自分の4代目の愛車でした
今回はホンダビートのご紹介です。
※ホンダホームページから引用
バブルの時期に登場したこの車は、ドライブするものを虜にする不思議な魅力がありました。
軽でありながらミッドシップエンジン、リア駆動のレイアウト。まさに同時期に登場しスーパースポーツ、NSXと同じレイアウト。
現時点では、古いものだと、30年近く経過しているであろうこの車は、後継機種のS660も量産され既に絶版したにもかかわらず、いまだに愛好家の方達が手放そうとしない名車とも言えるクルマだと思います。
自分は、1992年製の個体を中古で20万で譲り受け、2000年〜2012年まで12年間乗りました。
色々とトラブルや事件はありましたが、乗っていてすごく楽しい車でしたし、機会があればまた乗ってみたいと思う車でもあります。
ビートの魅力
※ホンダホームページから引用
ミッドシップエンジン、リア駆動
スポーツカー、もっと言えばスーパーカー、レーシングカーにも採用されるこのレイアウト。これを軽で実現した当時のホンダは素晴らしいとしか言えません。らしさ爆発ですね。
ドライブフィールは、まさにミッドシップ。前輪が軽いことで、ステアリングを切ると、軽快に向きを変えてくれて、後輪は重くドッシリ安定感がある。爽快なハンドリングでした。
パワーステアリングが付いていなくて、極低速でのステアリングの重さは相当なものでしたが、走り出せば、前輪が軽いことでステアリングの重さは全く気になりませんでした。パワステがないことによって、路面の状況がステアリングインフォメーションとしてしっかりかえってくるのも好印象でした。
MTRECエンジン+爽快マニュアルミッション
※ホンダホームページから引用
軽枠の660ccながらスポーツエンジンである、MTRECエンジン。MTRECとは、Multi Throttle Responsive Engine Control Systemの略なんです。吸気側のスロットルバルブはひとつのエンジンが普通なのですが、当時のF1と同じく各気筒にそれぞれスロットルバルブを持ち吸気効率を上げるシステム。ビートは3気筒なので3連スロットルなんです。(ホンダのホームページの解説のリンクを貼っておきますビート MTRECエンジンの解説)
※ホンダホームページから引用
すごいパワーか?と言えばそうではないです。近年の軽は、発進を重視したセッティングになっているので、交差点からの0スタートでは、ビートはそれらに置いていかれるくらい遅い。
でも、エンジンを回して走る楽しみがありますし、エンジン音は初代NS-Xに近い官能的なサウンドを発生して、すごく気持ちいのです。(何台かビートに乗ったことがありますが、エンジン音はばらつきがあるのは確かです。自分のはあたりだったかなと。)
ただ、エンジン音のうるささで、高速走行は80km /hが限界でした。自分の耳が持ちませんでした。(それ以上スピードが出るのはいうまでもありません。)
あと、スコスコ入るショートストロークのマニュアルミッション。NSX TYPE Rのシフトフィールに匹敵すると思うほどです。シフトチェンジの楽しみを与えてくれる出来のいいミッションでした。
オープンカー
自分にとって、初めてのオープンカーでした。幌を開けて走る爽快感はたまらないものがありますし、幌を閉めている時に比べてエンジン音が外からダイレクトに入ってくることで、また違った高揚感がありました。
ただ、こんな理由で開ける頻度は高くありませんでした。
・後で記載しますが2アクション必要
・電動ではなく、人力で開ける必要がある
・幌が劣化していて、開きにくく、畳みにくい
オープンにできる余裕があるって感じでしたかね。
本当にいろんなことがありました
リアスクリーンに穴が
買ってすぐに、車をメンテするために車を色々とチェックしていました。
まずは、オープンの車は初めてだしどうやって幌をたたむんだろう?と思いながら。ビートのほろを開けるためには、2アクション必要なんです。①リアスクリーンのファスナーを外して、内側に倒す。②幌をたたむ。おーできたできた。
次に思ったのが、ミッドシップの車は初めてだし、どうやってエンジンルームが見えるようになるんだろうと。すると、内側に倒したスクリーンの下にボルト留めの蓋があるのに気づき開けてみようとしました。でもスクリーンが邪魔なので、二つ折りにしてラチェットでボルトを外そうとしました。すると回しているラチェットの肢の部分がスクリーンにぐさり。
そうです。買ったそばから、スクリーンに穴をあけてしまったのです。
そもそも、ビートのスクリーンは樹脂製。冬場には固くなることを考慮しなかった自分は浅はかでした。まあそれ以前に古くなって曇っていたことから気づくべきでした。
それから一時は透明テープで補修し続けたことは言うまでもありません。
1気筒死んでいます
買って少し経って、メーター内の排気警告灯が点灯するようになりました。頻度は高くなかったのですが、このままだと車検を通らないし車検も近かったので、修理含めてサービスにお願いすることにしました。
