レンタカーで石垣島をドライブしてきました
先日の記事で石垣島旅行のお話をしました。そこでレンタルしてドライブしたお話をしたいと思います。
昨年の北海道旅行で、バジェットレンタカーさんがFITハイブリッドの新車を貸してくれて好印象だったので、今回もバジェットレンタカーさんで予約しました。
空港からバジェットレンタカーの事務所に着いて見渡すと、乗ってみたかったトヨタヤリスや日産ノートがおびただしい台数置いてあって、これは期待できるな!とワクワクしました。
しかし、配車されたのは、トヨタ タンクでした。
レンタカーの車種とグレード
トヨタ タンク。実は、このクルマのことを全く知らなかったのです。
※この写真は、トヨタのホームページから引用させていただきました。
グレード: X(おそらく。最廉価グレード)
パワープラント: 直列3気筒1L DOHCエンジン+CVT
駆動方式: FF
カラー: ホワイト
※詳細はこちらをご覧ください。 トヨタ タンク ホームページ
クルマの成り立ちとしては、ダイハツが開発したトールをトヨタにOEM供給したクルマ。すなわち、ダイハツが開発したクルマです。また、トヨタにはタンクとデザイン違いでルーミーという兄弟車がありました。
2016年11月〜2020年9月まで販売され、最後はルーミーに統合された形で販売終了となったようです。レンタルしたこのクルマは、2020年3月初年度登録だったため、タンクトして最終型のクルマだったと言えます。
埼玉に戻ってきて、さいたまの街中を走っていると、ルーミーは結構走っていますね。ファミリー層で広いクルマが欲しいけど、コストは抑えたい、軽はいや、という客層にはぴったりのクルマだと思います。
インプレッションまとめ
はじめに全体的な感想をまとめておきます。本当に厳しい言い方をします。と言うか毒舌にならざるを得ません。
一昔前のクルマか?と残念に思うほど、ユーザー目線でのクルマ作りができていないクルマでした。
ダイハツのクルマ作りに対してと、自社のバッジで量産するトヨタの責任感に対しても疑問を持つことになりました。
いいところ
近年のクルマとしては、進化した部分は見せてくれました。
スペック以上に加速感がある
スペック以上の加速感は素晴らしいと思いました。
1.0L直列3気筒エンジンでありながら、このパフォーマンスは、それに組み合わせたCVTの効果が大きいと感じました
発進時の力強さや、登坂路での力強さは、CVTの制御の応答性が高いことによる効果を感じることができました。
安全機能であるスマートアシストIIIが装備
スマートアシストⅢが搭載されていたようです。白線逸脱警報とオートハイビームは動作していました。
悪いところ
一言で言うと、ユーザー目線での作り込みができていないということが言えます。
運転しにくい
とにかく操作系に対して、操作に対してクルマの反応にリニアリティがないのです。だから運転しにくい。ドライバーが操作量に気を使わないといけないのです。ユーザー目線での使いやすさを考えていないとしか思えません。
アクセルを踏むと、軽く踏んでも急発進しギクシャク、ブレーキを踏むと初期効かなくて不安、ハンドルを切っても初期曲がらず。
なので、ドライバーは、アクセルの踏み出しに気を使い、ブレーキは強く踏まなくてはいけない、ハンドルはまっすぐ走っていても余分な操舵量が増えてしまい、結果的に疲れるのです。
また、40〜60km/hの市街地でよく使用する車速帯で、サスペンションが共振しているのかブルブルする振動がずっと続いてかなり不快でした。
15年前くらいの日本車は、こういう傾向があり、まさにそのままのレベルだなと感じました。
使い勝手を考えていないインテリアの作り込み
ユーザーの使い勝手を考えてクルマ作りがされているのか?疑問に思いました。
インパネにあるシフトレバーの上のスマホ置き場の片方が、シフト位置をPにするとスマホと干渉してしまいます。
また、セカンドシートの折り畳み方も、余分なアクションが必要だったり、十分に畳めないなど、努力不足な部分を感じました。
部署部署でバラバラに車作りが行われているようなイメージを持ってしまいました。
エクステリア
ここから詳しくみていきます。
悪くないスタイリング
スタイリングは、悪くないと思いました。このクラスのクルマにしてみれば、妙にチープな感じもなく、BOXYな感じが好印象でした。
サイドから見ると、まずタイヤが小さい。そしてリアのクオーターガラスが絞ってあって、デザイン的につながり感がないのが気になりますね。また、右スライドドアは手動、左スライドドアは電動の仕様でしたが、右スライドドアを開く時にかなり重くて何度もやっていると結構疲れました。
気になったのが、ボンネットとフェンダーの隙間。左サイドは、こんな感じ。
そして右サイドはこう。こっちの方が全然隙間大きいですよね。これがダイハツクオリティなんでしょうか?
