残念なミシャ監督のスピーチ
リーグ最終戦のアウエイ札幌戦に参戦してきました。本来は、試合観戦記を最初に書きたいところでした。
しかし、我々に対する彼らの言動に対し、自分自身で一旦受け止めて昇華しようとしましたが、昇華できず看過することができませんでした。しかも我々に発言権もなく、一方的なものでした。なので、この記事で個人的な意見をまとめることにしました。
それは、試合終了後のミシャ監督のスピーチに対してです。
試合終了後、コンサドーレ札幌のシーズン終了のセレモニーが行われ、三上GMとミシャ監督のスピーチ、その後に小野伸二選手の引退セレモニーという順番で事が進んでいきました。
そのミシャ監督のスピーチの時に残念なことが起きたのです。
率直な感想
なんでそんな言われ方をしなければいけないのか?
率直に、なんで一方的にそんな言われ方しなきゃいけないの?と非常に残念に思いました。
現地では認識できませんでしたが、のちにDAZNで確認したらブーイングではなく指笛がありました。ほんの一握り、数人のサポーターが茶化すような程度での指笛だったと思います。ブーイングというほどの悪意はないと思います。当事者ではありませんが、気に障ったとしたら、個人的に謝りたいと思います。申し訳ない。
ミシャ監督の時代を知っている浦和サポーターは、彼に恩義を感じ、敬意と感謝の気持ちを持っていると思います。自分もそう。なので、ほんの一部を典型的だ、全部そうだと決めつけないでもらいたいと思います。
自分も含めその他ほとんどのサポーターは、おとなしく伸二のために待っていたわけです。それがなければ、とっくにスタジアムをあとにしています。コンサドーレの最終戦のセレモニーを聴きたいわけでも、ミシャ監督のスピーチを聞きたいわけでもありませんでした。
もっというと、小野伸二選手のセレモニーを最初にやっておけばよかったのにとも思いました。当日、飛行機で帰らなければならない浦和サポーターが、伸二のセレモニーに少しでもを参加できたのですから。
札幌まで来た理由は、伸二の引退を見届けるため
試合終了後セレモニーの前に、浦和のコールリーダーが「伸二は、浦和が苦しい時期に浦和を選んで入団してくれて、一緒に戦った仲間なんだから、帰り飛行機の時間とかもあると思うけど、残れる方はみんなで伸二を見送ろうよ!」というニュアンスのことを声掛けしていました。ほとんどの人がそういう気持ちだったと思いますよ。
個人的には、伸二選手の最後の試合を気持ちよく送り出そう、感謝の気持ちを示そうという気持ちで、札幌までやってきました。正直、そうでなければ今回は現地には行っていません。そんなサポーターが多数だと思います。
飛行機代、宿泊代、最高8000円にも登る高額の自由席チケット、時間。いろんなものを犠牲にして、伸二のために駆けつけている人たちを嘲笑するというミシャ監督、杉浦氏の言動が信じられないと同時に、憤りすら感じざるを得ませんでした。さらに杉浦氏の気持ちのこもった「帰ってもらっていいですか?」の言葉に、我々の真心を踏みにじられた気がしました。
ミシャ監督、杉浦氏には器の大きさを見せて欲しかった
思うに、「浦和サポーターの皆さん少しお静かにしてください。浦和のサポーターはほんとしょうがないですね。」程度にとどめておけば、こんな嫌な思いをしなくてよかったと思います。
ミシャ監督、杉浦氏には、それぐらいの器の大きさを示して欲しかった。そして、その後のスピーチが、長く、しつこく、時に浦和を見下しているというように聞こえたのです。そこが残念なところなんです。
このミシャ監督と杉浦氏のスピーチのおかげで、せっかくの札幌の夜も憤りが収まらず、眠れませんでした。
実際に何を喋ったのか?
杉浦氏の翻訳は?
正確を期す上で、DAZNでの映像からコメントを文字起こししました。
浦和のサポーターの皆さん、今私にブーイングされた方、典型的な浦和サポーターだなと思いました。これが6シーズン、浦和を率いた監督に対するリスペクトが、そういうことだと思います。(声高に)人の土地に来て、アウエーチームの最後のセレモニー、邪魔しないでもらっていいですか!
浦和さん、今日勝って3ポイント取ったんで、満足して帰ってもらっていいですか?あの我々のホームの最後のセレモニー、邪魔しないでもらっていいですか!