後日、電話で連絡があり、サービスマンの方が現状を教えてくれました。
「1気筒、内圧が全く上がらないので、エンジンを開けて確認してもいいですか?」
えーって感じでした。もうやってもらうしかないのでお願いしますと答えました。
さらに後日の電話で、
「シリンダーヘッドの内側が溶けてました。カムを閉じても空気漏れを起こしているので、内圧が上がっていませんでした。部品の発注もあるので修理に時間がかかりまーす。」
またもや、えー!!!って感じでした。
それだったんですね。排気警告灯がついた理由は。その気筒で内圧が上がらず、燃焼できなかった生ガスは排気管に流れて高温になっていたというわけです。
そう言えば、夏場、エアコンを使うと坂道発進でエンジン振動が大きくなったり、エンストしそうになったりしていました。軽ってこんなもんなのかなと思っていましたが、実はこれが原因だったんです。そうですよね。3気筒の車で2気筒で走っていたのですから。
前のオーナーが激しい走りをしていたのは聞いていたのですが、20万円と安かったのに飛びついて買ってしまったのが運の尽き。車検に30万近くかかってしまいました。まさに安物買いの銭失いですね。
約1ヶ月に及んだ入院から退院して戻ってきたビートは、エンジンパワーや燃費の向上、エンジン振動が少なくなったことは言うまでもありません。
追突されるかもという恐怖
そもそも軽は煽られると言うか後続車が車間を詰めてくる傾向にあると思うんです。やっぱり、ちょっと見下されている感があるんですよね。なので追突されるんじゃないか?と言う恐怖感は常に持っていました。
ある日の夜、幹線道路を横切る高架を越えてすぐの交差点で赤信号で停車していました。ここは、高架を下ってすぐの交差点なため、思ったより速いスピードで停車しがちな交差点でした。
そんな状況から簡単にその先が想像できますよね。追突されそうになったんです。
何が怖いって、リアスクリーンが古くて曇っていて後続車が全く見えないこと。タイヤのスキール音とライトの明るさで飲み感じる恐怖。
スクリーンがクリアだったら回避できたか?はわかりませんが、スクリーンを交換しようと心に決めた事件でした。
雨の日のブレーキングでフロントロック
ビートはミッドシップで、前後重量配分はリア寄り、つまり後輪より前輪の方が軽いのです。これによりフロントがクイクイ曲がるのが魅力である反面、これがもたらす悪影響としては、ブレーキング時に前輪がロックしやすい傾向があります。
ある雨の日の交差点通過直前に、青信号→黄色信号になりました。自分がちょっと急いでいたこともあるのに加えて、前を走る一台の車は通過するに違いないと思い、ブレーキをかけずに通過することを考えていました。
でも、前の車は、律儀に急ブレーキ。慌ててこっちも急ブレーキをかけます。すると前輪がロック。反射的にステアリングを切るものの、制動するために前輪のタイヤの力を100%使っているので全く曲がりません。ビートにはABSがついていませんので(後期型にはオプション設定)、ドライバーのブレーキ操作次第なんです。
でも追突直前に勇気を持ってブレーキを離した結果、タイヤの旋回する力が復活して、衝突を回避することができました。隣の車線にクルマが走っていなかったのも幸運でした。
現在は、ABSが全部の車両に適用されているため、それだけで、追突回避の被害は少なくなるとは思いますが、ミッドシップがそんな特性を持っていることを肌身で感じた事件でした。
平泳ぎをするビート
ゲリラ豪雨。最近の異常気象で夏場によく起こりますね。
その日の帰宅途中激しい豪雨に見舞われ、道路の水がどんどん増え、だんだんと水位があがってくるのがわかるようになりました。周りの車の水しぶきが尋常ではなくなってきたのです。そして、だんだんアクセルを一定に踏んでいても減速していきます。やばい。
そう思いながら進んでいくと、ボンネットの上に水が上がってきています。水に潜るくらいの水位になってきていたのです。まさに平泳ぎで頭を沈めていくような感じ。流石にやばいと思い、脇にあるちょっと高い広場に避難。水がひくまで待つことになりました。
車高の低さもありそうなりやすいクルマでしたが、リアエンジンだったことで、エンジンに影響がなく、水中停止することがなかったのが不幸中の幸いでした。
雨漏り
雨が降ると雨漏りがしてシートがびしょびしょになるというのはビート特有のトラブルといわれています。自分のクルマは、そこまではなかったのですが、ブレーキをかけるとウエザーストリップに溜まった雨水が流れ落ちてきて、もも回りがビショビショになることがたびたびありました。タオルは必須でした。
オイル消費しまくり
これは、ホンダ車、特に高回転で回るエンジンによくあるトラブル。エンジンオイルをMAXまで入れていても1000kmも走ればオイル警告灯がちらつき始めるまで減っていました。
4リッター缶のオイルを常に助手席の足元に常備せざるを得ませんでした。
ボディカラー褪色
