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最新のハイブリッド車に驚嘆!!【FIT e:HEV をドライブ】

レンタカーで北海道をドライブしてきました

先日、北海道道央の旅をしてきました。旅行のお話はまた後日まとめることにしますが、今回はその時に借りたレンタカーの話をしたいと思います。

せっかくレンタカーを借りるんだったら、最新のハイブリッド車の実力を見てみたいなと思い、少々お高めでしたが、ハイブリッド車を選定し予約しました。

ただ、車種は選定できずどんなクルマが割り当てられるんだろうとワクワクしていました。

レンタカーの車種とグレード

旭川空港のレンタカー店に到着し、割り当てられたのがフィットのハイブリッド。昨年末にマイナーチェンジした最新型、しかも6月末に登録された新車で、走行距離なんと83km。いやーラッキー!と思いました。旅そっちのけで、乗る前からどんなクルマなんだろうとワクワクしていました。

     ※この写真は、ホンダのホームページから引用させていただきました。

グレード:     e:HEV BASIC

パワープラント:  e:HEV
(1.5リッターエンジン+2モーターハイブリッドシステム)

駆動方式:     4WD(ビスカスカップリング方式)

カラー:      ルナシルバーメタリック

価格:       2,195,600円(消費税込み)

WLTCモード燃費: 25.4km/L (FFは、30.2km/L)

詳細はこちらをご覧ください。 FIT e:hev BASIC ホームページ

FIT e:HEVはこんなクルマ

やはり、ハイブリッドシステムが最大の特徴です。

※説明に使用する図に関しては、ホンダのホームページから引用させていただきました。

ハイブリッドシステム構成

構成部品としては、

・1.5Lエンジン(発電用・高速駆動用)
・2つのモーター(駆動用と発電用)
・パワコントロールユニット(モーター駆動、エネルギーマネージメント)
・インテリジェントパワーコントロールユニット(バッテリー)

動作モード

大きく3つのモードがあります。

EVモード

発進や加速時などに、バッテリーに蓄電されている電気エネルギーで走行用モーターを駆動し、タイヤに動力を伝えるモードです。モーター駆動によるトルクフルな走りが特徴になります。

また、減速時には、回生と呼ばれる走行モーターによる発電が行われて、バッテリーに蓄電することが可能になります。これがモーター駆動の最大のメリットでもあります。
(従来までのエンジン車でエンジンブレーキや足回りにあるブレーキによる熱エネルギーなどになって捨てていたエネルギーを、回生により回収することができるため)

ハイブリッドモード

急加速時やバッテリーの電気を消費した時にこのモードになります。このモードでのエンジンの役割は、単なる発発電機。エンジンに連結している発電用モーターを駆動し発電し、その電気エネルギーで走行モーターを直接駆動したり、バッテリーに蓄電したりします。

エンジンモード

高速走行時には、モーターの駆動をやめ、クラッチを締結して、エンジン直結駆動を選択します。高速走行では、モーターの駆動効率が落ちるため、エンジン駆動の方が高効率であるためです。

他社のシステムと比べて、このモードがあることがe:HEVの最も特徴的な点といえます。

他社のハイブリッドシステムとの違い

ホンダのホームページに他社システムとの違いを解説している部分がありましたので、引用させていただき、解説したいと思います。(e:hev システム解説

トヨタのハイブリッドシステムとの違い

下の図は、シリーズ・パラレル方式との違いを記載したものです。この方式は、まさにプリウスに代表されるトヨタのハイブリッドシステムです。

トヨタのシステムは、エンジンの出力を遊星歯車の動力分割機構により、タイヤを直接駆動する力と発電用モーターを駆動する力に分配します。

反面、ホンダのシステムは、クラッチ機構により、モーター走行か、エンジン走行かを切り替えること。シンプルな構造で実現しているところが特徴的です。

日産のハイブリッドシステムとの違い

下の図は、シリーズ方式との違いを記載したものです。この方式は、まさに日産のハイブリッドシステム e-power のことを指します。

日産のシステムは、いかなる状況でも、走行用モーターがタイヤに動力を伝達します。

反面、ホンダのシステムは、日産の構成に加えてエンジン直結用のクラッチ機構を追加することで、高速走行時、モーターに比べて高効率なエンジン駆動に切り替えることが可能になります。

インプレッションまとめ

はじめに全体的な感想をまとめておきます。

正直、この1台で街乗りからロングドライブまで、かなりの領域を網羅できるすごいクルマだなと思いました。

いいところ

コンパクトクラスの車格から想像する性能を遥かに凌駕していて、正直驚嘆しました。

ハイブリッド車は、一昔前は燃費のために性能を我慢して乗るクルマだったのですが、もうそんなイメージは微塵もなく、完全にエンジン車の上位互換となってしまったと思いました。

