個にもなる生きていく上での思考方法、人生のヒントが書かれています。その中から印象深かったいくつかの思考法について、一部引用させてもらいながら感想を述べさせていただきます。
1 考えるより行動しよう
この本の第1章は、こんな言葉から始まります。
あなたにこっそり、「文章を書くための最大の秘訣」をお教えしよう。(中略)その秘訣とは、何を書くというアイデアは、「考えているとき」にではなく「書いている最中」に浮かぶということだ。
あらかた考えたら、走り出して、その間で考えろってことですね。人間何か計画を立てたりすることで、満足してしまうところってあります。自分もまさにそうです。やった気になってしまう。でも、実行に移すのが大変ですからね。
自分のブログの例を考えると、始める時に半年くらい準備期間がありました。ブログの内容や構成をどうするかなどを結構考えていましたが、今思えばさっさと文章を書き始めれば良かったなあと思いました。
やはり何事も考えるだけでなくやってみることで、それが自分事になって、自分自身で考え自分の中で生まれてくるものが大事だなと思います。いろんなアイデアや企画も湧いてきますし、それはそれで楽しいもの。自分発見にもなります。
人生において自分が何を求めているかを知るには、何かを始めてみるのが一番だ。この章を読んで何か行動を起こしてみようと思った人も、考えているだけではよい人生は手に入らないということだけは常に頭に入れておくようにしよう。
今まさにそう思っています。
2 なんでも柔軟に修正しよう
まずはやってみようとしない理由の一つに、あれこれ考えたり、立派な計画を立てようとして、時間をかけすぎること。
私たちは、せめて最適な前提条件をそろえておこうと「最初の設定作り」に精を出す。(中略)なんとかして計画通りに目的地にたどり着けるように。
だが、あなたも知ってのとおり、物事がうまく運ぶことはほとんどない。(中略)最初の条件設定ばかりを重視し、修正の意義を軽んじすぎている。
計画に執着することなく、柔軟に修正することの大事さは、今になって感じますよね。
会社の中でいろんなプロジェクトを推進したり、今では自分のライフプランを考えたりといっぱい計画を立ててやってきましたが、実際計画通りにはいかないことは若い頃に比べて理解できています。それは、自分というよりも周りの環境要因に寄ることが多いためです。自分以外はコントロールできないので。なので、そこはもうしょうがないと割り切って、計画を修正していくことが大事ですね。それを経験することで、その計画に対する成熟度と言いますか?レジリエンスというか?柔軟性が向上していくと思います。
このことは、クルマの運転に似ています。コーナーの進入で、普通にコーナーに沿ってステアリングを切っていったあと、路面が凍結していて、挙動が乱れてしまうようなシーンがあります。最初に切って行ったステアリング量だと、自転してしまうような挙動を戻すことができないため、大きく修正舵を当てることになります。ただ、そういう経験をした後は、同じ季節に同じ道を通ったら、あらかじめ危険を予測して、以前に比べて速度を落としたりして、事前に危険を避けようとするに違いありません。そうやって運転が上手くなっていくんです。
9 幸せを台無しにするような要因を取り除こう
これは、自分にとって意外というか気づきになりました。
投資家たちはよく「アップサイド」や「ダウンサイド」という言葉を口にする。(アップサイドはポジティブな投資結果、ダウンサイドは倒産した場合のようなネガティブな結果を示す)ダウンサイドが取り除かれてさえいれば、アップサイドは自然に姿を表すものだ。
バフェットのビジネスパートナーであるチャーリー・マンガーはこうも言っている。「私たちのような人間が、これほど長期にわたって成功をおさめているのは驚くべきことだ。私たちはただ賢くあろうとする代わりに、愚か者になるのを避けているだけなのだが。
振り返って自分の生き方で考えてみた場合、借金をできるだけしないことを心がけたことがこの考えにつながるかなと思いました。特に家に関して。過剰に豪華な家にすることなく、身の丈にあった借金というものを念頭に、身の丈にあった家を建てました。家を建てることは普通であれば人生最大の借金でありますし、長期間にわたって返済するため、ライフプランに大きな影響を与えることになります。自分自身は、深く考えずに感覚的に大きな借金は嫌だなと思って決めましたが、今となって思えば自分の心の声に素直に従って良かったと思っています。