急に声のトーンを上げて、声高に言われると、邪魔するな!とっとと帰れ!としか聞こえませんでした。
我々札幌は、結果を求めながら、そして内容を求めながら、高みを目指しているそういうチーム、浦和のサポーターさんは、結果さえあればそれでいい、そういうサポーターの皆さんじゃないですか?
このコメントは、我々の価値観に対して、土足で入り込んで中傷し、決めつけをしている酷いコメントだと感じました。
プロスポーツであるサッカーで、結果、つまり、優勝・勝利を目的にすること、それにこだわることがNo.1プライオリティだということは当然のことです。どの世界でも、トップを目指すということは厳しく、綺麗事ではありません。
浦和というクラブとサポーターは、長いクラブの歴史の中で、世界を目指していろんな厳しい戦いを経験し、優勝や勝利への厳しさを学び、勝利を渇望しています。
勝利の積み重ねが、クラブといういわば企業の経営規模を大きくさせ、優秀な監督やコーチ、戦略担当、選手の確保に繋がります。それが、最終的には、世界的なビッククラブへと昇華させ、Jリーグ全体のプレゼンスを引き上げていくのです。1クラブだけのことに収まらない。浦和はそんなクラブだと思うんです。だから、勝利にこだわるんです。
これは何を隠そう、浦和在籍時代のミシャ監督自身が教えてくれたことなのです。
ミシャ監督の指揮するサッカーは確かに美しくて、見ていて楽しかった。でもリーグ優勝できないということを学んだからなんです。つまり優勝するため、勝つための厳しさが足りなかった。価値観の相違に気づいて、ミシャ監督と別れ次のステップを歩み出したのです。それを教えてくれたミシャ監督には感謝しています。
そういう意味で、コンサドーレの今の状況は、正直、6年前の浦和によく似ている気がします。数年後、我々が感じたことをコンサドーレの皆さんが感じるようになるのではないか?と思います。
また、浦和サポーターは勝てばなんでもいいというわけではありません。美しいということよりも、勝つために、どういう戦略、戦術で目標を達成しようとしているのか、クラブや監督、スタッフや選手がどういう状況でどんなストーリーの中で勝利を達成させようとしているか、厳しく注視しています。30年の歴史の中で目の肥えたサポーターばかりだと思います。勝てばいいというのは、我々を嘲笑した随分な言い方です。撤回してほしい言葉です。
また、勝利を達成するために、多様なチームスタイルが存在するということです。ミシャ監督の発言は多様性を認めないに繋がります。それこそ、リスペクトが足らない発言だと感じました。サッカーは美しくなければならないという自分たちの価値観やスタイルの押し付けです。
そして、手段を目的化してはいけません。美しければ少々勝てなくてもいいというわけではありませんよね。極論、J2に落ちても、美しければいいんですか?という話です。
会社員時代、自動車に搭載するシステム開発をする中で、自分は研究だけをしたいので、量産化する仕事を拒否する人を多く見てきました。それは量産化は辛く厳しいから。しかし、自分は、最終的に量産につながらなければ、会社の利益にもならず、お客様に商品を届けることもできない、単なる自己満足だと思っていました。それを少し思い出しました。
浦和のことは置いときましょう。私は札幌で6シーズン、仕事をさせてもらって本当に幸せです。非常にいい時もありましたが、厳しい時もありました。皆さんは、我々が厳しい時に特に応援していただける力強いサポートをしていただけるサポーターの皆さんです。その札幌が、7シーズン連続J1で戦えていること、やはりクラブにとってチームにとってそれは一つの成功だと思っています。もちろん、もっともっと上を目指さなければならないと思っていますけれども、皆さんがあって我々があると思っています。
これだけの素晴らしいスタジアムで、これだけのサポーターの皆さんが集まった中で仕事ができる、私は世界で一番幸せな監督だと思います。本当に愛しています。
まああの、今日は伸二の現役最後のゲームという中で、20分という短い時間でしたけれども伸二の素晴らしいプレーを見ることができました。それもやはり皆さんの後押しがあって我々チームを後押ししてくれたからと思っています。最後に皆さんが伸二を見届ける機会を作ることができて嬉しく思っています。
余計なことですが、三上GMのスピーチで話したシーズン前に掲げていたこと(ACL出場と主要タイトルを取る)と、ミシャ監督の7シーズンJ1残留が素晴らしいというのがどう繋がるかがわかりませんでした。それだけ、GMと監督の間での目的の受け取り方が曖昧な感じがしました。目標の明確化、共有は組織として重要です。
まああのー、来シーズンに向けて、このチーム見てください。我々はさらに逞しくなって強くなります。もちろん、みんなの後押しがあって強くなると思います。皆さんの助けなしに我々強くなることができないと思っています。私、ね、浦和の選手どうぞ、使ってくださいと言われても要りません。私は、この選手たちで、このチームで来シーズンも力強く戦っていこうと思います。
来シーズンさらにいいサッカーをして、さらにいい結果を残して、この札幌でJリーグにあるという姿を見せていきましょう。ありがとう。
なぜ、ここで唐突に浦和の話が出てくるのか?どうして引き合いに出されるのか?わかりません。
それは当たり前ですよね。監督やチームのスタイルが違うのですから、当然、札幌のスタイルには合わないでしょう。それをあえていう必要がありますか?