ハイブリッドシステムの完成度にびっくり

最新のハイブリッドシステムの完成度というか、成熟度には本当にびっくりしました。

・トルクフルで力強い加速力(2.4L4気筒エンジンを上回る大トルクだそうです)
・アクセルレスポンスの良さ
・エンジンの振動や動作音の小ささ
・静粛性
・Bレンジでの減速コントロールの楽しさ

もう完全にエンジン車を凌駕するところまで来ていることがよくわかりました。

ハイブリッドだけではなく基本性能がハイレベルだった

注目のハイブリッドだけでなく、基本性能もコンパクトカークラスを超えていたこと。これにもびっくりしました。

・ボディ剛性の高さ
・ステアリング切り始めからレスポンスよく感じる、反力とヨーとロール
・極低速から感じる乗り心地の良さ
・圧倒的な運転視界の良さ
・疲れないシート
・フィットの伝統芸とも言える居住性の良さと荷室の広さ

ADASをはじめとする機能が満載

停止まで前走車を追従するクルーズコントロール機能や、レーンキープする機能をはじめとして、ADASの機能が満載であるのは素晴らしいところです。

個人的には、すごく使えるオートハイビーム機能(ハイビームを基本にして、前走車や対向車がいると自動でロービームに切り替えてくれる機能)がフィットにまでついていることに感動を覚えました。

悪いところ

エクステリアデザインが中途半端

パフォーマンスが素晴らしいだけに残念なのが、エクステリア。カッコ良くもなく、可愛いでもなく、どこか振り切れずにどっちつかずのデザインであると言えます。

ADASシステムがまだまだ

いろんな機能があるのですが、まだまだ開発途上。ドライバーの感覚に合わずに、不安を覚える機能が多々ありました。

エクステリア

ここからは、細かく写真も交えてレポートします。まずはエクステリア。

ぱっと見の感想は、親しみを感じる外観だなと思いました。ちょっと犬にも似た顔立ち。
丸い感じとサイドラインが、フランス車のような印象。

でもちょっとやはりどっち付かずなんですよね。かっこよさよくもなく可愛いいとも言い切れず。正直、中途半端なデザインと言えます。

リアビューも同様。厚ぼったい印象もあります。

丸くとろんとした感じのお目目。

Hマークは青い縁取り。e:HEVは青い縁取りなんですね。

サイドウインドウの下のラインはフランス車にも似た独特なラインだと思います。そして残念なのが、ホイールハウスのクリアランスの大きさ。タイヤがすごく小さく見えるのと同時に、車高がすごく高く見えます。

ちょっと隙間あり過ぎですよね!タイヤは、DUNLOP ENASAVE EC300。 エコタイヤでですね。サイズは、185/60R15。上位グレードの16インチ設定だと隙間は少しマシになるのでしょうか。

フロントのサイドウインドウは特徴的です。理由は乗ってみるとわかりました。

インテリア

続いてインテリアです。

水平基調のインパネ

水平基調のインパネで、前方の視認性が高く感じます。

左右の見切りがいい

特徴的なのが細いピラーと窓枠。本当に左右の見切りが良く運転がしやすかったです。

物入れ

カップホルダーが目の前にあります。

グローブボックスは、上下に2段。

 

シフトレバーの前にスマホを置くようなスペースがあります。上位グレードは、ここがスマホの非接触充電器になるようです。

シフトの後ろには、電動パーキングなどの各種スイッチがあります。

そのまた後ろには、長手の物入れがあります。滑り止めになっていて、ここにもスマホを置くことができます。

シート

シートは地味目で、見た目からさほど期待はしていなかったのですが、これがまたびっくり。非常に疲れにくく良いシートでした。

座面は柔らかめで、着座すると沈み込むのですが、長距離運転でもお尻が全く痛くなりませんでした。そこそこ、腰回りのサポートもあって、腰のトラブルも起きませんでした。

レバーは、リクライニングと座面の高さ調整が可能です。

後部座席も同様で座り心地が良かったです。長身の自分でもヘッドクリアランスも十分でしたし、足位置が傾斜していて足の置く位置が定まってよかったです。

トランクは広大。機内持ち込みサイズのスーツケースなら縦に4つ入りそうです。

後部座席を倒せば、広大な荷室に変身します。ホームページによると自転車も乗せられる程だそうです。

ハイブリッドシステム

インプレッションまとめのところでお話ししましたが、ハイブリッドもここまで来たかと思いました。

動力性能

予想以上のモーター駆動ならではの動力性能を感じました。

それもそのはず、帰ってきて調べたら、昨年のマイナーチェンジで、RSグレード追加に伴い、2つのモーターの性能アップしたということを知りました。それも含めて、セッティングを変更して、ドライバビリティの更なる性能が向上されているという現在地点だったということなんです。