リアビューは下の方までエアロっぽいカウルのようなものがあって好印象です。また、リアハッチが低い位置から開くために、開ける際に後方のスペースを確保するために思った以上に後方に下がる必要がありました。
死角を消すサブミラー
左のドアミラーの下には死角を消すようなサブミラーが装備されていました。これは親切ですね。
懐かしいタイヤサイズ
タイヤは、165/65R14。アラカンの自分には、懐かしいサイズです。しかし、ホィールクリアランスが広い。ジャッキアップしているのではないかと思うほどです。
インテリア
続いてインテリアです。
着座位置の高いシートとチープな操作レバー
軽のVANに乗っているかのような着座位置が高いシートでした。また、リクライニングの操作レバーがチープだったのが残念でした。
運転席から見た様子です。
助手席側を見ると、こんな感じ。最近よく見られるサブウインドウや、サイドミラー下についているサブミラーが、死角を減らすのに役立っています。
センターコンソールは最上部に液晶ディスプレーとその左右にエアコンの吹き出し口。その下部分からでっぱっていて、ナビやシフトレバー、エアコンの操作レバーなどがあります。そのでっぱっている部分が、エアコンの風の流れを阻害しているのがNGポイント。顔でなく、カラダに向けようと、風向きを下にすると、出っ張りが邪魔してしまいます。ユーザーの使い勝手を考えているのか?不思議に思います。
また、ハザードスイッチの左右に、まさにスマホ置き場と言えそうな場所が2つあります。しかし、左側は大丈夫ですが、右側はシフト操作位置がパーキングの位置になると突き出しているスマホと干渉するします。干渉しないサイズのスマホだったとしても、パーキング位置にすると取り出せない。どういう設計をしているんだろう?と思います。
後部座席は広々。
リアシートの座り心地は良くなかったですね。座面の部分的な硬さや、背もたれの高さなど。
トランクは容量としては十分。
下にはテンパータイヤを装備。
セカンドシートを倒すとこうなります。しかし、こうなるまでにも2アクション必要。背もたれを倒して、シートを前進させる必要があります。しかも重い。そしてフルフラットにはなりません。これは今時のクルマを考えるとマイナスポイントと言わざるを得ません。
パワープラント
動力性能
加速力
最初に書いたように、スペック以上の力強さを感じます。石垣島の郊外路は、意外に細かいアップダウンがあって、上り坂でのちょっとしたアクセルの踏みまし操作で、坂道を登っていく感覚があり、こんなシーンでは好印象でした。
残念なドライバビリティの悪さ
しかし、平坦な道になってくると、アクセル操作に対して過敏に加速する感じがあるのです。特に発進時に何気ない発進操作で急発進する感覚があります。また、一定車速で走行中にアクセルを踏ました時にも、グンと加速する感覚があり、その結果ドライバーがアクセルを緩めてしまいギクシャクしてしまう結果になっています。
正直、非力なエンジンをCVTの変速制御が一生懸命カバーして良く見せようとした結果、CVTの変則が過敏になっている気がしました。
NVH
それほど、エンジンがうるさいだとか、振動が気になるとかは思いませんでした。
燃費
走行距離約300kmで、燃費は15km /Lでした。
公表燃費が24.6km/Lであり、多少のアップダウンはあったものの、石垣島では渋滞はなかったことから、期待はずれの燃費でした。
ブレーキ
ブレーキにリニアリティがありません。特に踏み始めの制動力が無さすぎる。さらに踏み増すと急に効く。
踏み始めは、重い荷物を乗せたり、大人数を乗せたりしたときのような感覚です。走り出しで毎回、ハッとします。
結果的に、必要な制動力を発生させるために踏み増しをドライバーに要求します。ドライバーに優しくありません。
また、アクセルとブレーキのキャラクターも逆になっていて操作系として調和していません。アクセルはちょっと踏むだけで急加速、ブレーキは踏み始め効かない。クルマとして調和した操作系にするなんて考え方をまるで感じない。別々の人が勝手に思うように設計しただけと言うように見えます。
ハンドリング
ハンドリングにもリニアリティがありません。
ハンドルの切り始めにクルマが曲がり出さないので余分にハンドルを切ってしまいます。その後に急に曲がり出します。
直線路でまっすぐ走っているときも、まっすぐ走らせるために微妙なハンドル操作が必要になり、非常に疲れます。これこそ、電動パワーステアリングが採用され始めて、2000年台のクルマのような感覚を思い出しました。
乗り心地
使用頻度の多い40〜60km/hあたりの車速域での乗り心地が悪いです。
常にブルブル揺すられて収束しない感覚があり非常に不快でした。久々にこんな感覚の乗り味を味わいました。うちの奥様もクレームを言うほどでした。
最後に
ダイハツ製のトヨタ タントは、
動力性能 :△ 乗り心地:× ハンドリング:× ブレーキ:×
近年、ユーザー目線で真剣なクルマの作り込みをしているメーカーが増えてきている中、ダイハツという会社がこんなユーザー不在のクルマの作り方をしていると将来が危惧されます。そして、このクルマを自社のバッジで世の中に出しているトヨタの責任感のなさに非常にがっかりしました。そんなことをこのクルマから感じたドライブでした。
認証問題の渦中にあるダイハツと親会社のトヨタが、今一度原点に立ち返って、地に足をつけた車作りができる会社になって欲しいと切に願います。
最後にすでに、ダイハツ トールやトヨタ ルーミー含めたこのクルマの兄弟車のオーナーの方は、気に入っている愛車なのにこんなに悪い評価をして、不愉快な思いをされるかもしれません。しかし、もっと良いクルマ(例えば先日レンタカーで乗ったホンダフィットなど)が世の中にあることを知ってほしい。そんなクルマに一度でも試乗してみて欲しいのです。そうすれば、今回のこの記事の内容がわかっていただけるのではないかと思います。
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