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シルビアとスカイライン【輝かしい90年代のクルマたちを振り返る ⑤】

90年代のクルマたちを振り返ります

90年代はクルマにとって輝かしい時代でした

1990年代は自動車産業にとって輝かしい時代でした。この時代には、革新的なテクノロジー、洗練されたデザイン、そして信頼性の高さが日本車を世界中で注目される存在にしました。

トヨタ、ホンダ、日産、そして他の多くのメーカーが、独自のアイデンティティを持った車を生み出しました。また、パワーアップを競い合ったエンジン技術の進歩や、SRSやABSなどの安全性の向上など、様々な面で革新が見られました。

一方で、スポーツカーやパフォーマンスカーも栄えました。日本車メーカーは、高性能エンジンやダブルウィッシュボーンに代表される先進的な足回りを搭載したスポーツカーを開発し、スポーツカー好き人々や若者の心を掴みました。

そして、90年代は、クルマに所有することの喜びや、ステイタスを求めていた時代。単なる移動手段を超えて、ドライバーの情熱やアイデンティティを表現するツールとなっていました。

そんな時代を振り返ってみようと思います

そんな輝かしい時代を過ごしてきて、いま振り返るとやはり”いい時代だったなあ”と思わざるを得ません。加えて、年齢のせいかもしれませんが、以前はほぼ興味がなかったクラシックカーとまではいきませんが、ちょい古の車が本当にかっこよく見えてくるようになりました。

そんなことをきっかけに、90年代に自分が乗って印象的だったクルマたちを通して、振り返ってみようかなと思いました。

5回目の今回は、日産の2台をピックアップしてお話ししたいと思います。

S13 Silvia (NISSAN)

S13 シルビアとは?

S13シルビアは、日産が1988年から1994年まで生産したスポーツクーペであり、そのスタイリッシュな外観と優れた走行性能で多くのファンを魅了しました。

このモデルは、流線型のボディと固定型のヘッドライトが特徴であり、当時の若者を中心に大きな人気を博しました。また、リアウィンドウに施されたカットラインや角ばったテールライトなど、シルビアらしいデザインアイコンが数多く取り入れられています。

エンジンは、直列4気筒のターボエンジンが搭載され、特にSR20DETエンジンは高いチューニングポテンシャルと迫力のあるパワーを提供しました。このエンジンは、後にスポーツコンパクトカーのチューニングのベースとして広く使用され、シルビアの人気をさらに高めました。

内装もスポーティなデザインでありながら、運転席周りの操作性や快適性が考慮されています。また、後部座席の折りたたみ機能や大きなトランクスペースなど、実用性も兼ね備えています。

総じて、S13シルビアは、そのスタイリッシュな外観と優れた走行性能により、スポーツカー愛好家やチューニングファンから高い評価を受けています。その後のシルビアシリーズにも影響を与え、今なお多くの人々の心を掴んでいます。

こんなクルマでした

かっこよかった!!そんな印象です。

S13型シルビアは、””アートフォースシルビア”というキャッチコピーでCMなどで宣伝されていました。アートフォースとういう言葉は、芸術の力という意味なんでしょうか?このクルマのデザインを訴求したくて名付けたキャッチだったんだと思います。

全体的に低いボディラインは、当時スペシャリティカーのライバルであったホンダのプレリュードに似たようデザインとなっています。それに加えて、横1直線のフロントマスクは、日産のアイデンティティを感じました。また、当時の日産のデザインはゴテゴテしないでシンプルなデザインで好感が持てました。

 

インテリアも何か包み込まれるような居心地の良さを感じるものでした。インパネは、平らな部分がなく、手前に向かって全体的に傾斜しています。ダッシュボードに物を置く人のニーズを無視したデザイン重視なところが好印象でした。低く全体的に流れるような滑らかな造形で高級感がありすごく好印象でした。近年にない特徴的なデザインでしたね。

シートは、正直ソフトすぎました。静的な居住性は良かったものの、運転するにはホールド感が悪く、運転しづらかったのは覚えています。

そんなシルビアの特徴と言えば、FRという駆動形式を持っているということでした。デートカーとしての一面を持ちながら、走りを楽しむことができる特徴を併せ持ったクルマだったと言えます。