トルクフルで力強い加速力

ホームページの表記では、2.4L4気筒エンジンを上回る大トルクだそうです。まさにクラスを超えた動力性能です。

特に交差点などでの発進時には、EVモードでの発進が多く、トルク感とともに静かに加速していきます。

また、北海道の山道の登り坂でも、ぐんぐん力強く登っていきます。登坂車線で後続車に道を譲らないといけないような、コンパクトカーに乗っている悲哀など全く感じません。後続のアルファードを簡単にちぎっていけることもありました。

非力なエンジン車では、ギアが落ちて唸るエンジン音だけがして、加速しないようなことが多いですよね。そんなことはこのクルマにはありません。

アクセルレスポンスの良さ

さらに特徴的なのはドライバビリティ。

アクセルを踏んだ瞬間のトルクレスポンスは、気持ちがいいの一言。特に、山道のコーナーの出口で、アクセルを踏み込んだ瞬間から出るトルクが、車両姿勢のコントロールを楽しくさせてくれます。

Bレンジの減速コントロールの楽しさ

そして、さらに特徴的なのが、Bレンジ。

シフトレバーを操作して一番下のモードをセレクトすると、アクセルを緩めると強めに減速するようになります。エンジン車で例えるなら、エンジンブレーキが強めに効くような感じです。

間違ってBレンジに入ってしまう

Pレンジの位置からシフトレバーの奥側のスイッチを親指で押しながらシフトレバーを手前に引くと、Dレンジで止まらず一気にBレンジまでいってしまうのです。

RやNレンジからDレンジに入れる時には、スイッチを押す必要がないのですが、DレンジからBレンジに入れたい時は、スイッチを押す必要があります。

どういう設計基準でそうなっているのか理解できないのですが、Dレンジで一旦止めるためにBレンジを横にシフトレバーを移動するようにするなどの改善ができたらなと思っていました。

減速コントロールができてドライブが楽しい

でも、Bレンジでのドライブは、正直楽しいですね。

アクセルを緩めることで減速コントロールができて、ブレーキを踏む頻度が減ります。前走車との間隔やコーナー入り口までの速度コントロールがやりやすくなります。

アクセルレスポンスの高さを楽しむ幅がより広がった感があります。

ハンドリングの観点でも楽しい

また、ハンドリングの観点での楽しさもあるのです。

アクセルで減速コントロールしているということは、積極的に前後の荷重移動をコントロールできることにつながります。

ハンドリングの観点でのメリットのひとつ目は、ライントレース性の高さ。コーナリング中にアクセルを緩めて前輪に荷重移動することで、走行ラインをより内側にすることができ、そのコントロール幅がより広くなります。加えてアクセルレスポンスがいいことで、そのコントロールが楽しくなる。

ハンドリングの観点でのメリットのふたつ目は、前輪の接地感、安心感の高さ。コーナリング中のステアリング反力から感じるグリップ感が明らかにしっかりします。Dレンジだと路面の凹凸によってグリップの抜けやムラを感じるシーンがあるのですが、Bレンジだとグリップ感が安定していて前輪が吸い付いているような安心感を感じます。前輪への荷重移動によるものだと考えられますね。

先ほど設計基準が理解できないと言ったのですが、実は積極的にBレンジでのドライブをお勧めすることが狙いだったりして?と思ってしまうほどの楽しさなんです。

エンジンブレーキみたいな音がしたことがあった

山を登って帰り道、ずっと下り坂をBレンジで下っていくと、液晶メーターの左側にあるバッテリーメーターが増えていって満タン状態に。

この時に、不思議なことに、急にエンジンが唸りを上げて回り出しました!