また、「浦和の選手はいらない」という言葉は、「浦和の選手のレベルが低い」とも聞こえ、ここまで1年間、必死で選手の育成とチームビルディングしてきた、マチェイ監督に失礼です。
実際の翻訳は?
Xでドイツ語に堪能な方が、ミシャ監督が語ったことを翻訳してくださいましたので、参照させていただきます。(ミシャ監督のスピーチのドイツ語訳)
(ブーイングを聞きながら) コンニチハ。
これこそが典型的な浦和サポーターです。私は
6年間浦和で監督をしました。私が引き受けた時は降格圏でした。その6年間に私たちは4回もACLに参加していて、私と共に ACLチャンピオンにもなりました、最後の4試合まで私が率いていたからです。
(ここからの話は不明な点が多いため、言葉通りに訳します) 2017年にはその歴史の中で浦和は最多の勝ち点を得て、首位にも立ちました。鹿島と対戦した試合では残念ながら同率でしたが、勝ち点を12多く得てタイトルを取りました。そして、彼ら(浦和サポーター)はブーイングで私に感謝しました、このことが、彼らがどのような人たちなのかを全て表しています。
ーーー
「浦和のサポーターの皆さん、私にブーイングされた方、典型的な浦和サポーターなんだなと思いました」
「人の土地に来て、アウェーチームの最後のセレモニー、邪魔しないでもらっていいですか」
→言ってません。
ーーー
これは、声高に通訳した杉浦氏の個人的な感情がこもった言葉だったということがわかりました。
彼ら(浦和サポーター)は日本一美しいサッカーを見るチャンスがあったのに、この人たちの中にサッカーを理解する人は少ないです。本当に残念なことです。
ーーー
「我々札幌はやはり結果を求めながら、そして内容を求めながら、高い、高みを目指している、そういうチームなんです。浦和のサポータ一さんは恐らく、結果さえあればそれでいい、そういうサポーターの皆さんじゃないですか」
→??
ーーー
でもそのことに私はもう興味はありません。私はいつも幸せです。ここ札幌での6年間では、負けても満足してくれているのを見ているからです。札幌が魅力的で良いサッカーをしていることを見てくれているからです。札幌は、球団史上初めて7年連続J1リーグでプレイしています。
ーーー
「もちろん、もっともっと上を目指さないといけないという風に思っていますけれども、やはり皆さんの力があって我々があるという風に思っています」
→言ってません。
ーーー
こんな素晴らしいスタジアムで、こんなにたくさんの観衆がいるのを見て、私は全世界の中で幸運な人間です。皆さんを愛しています。
浦和は、美しいサッカーをすることが、ファーストプライオリティではないということ、価値観の相違があることをミシャ監督、杉浦氏に理解してほしいと思います。しかも、美しさを理解することがサッカーを理解することではありません。考え方が局所的すぎると思います。
また、結果を求めるということや上を目指すことは、ミシャ監督は、おっしゃっていませんね。美しければいいとも聞こえます。杉浦氏のアドリブ、咄嗟にフォローした感じが見て取れます。
また、別の方の翻訳はこうでした。
これが典型的な浦和サポーターです。私は浦和を6年間率いました。私は崩壊寸前のチームを引き継ぎました。6年間の中でACLを4回戦った。最後の4試合までは私が指揮したので浦和がACLチャンピオンになりました。2017年は浦和が史上最多勝ち点を獲得し、首位に立った。しかし、我々は鹿島と対戦しなければならず、残念ながら引き分けとなりましたが、それでも勝ち点2?を獲得し、チャンピオンのタイトルを獲得しました。しかし彼らは口笛を吹いて私に感謝します。それがこの人たちのすべてを物語っています。
これが典型的な浦和サポーターだ。札幌は3クラス上?のチームにもかかわらず、今日は彼らが勝ち点3を獲得した。結果しか見てない、それが浦和だよ。
彼らは日本で最も美しいサッカーを見る機会がありましたが、残念ながらサッカーについて本当に理解している人はほとんどいません。