また、サッカーの戦術的で例えてみると、攻撃的な戦術のチームと、守備的な戦術のチームではどちらが好成績をの残すか?ということ。賛否両論あると思いますが、特にリーグ戦のような長丁場での戦いでは、守備的なチームの方が好成績を残す気がします。やはり、大崩れしないとか、肝心な試合で勝ち切れるということになると思います。
投資の例でも、インデックス投資のように、リスクを少なくして時間を味方にして世界経済の成長に伴って利益を得るという投資方法もそう言った考え方に通じるものかなと思っています。
13 ものごとを全体的にとらえよう
初めて知った「フォーカシング・イリュージョン」という言葉。
ノーベル経済学賞を受賞した心理学者のダニエル・カーネマンは、次のように説明している。フォーカシング・イリュージョンとは「特定のことについて集中して考えているあいだはそれが人生の重要な要素のように思えても、実際はあなたが思うほど重要なことでもなんでもない」という錯覚を表す言葉だと。
我々の世代は、昭和という時代を生きてきました。日本人のいいところである、勤勉さと均一感。それを存分に活かした時代でもありました。その中で経済は成長していった。でも今思うと、忠実すぎるのと個性の無さとも言えます。
そんな中、育った自分は、勉強すること、いい学校に行くことが、将来の人生につながる大事なことだと思っていました。長く生きてきて今振り返って思うのは、それらはその時代に洗脳された思い込みだったということです。
今は時代が変わり、もっと自由な生き方ができますし、
・常識を疑うこと、人と違うことを自分を信じてやり抜くこと
・もう少しひいて高い視点で物事を本質的に自分の頭で考えること
の大事さを感じています。
自分の人生を、できるだけ距離を置いてとらえてみてほしい。今は重要に思えるものが、全体図にはほとんど影響を与えないほどの小さな点になっていくのがわかるだろう。
今はそう痛感しています。
人生のたかだか「0.1パーセント」を過ごすだけの飛行機のシートの狭さよりも、狭い考え方の方がずっと始末が悪い。つまらないことに意識を集中させていては、人生を浪費するだけなのだ。
日々生きている中で、イラッとすることは多いと思いますが、そんなことに時間を割いたり引きずるのは人生の無駄。自分の人生に対して関係のないものとして、視野に入れないくらいの見方ができるようになりたいものです。
17 静かな生活を大事にしよう
これは、今心の底から感じることですね。
人生は、静かな方が生産性は高い。
(中略)派手に動き回ればよい考えが浮かぶとか、休みなく何かに取り組めばその何かに対する理解が深まるとか、積極的に働けば結果がともなうとかいうような相関関係は存在しないのだ。
それでは、あなたの人生を向上させるには、いったいどうすればいいのだろう?それにはせわしなく動き回るのを控え、何ごとにも落ち着いて、長期的に取り組むことだ。
会社員時代は、長期的なプランを立てるときや自分の中で答えを出そうする時に、ひとりで会議室に篭ったりしたことが頻繁にありました。
会社の中では、会社の哲学を正しく理解してそれに沿って長期的に考えられる上司はそうそういませんでした。短期的に成果が欲しいと考える上司がほとんど。自分としては、自分が考えた長期的プランに沿って進めていきたいのに、それじゃ遅いとか、いつ結果が出るんだとよく言われたものです。
でも結局、急がば回れで落ち着いて将来を見越してブレずに行動する方がいいに決まっています。
なので、退職後の今の自分は、静かに読書をしたり、この記事を書いたりと、すごく充実した幸せな時間を過ごしています。
忙しいみなさんも、ひとりになって静かに自分に問いかけ考える時間を少しでも設けると、ふといいアイデアだったり、進むべき道が浮かんでくることがあると思います。忙しい中でもそんな時間を大切にすべきだなあと思います。
26 楽しさとやりがいの両方を目指そう
最初は耳が痛い言葉だなと思いました。
よい人生に必要なのは、「楽しめる」行為か、それとも「有意義な」行為か?(中略)あなたには、「欲求」と「意義」のバランスよい配分を心がけるようおすすめしたい。
自分の仕事に関する考え方を例にしてみると、どちらかというと自分が「楽しめる」ほうを大事にしていたと思います。自分の若い頃は、それほど意志が強くなく精神的にもそれほど強くなかったですから、好きでもない、楽しくもないけど「有意義」な仕事をやり続けられるのか自信がありませんでした。やはり、好きなことは長く続けられますからね。