グレードは、トランプをイメージした呼び方で、K’s/Q’s/J’sという3つのグレードがありました。エンジンは次のように2種類でした。

K’s:      SR20DET 2.0L直列4気筒DOHC16バルブICターボ 205ps
Q’s,J’s:  SR20DE 2.0L直列4気筒DOHC 140ps

また、スーパーハイキャスという電子制御式の4WSシステム装着車を設定。ハンドルの切り始めに,後輪を一瞬逆相(前輪と逆向きに操舵)に切り、すぐ同相方向に切り戻す位相反転式の制御を採用。俊敏なハンドリングと収束性の向上を実現しようとしていました。電子制御式の採用で、車速別に制御を変えるなど、プレリュードのような機械式にないことが可能となりました。

そして、リアサスペンションにマルチリンクサスペンションを採用。トー変化、キャンバー変化、接地変化が少なく高い安定性を実現できるサスペンション形式で、前回お話しした、190Eにも搭載されています。

※グーネットさんのカタログから画像を引用

走りは?

自分がドライブしたことがある車両は、Q’sでスーパーハイキャス非装着車だったのですが印象として、スペシャリティカーだなと思いました。

穏やかなハンドリングとソフトな乗り心地

FRを選択したことの効能が現れていて、ハンドリングとしてはバランスのいい穏やかなハンドリングで、ロードスターほどではないですが、ロールを許容した自然な挙動でした。

サスペンションがしっかり動いている印象があり、乗り心地がソフトで良好でした。スペシャリティ感はありましたが、走りの面ではもう少し締め上げてもいいかなという印象。ライバルのプレリュードとのポジショニング、スカイラインとの棲み分けもあったのかなと思います。

走りたいユーザーは足回りやシートなどを交換してライトチューンすることで、走りを楽しめる、そんな素性を持ったクルマでもありました。

ターボが必要

Q’sはツインカムとは言え、やはりパワー不足。ドリフトさせようとすると、姿勢を維持するのが難しかった記憶があります。

やはり、選ぶのならK’sであるべきかなと思いました。

S13 シルビアの懐かしい動画見つけました

プロモーション動画

このCM、懐かしい。カッコよかったですね。そして、このライトグリーンのボディカラーが代表的なカラーでしたね。

新車情報の動画

自動車評論家の三本氏の番組。開発責任者の方が、開発の狙いを語りながらも、三本氏のちょっと意地悪な質問にタジタジになるのが、いつもの構図で、それが楽しくて見ていました。

足回りはべた褒めなんですが、「なんで早く入れられなかったの?」なんて意地悪な質問してます。

R32 Skyline GTS type M (NISSAN)

R32 Skyline GTS type M とは?

スカイライン 2.0 GTS-t タイプMは、日産が生産したスポーツセダンであり、その優れたパフォーマンスとスタイリッシュなデザインで知られています。

このモデルは、RB20DETと呼ばれる2.0リットル直列6気筒ターボエンジンを搭載しており、特にターボチャージャーによって高い出力とトルクを発揮しました。このエンジンは、スカイラインの伝統である直列6気筒エンジンの中でも、パワーと耐久性を兼ね備えていることで評価されています。

さらに、タイプMはスカイラインの中でもスポーティな仕様であり、専用のサスペンションやブレーキ、エアロダイナミクスパーツが装備されています。これにより、ハンドリングやコーナリング性能が向上し、スポーティな走行を楽しむことができます。

内装もスポーティなデザインでありながら、運転席周りの操作性や快適性が考慮されています。また、後部座席のスペースやトランクの容量も十分に確保されており、実用性も兼ね備えています。

スカイライン 2.0 GTS-t タイプMは、優れたパフォーマンスとスタイリッシュなデザインが融合したスポーツセダンとして、スカイラインファンやスポーツカーユーザーから高い支持を受けています。

こんなクルマでした

シルビアのデザインもカッコよかったのですが、シルビアはどちらかというと軟派な印象。それに比べて、スカイラインはちょっと強面で硬派な印象で、走りに振ったという意味で、クルマとしてのキャラクターがしっかり表現されていて、棲み分けができていたクルマでした。

トップグレードにGT-Rが控えるスカイラインでしたが、値段が高くAWDということもあり、当時の若者はおいそれと手を出せるクルマではありませんでした。しかし、このクルマは、その次のグレードに位置して、ターボエンジンを搭載したFRということで、より身近に感じたクルマでした。