まあこの件はどうでも良いでしょう。。札幌での6年間、負けても(ファンが) 喜んでくれるのを見て、いつもうれしかったです。それは、札幌が良い魅力的なサッカーをするからだ。そして札幌は史上初の7年連続J1リーグ残留を果たします。
たくさんの人が集まった素晴らしいスタジアムを見ると、私は世界で一番幸せを感じます。愛してます。
たとえ困難な時であっても、常にクラブ、そして選手を支えてくれてありがとう。今日、私たちのシンジが20分間とても美しいパスを見せました。非常に感動的でした。
そして、私たちはあなた達のサポートを借りて来シーズンに挑戦します- あなた達の助けがなければ私たちは何もできないから -あなたの助けと私たちのチーム、このチーム、このチームを見てください。浦和の選手と札幌の選手を入れ替えることはありません、私の選手は数段上のレベルです。
最後に言いますが、今日は札幌側から素晴らしいサッカーを見られて幸運でした。札幌、北海道に対して、私は言います:私たちはあなた達を必要としています、そして来シーズンは間違いなく非常に良いシーズンになるでしょう。
あえて、再度言います。なぜ、我々の選手たちは素晴らしいで済まされなかったんでしょうか?なぜ、自チームの選手を称賛するのに、浦和の選手を引き合いに出す必要があるのでしょうか?うちうちでの会話やスピーチならともかく、浦和関係者や浦和サポーターがいる前で話し不快にさせる必要はないと思います。
しかもミシャ監督自身、浦和の選手レベルについては、下に見ていることが明らかになっています。
それは、目的と目標、チームスタイルが違うので、同じ尺度で評価するのは間違えています。ミシャ監督の尺度ではそういう判断で結構ですが、客観的な尺度ではない。浦和の選手たちが、Jリーグのベストイレブンに4人選出された事実についてどう思いますか?
そして、浦和のクラブ、監督、スタッフ、選手を蔑んでいるようにしか聞こえません。本当に撤回してほしい。
リスペクトを要求する人が相手をリスペクトしていない
結局のところ、ミシャ監督、杉浦氏、両方とも、我々に対して残念な言葉を発していたことがよくわかりました。2人は1人みたいなものですからね。
自分が憤りを感じるのは、
・浦和サポーターに対する嘲笑、見下し
・浦和クラブ全体(特にフロントや選手たち)に対する見下し
・他人の価値観に対する中傷
・自身の価値観の押し付け
・多様性を認めない姿勢
残念に思うのは、
・承認欲求と自画自賛
・ミシャ監督および杉浦氏の器の小ささ
残念ながら、
「相手にリスペクトを要求する人自身が、相手をリスペクトしてない。」
そう思いました。本当に不愉快、不快な気持ちが今でもおさまりません。
最後に
最後に、この写真を添付しておきます。憤りを感じるスピーチをグッと我慢して、伸二選手を送り出すために、最後まで残った浦和サポーター。
感謝の横断幕は、伸二が浦和からフェイエノールトに旅立つ時に、駒場競技場で掲げられた「世界で輝け★伸二」をオマージュしたものでしょう、愛のある弾幕。
そして、よく見ると数多くの方が、浦和時代背負った番号の18番や8番のユニフォームや、うちも持参したフェイエノールト時代の14番のユニフォームを掲げて、感謝の気持ちを示しています。そして、感謝のこもった小野伸二コール。そういういうことなんですよ。
ミシャ監督と杉浦氏は明らかに我々の気持ちに水を差してくれました。
眠れない札幌の夜に、決めたこと。
「この2人がコンサドーレ札幌にいる限り、札幌ドームへの試合は2度と来ない」
残念な気持ちでいっぱいです。
※なお、本記事の写真は、浦和公式サイトの写真を引用させていただきました。
[…] 残念な気持ちでいっぱいです!!【札幌戦後のミシャ監督のスピーチ】残念なミシャ監督のスピーチ リーグ最終戦のアウエイ札幌戦に参戦してきました。本来は、試合観戦記を最初に書 […]