ただ、段々と歳を重ねるごとに、社会や環境のための「有意義」な仕事に対しても取り組むことも多くなってきました。それでも、「有意義」な仕事だけでは長続きしなかったと思います。
なので、そのバランスを取るというこの言葉は納得の言葉だと思いました。
27 自分のポリシーをつらぬこう
これもずっと考えていたことを言語化してくれた言葉だなと思いました。そう、「尊厳の輪」という言葉です。
どんな事情があろうと妥協できない、個人的な優先事項や主義の明確な領域を、私は「尊厳の輪」と呼んでいる。
自分の中には、自由が自分の価値観であり「尊厳の輪」であると言えます。
こちらの記事で、自分のあるべき姿「beingのビジョン」を考えました。
それはこの二つです。
① 自分の生き方、進むべき道は自分で決める自由を持つ
② 内面の成長・深化した自分でありたい
特に、①については周囲の環境が大きく影響するものではありましたが、周りの協力も得ながら、自由という「尊厳の輪」を守り続けて、今に至っています。
「尊厳の輪」は、年齢を重ねるにつれて、しだいにはっきりした形となる
確かに、若い頃はそれほど意識しておらず、やりたいかやりたくないかくらいではありましたが、いろんな経験を積んで、この考え方が強固になってきた気がします。
周りに決められる人生では成功するはずがありませんからね。
ただし、「尊厳の輪」は小さいままにしておこう。その理由は二つある。ひとつ目は、輪の中に入るものが多ければ、矛盾が生じやすくなるからだ。(中略)ふたつ目は、輪の中に入れるものが少なければ、自分の信念に対してきちんと責任を持ち、それを守りやすくなるからだ。
なので、みなさんも自分に問いかけて「尊厳の輪」を見つけてみてください。そうしてそれに沿って生きていれば、多少の波風があったとしても精神的に安定した人生が送れると思います。
31 性急に意見を述べるのはやめよう
これは少し意外な言葉でしたね。自分は、レスポンスの良さは頭の良さを象徴するものと思っていたので、なるべく早くレスポンスしようと心がけていましたから。
私たちには、質問が複雑な場合は特にそうなのだが、「即座に直感で答えを出す傾向」がある。そして意見を表明した後になってようやく頭で理性的に考え、自分の立場を裏づける理由を探しだす。この思考の過程は心理学で「感情ヒューリスティック」と呼ばれる。
往々にして、自分の頭で理解して考えていないにも関わらず反射的に回答する人っていますよね。そういう人って負けん気が強くて、すぐに反応しなかれば負けだと思っていると思うんです。でも実際は、的外れな回答や論点が外れて、結果的に相手を煙に巻こうとするだけで終わります。確かにスマートとは言えませんね。
そういう意味で、時間がかかっても、相手の言いたいことをちゃんと考えて、しっかり本質的な回答できることがスマートなんだなと思うようになりました。
34 解決よりも、予防しよう
これも納得の言葉でした。
アインシュタインはこんなふうに言っている。「頭のいい人は問題を解決するが、賢明な人はそれをあらかじめ避けるものだ。」
これを読んで会社の人事評価のことを思い出しました。
会社の中では、発生した問題に対して見事に解決した人、火消しをした人が評価が高かったのは間違いありません。問題を起こさずに粛々と仕事を進めていた人よりも。
この原因は、上司の部下に対する評価能力がないことによるものだと思います。無論、発生した問題は、その会社や部のピンチなのですから見事に火消しできた人を評価するのはわかります。ただ、彼は問題を起こした当の本人であるわけで、そもそも原因は彼にあるのです。問題を起こさず賢明に仕事をしてきた人の評価を十分にしてあげるべきなのです。
また、この話もクルマの運転に例えることができると思います。速く走ろうとする場合、限界を予測してギリギリで走るのが一番です。ドリフトのように限界を超えて走ると、派手で見栄えはいいのですが、タイムロスしてしまいます。会社での評価は、速さではなくドリフト重視といったところでしょうかね。
「予防措置」をとるのに必要なのは、知識だけではない。想像力も必要なのだ。
将来、起きうるであろうことを想像して、備える必要があるものは備えておく。それが人生において、スマートに生きていくことになっていくと思いますし、自分も今後の人生、そうやってスマートに生きていきたいと思います。
36 注意の向け方を考えよう
これは、非常に難しいですが、大事なことだと思います。