鉄仮面のような強面のフロントフェース、ウエッジシェープのボディライン、リアスポイラー、丸目4灯のリア周り。すごく、男らしいデザインでした。

インテリアも硬派。どう表現したらいいのかわかりませんが、もりもりと何か力強さを感じたステアリングデザインとインパネ。走るやる気をみなぎらせてくれる演出でした。

また、シルビア同様、スーパーハイキャスという電子制御式の4WSシステム装着車を設定。

そして、シルビアはリアのみだった、マルチリンクサスペンションをフロントにも採用。4輪マルチリンクサスペンションと称し、ハンドリングの更なる向上を目指しているのです。

※グーネットさんのカタログから画像を引用

走りは?

ハンドリングとパワーのバランスが素晴らしかった記憶があります。

ソリッドなハンドリング

ハンドリングは、やはりデザインと同じ硬派。シルビアとは一線を画すキャラクターを備えていました。

ハンドル操作に対して忠実かつ、遅れの少ないハンドリング。やや硬めながらも懐深い足回り。ロールやピッチ挙動をしっかり抑えて、安定性も高く、限界付近での挙動変化も穏やかでした。すごく安心感があって、好きなハンドリングでした。

また、ステアリングに返ってくる路面反力もしっかりしており、限界付近で反力が軽くなるインフォメーションがわかりやすかった思います。

パワードリフトに持ち込めるために十分なターボパワー

当時の日産の代名詞と言えば、ストレート6、直列6気筒エンジンでした。そして、この車は、インタークーラー付きターボ装着車。当時のターボらしく、タイムラグがあって3000rpmあたりから効いてトルクが発生するドカンパワーターボでした。

若干アンダーステア気味の挙動を、パワードリフトに持ち込むのに十分なターボパワーでした。それでいて、だらしなくテールスライドするわけでない。

安定感の高いシャシー性能を基本にして、ターボパワーでクルマの挙動をコントロールするという次元の高いバランスを持っていたと思います。

R32 スカイラインの懐かしい動画見つけました

プロモーション動画

日産が製作したプロモビデオをあげている方がいらっしゃったので引用させていただきます。

”超感覚スカイライン”って言ってましたね。思い出しました。クルマのキャラクターから考えても、いいキャッチコピーだと思います。

・開発風景 (R32スカイライン プロモビデオ 1/3

・クルマの紹介とCMの撮影風景(R32スカイライン プロモビデオ 2/3

・CM動画(R32スカイライン プロモビデオ 3/3

また、フジスピードウェイでGTS-t typeMとGTRを走らせた動画もありました。

この当時は、しっかりと車を訴求する動画をしっかりメーカーが作り込んでいたんだなと改めて思います。今も開発側の苦労などを交えてクルマを訴求する動画を作って、どんどん訴求すればいいのにと思ってしまいます。

新車情報の動画

4ドア仕様ですが、解説しています。ドライブする様子もあります。

ベストモータリングの動画

このクルマの動画を探していたら、ベストモータリングのこんな動画を見つけましたので引用させていただきます。

スカイラインのデビュー時、2Lクラスのライバル車とエビスサーキット東コースバトルした動画です。懐かしー!

”クォーン””ウォーン”というスカイラインのエンジンサウンドが、これこそ日産の音だと懐かしく思い出しました。

バトルの結果は、スカイラインが勝利なのですが、それ以外ツッコミどころ満載。まあ、スピンするわ、コースからはみ出すわ、土屋さんや大井さんの喋り方やポーズがもう時代を感じさせるわと楽しませてもらいました。

”技術の日産”を象徴する2台でした

当時は、CMで自ら”技術の日産”と言っていましたが、振り返ってみると、この2台は当時の日産を象徴するクルマでありました。

あれ以降、シルビアは2代続いた後に廃盤、スカイラインも大型化し、何か印象薄くなっています。

現在、電動化や自動運転に力を入れて頑張っていますが、真の日産の復活のためには、この2台の復活が不可欠なのでは!と思ってしまいます。EVでシルビア/スカイラインが復活したら、喜ぶのは我々世代だけなのでしょうか?それでも期待せずにはいられません。

次回は、トヨタの2台、MR-2/スープラについてお話ししたいと思います。

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