あれ?メーターはEVモードで回生ブレーキなはずなのに、エンジンが回ってあたかもエンジンブレーキなような音がしてすごく不思議な感じがしました。

でも良く考えたら、バッテリーが満タンで充電できない状態だったので、発電用モーターをを駆動して電気を消費してエンジンはそれに伴って回されているのでは?と推測しました。

NVH

特に極低速ではエンジン作動時のノイズは聞こえてきますが、エンジン始動時の不快な振動は感じません。

EVモードで走行するシーンが多いところもあり、静粛性も高く、コンパクトクラスのレベルを超えた静粛性があると感じました。

燃費

走行距離約700kmで、燃費は23km /Lでした。

北海道での走行ということで、渋滞なしではあるものの山道もかなりあったという条件でしたが、カタログ値に近い数値を叩き出しています。

なんと、所有しているS4の3倍近い燃費性能。S4がひどいのですが、ハイブリッド恐るべしです。

ブレーキ

ブレーキのペダルフィールは剛性感があってすごく好きです。

ほとんどが油圧ではなく、モーターによる回生ブレーキだと思うのですが、極低速でやや振動感があるところ以外は、ほぼほぼ普通のブレーキとして違和感なく素晴らしいと思います。

ハンドリング

まず感じるのはボディ剛性の高さ。ハンドリングの土台がしっかり作り込まれている印象です。

そして、印象的なのはステアリングのフィール。ステアリング切り始めからレスポンスよく感じる、ステアリング反力とヨーとロールの応答。日本車というより、ドイツ車に近い領域のフィーリングで、安心感と運転のしやすさを感じました。

タイヤが15インチのエコタイヤだということから考えると驚異的で、タイヤに頼らないベースの良さを物語っていると思います。16インチ仕様がどうなのか、どれだけシャープになるのかも気になるところですね。

乗り心地

走り出しから「乗り心地いい!!」ってびっくりしました。

北海道に多くある道路の継ぎ目にような大きめの段差は吸収しきれませんが、それ以下の段差ややや荒れた路面でも、足が良く吸収してくれますし、不快な足回りの振動は少ないと感じました。

その他装備

渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)

ADAS(HONDAでいうHONDA sensing)の代表的な機能であるこの機能。随分前から量産されている機能ではあります。随分と良くなってはきていますが、依然としてドライバーの感覚に合わない課題があって、いまだに信頼が置けないなという印象です。

・前走車が急ブレーキを踏んでいないのに、認知遅れなのか?急ブレーキになったりする。
・前走車が右左折していなくなり、自分は直進したいシーンで、加速するまでに時間がかかり、加速し出したら急加速する。
・停止間際にG変動が起きないようにブレーキを抜くことができないため、カックンとなる。

車線維持支援システム(LKAS)

こちらも同様の傾向です。直進走行中に、白線に近寄るとステアリング反力を出して中央に戻るように制御するシーンでは、穏やかに制御するようになったかなと思いますが、以下のようなドライバー操作に対する課題が残っています。

・駐車車両や左折で左に寄ったクルマを避けようと、レーン内でも少し右側に寄ろうとすると、そのドライバー操作を妨げるように制御する。
・コーナーに入ってから、車線内でより内側の走行ラインでコーナリングしようとした時に、外側のラインに引き戻そうとステアリング反力を強めるため、走行ラインが急に外にはみ出すような感覚になり恐怖感を感じた。

使用してはみましたが、やはり感覚に合わないため、それ以降は使用しませんでした。

路外逸脱抑制機能

こちらは、車線維持支援システムのより外側で、車線逸脱を抑制するためにステアリング振動で警報するシステムです。(路外逸脱抑制機能 解説

これは、わざと車線を逸脱するように走ってみましたが、はみ出した後にステアリングがブルブル反応するだけで、効能がどこにあるのか?よくわかりませんでした。

居眠り運転から道路を逸脱する時に目を覚まさせる機能なのか?

居眠りしていない時には不要だし、やはり感覚に合わず、機能停止させていました。

オートハイビーム

これは、ヘッドライトのハイビームを基本にして、前走車や対向車がいると自動でロービームに切り替えてくれる機能です。オートハイビーム解説

この機能が出始めた頃はベンツのSクラスなどの超高級車にしか装備されていませんでしたが、数年経ってもうフィットにまでついていることに感動を覚えました。

ハイ・ローの切り替えのタイミングも遅くもなく早くもなく、自分の感覚に合っていてすごくいいと思いました。

北海道では、最近、道路に熊や鹿などの動物が現れて、衝突事故が多発しているとのこと。この機能があれば、遠慮なくハイビームに設定することができますし、遠目から動物を認識することが可能になるので、すごく有効な機能だなと思いました。

最後に

最新型 FIT e:HEVは、コンパクトカーの常識を遥かに超えた性能を持った、オールラウンドなクルマでした。

動力性能 :◎  乗り心地:○  ハンドリング:◎

正直、今後のクルマ選びの中で、確実に視野に入ってくるクルマだなと思いましたし、今回レンタカーで乗ることができて本当にラッキーだったなと思いました。

今後、同クラスのヤリスハイブリッドや、ノートハイブリッドにも試乗してその違いを確認してみたいなと思いました。

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