ゲイツは、会場に居合わせた人々にこう尋ねた。「あなたたちがいまの成功を手にできた1番の要因はなんですか?」バフェットは「『フォーカス』だね」と答えた。ゲイツも同意見だった。
どこに注意を向けるかが、成功を手にするための大きな要因であるということ。それはどうやら間違いないらしい。
若い頃はやりたいと思うことがいろいろ湧いてきて、自分自身欲張りなもので、「テーマを絞る」ということが特に苦手でした。周りから、よく「テーマを絞ってみて」とよく言われたものです。
歳をとってくると腹が座るというか、若い時ほど焦ることもなくなってくるので、重要なところに気づいて、そこにフォーカスできるようになってきました。そのどこが重要なのか?今やるべきなのか?という判断力を養うことが大事なんだなと思います。
「あなたがどこに注意を向けるかで、あなたが幸せを感じるかどうかが決まる」と心理学者のポール・ドーランも書いている。
この言葉は、どちらかというと、注意するべきではない余分なことまで、考えるべきではないということですね。ドライな言い方をすれば、人生短いのだから、自分の人生にとって役に立たない人は切り捨てなさいという意味でもあるでしょう。その方が精神的にも平穏に慣れます。
39 心の引き算をしよう
これは確かに!と思った言葉でした。
「銀メダル」を獲得したメダリストは、「銅メダル」を獲得したメダリストより、幸福度が低かったのだ。
どうしてだろう?なぜなら銀メダリストは、自分を金メダルと比較し、銅メダリストは自分をメダルに届かなかった選手と比較したからだ。
(中略)
「私たちはたいてい、自分が手にしている幸せには気づかない」と心理学者のポール・ドーランは書いている。
スポーツ選手はよく優勝以外は価値はないとか、準優勝だと何も残らない、その位置で満足したら終わりだとも言います。
若いうちは、そういう悔しさを感じることで、それを燃料にして、向上心を燃やし上にのしあがるといったポジティブな方向で使っていけたらいいと思います。反面、ネガティブな性格な人だったら、自分はどうせダメだと負のスパイラルに陥る可能性もありますよね。そういった人には、この「心の引き算」の考え方で、準優勝という結果のありがたみを感じることができますし、自分をそこまでネガティブに追い込まなくて済むようになると思います。
我々世代までになってしまうと、もうジタバタしても始まりませんし、腹が座った状態です。なので、他人との比較などしないで、今自分が手にしている幸せを感じて生きていくことが大事だなと思います。お金とか成功とかいうのではなくて、穏やかな生活とか健康とかに感謝しながら。
47 期待を管理しよう
これも確かに!と思った言葉でした。
「しなければならないこと」は必然、「したいこと」は願望(好みや目標)、「できればいいなと思うこと」は期待である。
「3つの思考」を正しく管理することが大事なんですね。
「願望」を人生の必然事項のように考えていると人は気難しく、不機嫌になる。そうすると、どんな聡明な人でもバカげた行為をすることになる。人生の「必然」事項だとあなたが思い込んでいるものは、できるだけ速くそのカテゴリーから外したほうがいい。
「〜になりたい」を「〜にならねばならない」と勘違いすることは確かに多いですよね。自分も、会社では「自分のプロジェクトを完全な形で量産に繋げなければならない」という思いが強く、今思うと精神的に自分自身を追い込んで苦しめていた気がします。杓子定規的に物を考えなくても、いい物であれば時間が経てば量産につながるはずといった柔軟な考え方ができなかったことが悔やまれます。もう少し楽に生きたらいいと思うことですね。
(「期待」について)あなたが大きく失望を感じるとき、その原因の多くは期待をきちんと管理できていないことにある。特に「周りの人たち」に対する期待だ。周りの人たちがあなたの期待に応えてくれる確率は、天気があなたの期待に応えてくれる確率と同じぐらいしかない。
これは、若いうちは気づかなかったのですが、歳を経るにつれて理解できてきたことです。このことが理解できているかどうかで、周りの人に対して過剰な期待を持つこともなくなり、過剰な期待を裏切られたという喪失感を味合わなくて済むと思います。
49 自分を重要視しすぎないようにしよう
これは、よい気づきになったお話です。
自分は、周りに対して俺が俺がとアピールするような自己顕示欲がある人間ではありません。それでも、心の中では、「この仕事は自分が始めたのだし自分がこれだけやったのだから、なんで周りは自分を大事にしてくれないんだろう」とか心の底で思いながら、悶々とすることはよくありました。でもこんなこと考えても無駄というか邪魔になるといっています。自分は大した人間じゃないからと謙虚にしている方が、余計なことを考えなくていいということです。
