ACLプレーオフから中2日のハードスケジュール
火曜日のACLプレーオフ 香港の理文戦の後、この夏場での中2日でリーグ湘南戦。しかもアウエイ。少なくとも金曜開催を土曜や日曜開催にできなかったのか?日程的な不満が残ります。
ACL出場チームへのJリーグの日程的なサポートがない
今期、特に感じる、ACL出場チームに全く配慮を感じないJリーグの日程への不満です。これに関しては、浦和はハンデを負っていると感じざるを得ません。強いチームにとっては過密日程は当たり前と言われればそれまでですが、日本の代表するクラブとして世界で戦っているのですから、Jリーグ自体を少しでもフェアに戦えるように配慮していくべきではないか?と思います。
また、ACLのノックアウトステージ中の9/20〜12/6は、Jリーグの優勝争いの終盤に重なることもあって、明らかに横浜と浦和にとっては全く不利な状況です。
Jリーグ自体が、世界に飛び出していく方向性を前面に出して、他のリーグと熾烈な争いを戦っていくためには、ACL参加チームをサポートしていくべきですし、そうでなければ浦和のようなクラブにただ丸投げして結果だけいいとこ取りする姿が見えてきます。
日程のサポートをしないのであれば、戦力を豊富にしてその日程を乗り切れるように、
①ACLに出場するチームへのサポート金の更なる増加
現状1億だが、来季から理念強化配分金を上位ほど増やすため、5000万円に減らすとのこと。増やすべきではないかと思う。
②登録できる選手枠の更なる増強
現状、プロA契約選手は最大25名まで ACL出場チームは A契約選手を1チーム27人まで拡大することが可能。あと+5人くらいにしてもいいのではないか?プレミアリーグのように21歳以下の選手は上記登録人数に無関係にするのも、若手育成の面で良いのではないか?と思いますね。
※参考までにこちらの記事(リーグ配分金の記事(2023/2024))のリンクを貼っておきます。
しかし、そんなことを言ってもすぐには変わりません。
これは今後、浦和が自力で変えていくしかありません。ACLに出続けて、巨額の賞金を得て、世界レベルのビッグクラブになり、Jリーグに対する発言力を増大していく。きっとそうなっていくと信じています。
それでも与えられた理不尽を跳ね飛ばすしかない
もう置かれた状況で、やり切るしかありませんね。
それでも、浦和はそんな理不尽を、冷静な試合運びと理不尽を上回る理不尽ゴールで打ち負かしてくれたのでした。
湘南のアグレッシブな攻撃を凌ぎ落ち着いた勝利
試合開始後は、湘南の猛攻
試合開始から、湘南は後ろからどんどん湧いて出るようにして選手が走り込んでくるサッカーを展開。まさに、湘南らしいサッカーで猛攻を仕掛けてきました。
浦和は、2トップのチームにはビルドアップに苦労する傾向がありますね。湘南も、厄介な大橋選手とタリク選手の2トップで、ショルツ選手や岩波選手からの中央の岩尾選手へのパスコースを見事に防いで、なかなかうまくビルドアップできていませんでした。
そうこうしているうちに湘南がボール奪取すると人数をかけて攻め上がり、特に右サイドの畑選手の攻め上がりとクロスにはヒヤヒヤさせられましたね。
それでも、浦和は中は固く、最後まではやらせませんでした。
反面、湘南の運動量は、90分持つのかな?と心配するくらいの運動量でしたし、浦和にしてみれば、後半湘南の選手はばてることを予測してプランを立てていたのかもしれません。
前半25分以降浦和のビルドアップが機能し始めた
25分くらいまでは我慢していたのですが、こういう場合はやはり岩尾選手が下がってくるのが浦和の常套手段。そこからは、サイドを起点に大久保選手のキレキレのドリブルや、明本選手の攻め上がりで、押し返し出し始めます。それでも完全に押しこむまでは至っていませんでした。
後半開始時の佳穂選手の投入が効いた!
それが後半は押し込む展開に。それは間違いなく、佳穂選手の投入のおかげでした。
彼は、今メンタル面での充実がはっきりわかりますね。プレーの迷いがなくなっています。前線での明らかにプレー強度が上がってキープボールキープもしっかりできていました。また、気の利いたポジショニングで岩波選手からの鋭い縦パスを難なく受けて攻撃に展開するなど、後ろの選手、特に敦樹選手、岩尾選手の攻め上がりをサポートできていました。また翔哉選手との関係性もいい。頼もしい選手が戻ってきました。
湘南もだんだん体力的に苦しくなってきて、ファールやイエローカードが増えてきます。
すると61分、Jリーグの日程の理不尽を完全に吹っ飛ばす、スーパーな理不尽ゴールがカンテ選手によってもたらされます。
その前に明本選手のクロスにカンテ選手がヘディングしたのですが、それを拾った平岡選手が味方繋ごうとしたのですがコースが甘く、岩尾選手がパスカットしてカンテ選手のゴールにつながりました。平岡選手は自分のせいだとばかりに大の字に寝っ転がって悔しがっていました。クリアしていれば!と思ったんでしょうね。それでも、その直後のプレーで攻め上がって頑張ってクロスを上げるという気持ちを見せてくれました。彼はこの悔しさをバネに成長する気がします。
その後は、岩波選手のヘディングシュートや翔哉選手のシュートなど惜しいシーンはありましたが、うまく試合をコントロール。
試合全体を通して、岩波選手、岩尾選手、敦樹選手が繰り出す、縦や対角のロングフィードや、サイドチェンジが有効で相手を走らせ、疲れさせるとともに攻撃の糸口を作っていたと思います。
そして試合終了。プラン通りとも思える勝利をもぎ取りました。
印象的だった選手たち
スーパースーパースーパー カンテ選手
カンテ選手はすごいものを持っています。