自分が重要だと思うこと自体は、自信を持つ意味では悪いことではないと思うのですが、度が過ぎてしまうのがいけないといっているんですね。
「自分を重要視する度合いが低ければ低いほど、人生の質は向上する」という、逆の相関関係まで成立する。
今まで自己顕示欲がある人を多く見てきましたが、成功している人はそれほどいませんでしたね。反面、その逆で自分をあまり全面に押し出さず、周りの心配ばかりしているような人は、長い意味で成功している気がします。
理由は三つある。
ひとつ目は、自分は重要な存在だと思い込むと「余計な労力」が必要になるからだ。(中略)ふたつ目は、自分を重要視すればするほど、「自己奉仕バイアス」に陥りやすくなるからだ。(中略)三つ目は、自分を重要視していると「敵」を作ってしまうからだ。
確かに、彼らは、自分をアピールする労力が増え、自分がどう思われているかを気にし、自信過剰になり、周りから嫌われる傾向にあった気がします。
長い目で見れば、謙虚でいたほうが生きやすい。自信を持つことは誰にでもできるが、謙虚でいるのは難しい。だが、謙虚でいれば地に足のついた考え方ができるので、感情の波に振り回されることはない。
謙虚に生きるためには自己改革が必要ですし、本当に難しいと思います。しかし、完全にそれを身につけることができれば、本当に素晴らしいことだと思います。また、自分のbeing ビジョンの二つ目である 「内面の成長・深化した自分でありたい」に直結することになると思います。なので、心掛けて自分のものにしていきたいと思います。
51 自分の人生に集中しよう 会社の在り方
これも納得の言葉ですね。
たとえあなたがどんなに優秀でも、世界全体の構造から見れば、あなたはさして重要でも不可欠でもない、取り換え可能な存在でしかない。
あなたが、本当に重要な役割を担っているのは、あなた自身の人生に対してだけだ。
会社という組織の中で生きる個人というのは、自分の居場所を提供されて、そのフィールドで個人個人が活躍できるように努力していくもの。ドライな言い方をすれば、ある個人が1人いなくなったとしても、ケガが自然に治癒するように、組織がカバーしたりして少し経てば何もなかったかのように進んでいくものです。
なので、会社の中にいる間は、会社の利益に貢献するのはもちろんですが、自分らしい仕事ができるように動いていくことも大事ですし、仕事一辺倒にならず、家族含めた自分の人生を大事に生きていくことが大事だと思います。
子供の成長は、子育ての時期しか見れませんし、仕事一辺倒で健康を害してしまえば、引退した後の人生も楽しめなくなるかもしれません。
なので、この歳になって、人生少しわがままに生きてもいいんじゃないかなと思います。
52 内なる成功を目指そう
これは今まさに思うことですね。
私はあなたに、まったく別の「成功の定義」をご紹介しようと思う。(中略)その定義とは「内なる成功こそが、真の成功」だというものだ。「内なる成功」というのは、心の充実や平静さを手に入れることだ。
心の充実や平静さは、本当に人生の成功ともいうべき定義だと痛感しますね。自分は、子供の頃から、「お前は親に人付き合いが下手だから、研究者になったらいい」と言われていました。でも、研究所のエンジニアになったからとって、人付き合いがないわけではありませんでしたし、研究所は余計変人だらけだったこともあり、本当に苦労しました。
今、退職して、そんな変人たちと付き合う必要もなくなり、いろんなことを静かな環境で考えている時が、自分とって本当に幸せな時間と思えますし、心の充実や平静さを保てる時間でもあります。
では、「内なる成功」を手にするにはどうすればいいのだろう?
それには、私たちが影響を及ぼせることだけに意識を集中させ、それ以外のことは一貫して意識から切り離しておくことだ。
今、自分の内側にフォーカスをむけ、自分に問いかけること。そしてその問いに自分がどう答えるか?がこれからの進む道であると思っています。
最後に
本書は、今回紹介した思考方法以外にも、数多くの有用な思考方法が記されています。
なので、幅広い世代に本当に役に立つ1冊だと思います。我々世代はもちろんのこと、人生経験の少ない若い世代にとっても、これからの人生を生きていく上で役立つヒントになると思います。
ぜひ読んでみてください。オススメです!!