シュートの前に自分のスペースを作る動き。右足はパワーシュート、左足はコントロールショットと両足で打てるとういうシュート技術の高さ。そしてなんと言ってもシュート精度の高さ。加えて、自分一人で打開できる能力をも兼ね備えている。ユンカー選手もシュート力は素晴らしいものを持っているとは思っていましたが、カンテ選手は完全に上を行ってますね。
3試合連続ゴールは全て、「うわっ」って無意識に声を出してしまいました。それほど、びっくりするほどのプレーを見せてくれるし、ワクワクしますね。
ポストプレーや、ちらしのパスも精度が上がってますし、前線での守備も鋭くなってきています。日本の夏に慣れてコンディションも向上してきたのでしょう。そしてやはりご家族が来日していたとのことで、パワー充填できたということですね。
また、周りの選手がカンテ選手の特徴を理解し出して、良いタイミングで、ゴールエリア内にいる彼にボールを集め出しているところも大きな要因であると思います。
これでずっとスタメンで出突っ張りだった興梠選手もACLに向けてコンディション調整できますし、いいことだらけですね。
ただ、カンテ選手はギニア代表ということで、代表に招集された場合は損失が大きいですし、今後のハードスケジュールと更なる戦力アップを考えると、やはり本当のラストピースであるセンターフォワードの補強をして欲しいと切に願います。
そうするとカンテ選手との2トップはもう破壊的になり、すでにいる破壊的な2センターバックと並んで破壊的な最強のチームになっていくでしょう。サポーターとしては、夢は膨らみます。
存在価値を十二分に見せてくれた 岩波選手
理文戦フル出場から中2日のこの試合でもフル出場。そして、理文戦よりもさらに良いパフォーマンスを見せてくれた岩波選手。マリウス選手の累積警告で得た出場機会を見事にプレーして、真のプロフェッショナルというものを見せてくれました。
ショルツ選手と息のあった危なげない守備もさることながら、特質すべきは後方からのロングフィートや縦パス。明らかに攻撃の起点となっていました。必殺技ですね。
特に38分の右後方から左への対角のロングフィードで、明本選手の決定機を演出したシーン。惜しかった。その他、彼の特筆すべきプレーを挙げてみると、
・1分、酒井選手への縦のロングフィード
・11分、明本選手への対角のロングフィード
・26分、大久保選手への中央の鋭い縦パス
・46分、こぼれ球をワンタッチで佳穂選手へ縦パス
・53分、サイドチェンジ
・71分、セットプレーでのヘディングシュート
もうこれだけの活躍はすごいとしか言いようがありません。当然ではありますが、ショルツ選手、マリウス選手と遜色ないプレーが可能であることを証明してくれました。もしかしたら、マリウス選手の対角のロングフィードを意識して自分もできることを証明するために、多用していたのかもしれませんね。
理文戦での観戦記でも書きましたが、ショルツ選手、マリウス選手との3人でうまく回して、メンタルの維持と、選手の負担を減らし怪我の防止にも努めるようなマネージメントを期待します。
カンテ選手のゴールの時のこの写真もいい笑顔でした!
個人的に思うのは、何か、岩波選手とショルツ選手の2センターバックは見てて落ち着きますね。
アンストッパブル 大久保選手
大久保選手のドリブルが無敵になってきている気がします。誤解を恐れずに言うとメッシにも似たとまで思えます。
最近、うまくなったなあと思うのは、対峙する相手に対しての間合いの取り方と瞬間的な速さ。それによって一気に抜き去ります。いとも簡単にという形容が正しくも思えます。
この試合で対峙した湘南の大野選手は、それを痛感したのではないか?と思います。
特に、大野選手を振り切った56分のシーン。フィジカルコンタクトで吹っ飛ばすような時間的な猶予も与えられずに、スルスルっと抜いてしまうこのドリブル。
もう圧倒的な自信を感じますし、すごいレベルまで来ていることがわかります。最近の対峙する選手たちは、変に飛び込まない、複数人で対峙するところから、大久保選手が簡単に止められないのを理解しています。
汰木選手も圧倒的なドリブルばかりが目立っていましたが、浦和在籍終盤はシュート力に磨きをかけ、神戸に移籍して花開いています。大久保選手もゴール付近での勝負にこだわっていくようになれば、もう一皮剥けて、きっと大輪の花が咲くに違いありません。本当に期待しています。
金Jのいいところ
金曜日に開催するJリーグの1試合。浦和はなぜかそこに割り当てられ、前節のホーム名古屋戦と今節と連続でした。
コンディション的に厳しかったり、平日開催ということでサポーターの参戦の大変さによって、集客が少なくなると言ったネガティブな部分が多いのですが、個人的にはポジティブな部分が唯一あります。
それは、金曜日の試合に勝利した場合は、高見の見物で、土曜日の残りの試合を見ることができるということ。特に優勝争いをするチームの試合内容を見ながら、楽しむことができるということです。
今節は上位のチームが苦戦したことで、それらのチームには申し訳ありませんが、まだまだ優勝はあるぞ!と勇気をもらえる、非常に楽しい土曜日を過ごせました。
次は、アウエイ新潟戦です
次は、やっと1週間空いて、9月2日でJリーグ アウエイ湘南戦です。
8月30日には天皇杯の試合があったはずで厳しい日程だったはずが、敗退してしまったため、空いた貴重な1週間です。コンディション回復をしっかりやってほしいと思います。
かたや、新潟は、8月30日に天皇杯の試合があるため、厳しい日程。浦和は言い訳できません。優勝争いを続けるためにも勝ち以外許されない状況。スッキリ勝ちましょう!!
※なお、本記事の写真は、自分で撮影した写真以外は、浦和公式サイトの写真を引用させていただきました。