黄色だったのですが、クリアが剥げてからどんどん白くなって。クリームイエローになってました。洗車すると、流れていく水が黄色くて。塗料が流れていました。
仕方ないですね。当時の塗装技術の限界なんでしょう。
スピードメーター故障
ある時スピードメーターが踊り出して、ストンと0km/hになり動かなくなりました。メーターを上から叩くと復活したりして。タコメーターは動いていたので、とりあえず、シフト位置とエンジン回転で車速はわかる状態でしたので、車検通過はできました。(ユーザー車検だったので。)
経年劣化で、メーター内の電気的接触不良が原因のようでしたが、しっかり治すには、メーター交換しかないようでした。
エアコンのダイヤルが折れて外れる
エアコンの風量を調節するダイヤルが根元から壊れてダイヤルがはずれました。これも経年劣化でよくあるトラブルだったとのことで、友人が予備の部品をもっていたので、譲ってもらいました。(12番の部品)
※ホンダホームページのビートパーツリストより引用
謎のバッテリー上がり
ある日、バッテリーが上がっていてエンジンがかかりません。ジャンプコードでエンジン始動して様子を見ましたが、再度、バッテリー上がり。バッテリーがダメなのかと新品を買ってきて装着しましたが、またバッテリー上がり。さすがにクルマ側を疑いますよね。
で、クルマの状況を色々見ていたら、ブレーキランプが点灯しっぱなしであることに気づきました。そうかこれによってバッテリーが上がったんだなと思いました。
で、ブレーキランプといえば、ブレーキペダルの上にあるブレーキスイッチの故障か?と思って、運転席の足元にもぐり、ブレーキスイッチの棒の部分を押したり、離したりしたら、ちゃんとブレーキランプは点灯消灯する。ブレーキスイッチは正常だ。じゃなんでだ?と不思議に思っていて、ふとブレーキペダルの上部にあるブレーキスイッチを押す部分を見ると、穴が開いてる。これじゃブレーキスイッチを押すことができないじゃんってことに気づきました。で、フロアマットを見てみると、樹脂の破片が散乱しています。
そうです。ブレーキペダルの上部の穴の部分に、樹脂の部材が嵌め込まれていて、ブレーキを離すと、その部分がブレーキスイッチの棒を押して、ブレーキランプを消灯する構造になっているのです。ただその樹脂が経年劣化して破損したため、ペダルを離してもブレーキスイッチの棒を押すことができず、ブレーキランプが点灯しっぱなし、バッテリー上がりに至ったわけです。
その樹脂の部品は、パッドペダルストッパー(部品番号46505-SA5-000)という部品で、100円ちょっとの部品ですし、嵌め込むだけですので、装着は簡単。現在は、樹脂製からテフロン製に変わっているようです。
(17番がパッドペダルストッパー、14番GAブレーキスイッチ、右の棒の先端部分が17番の部品に押されます。)
※ホンダホームページのビートパーツリストより引用
調べてみるとビートに限らずこの時代のホンダ車によく起きるトラブルのようです。まあ、こんな簡単な部品で、走行不能になってしまうのですから、設計的に問題なのでは?と思わざるを得ません。
知り合いに引き取られていきました
色々あった自分のビートですが、2012年の夏頃、生産されて20年を経過し、もう限界かなと思いビートを知り尽くしている仲間にあげることにしました。
譲った仲間が修理して大事に使ってくれることを祈り、お別れしました。色々あったので、お別れの時は寂しかったですね。
後日談、手放した後警察が来て、、、
おまけのお話です。
お別れして1年ほど経った、2013年夏、家の前で別の車を洗車していた時、50代くらいの男性と30代の女性の方が近寄ってきて、
「〇〇さんですね。」と声をかけてきました。
「茨城県警のものです。」と、刑事ドラマのように警察手帳を見せてきました。
「〇〇さんは、ホンダビートをお持ちですね。実は、茨城の方で、幼児連れ去り事件が多発していて、目撃者によると犯人は〇〇さんと同じナンバーのビートに乗っていたと言う話なんです。なのでその条件で調べて、関東近県一件一件確認しているところなんです。」
ええっ、これは完全に幼児連れ去りの容疑者扱いされている?
「持っていましたが、去年譲ってしまって今は所有していません。」と答えると、
「何色でしたか?」と聞かれたので
「黄色です。」と答えると
「犯人の車両は、赤だったんです。ご協力ありがとうございました。」
と言って、2人の警察官は去って行きました。
譲った仲間が、まさか?なんて思ったのですが、後日本人に確認したところ大丈夫とのこと。
手放した後も何かと人騒がせなビートくんでした。
まとめ
今まで所有した車の中で、一番面倒で一番世話が焼けて一番思い出深く、それを含めて楽しかった車だったなあと思います。手を焼くほどかわいいってやつですね
とまとめようとしたら、YouTubeでこの動画を見つけましたので添付します。自動車ジャーナリストの竹岡圭さんがビートについて愛情を持って語ってくれています。
「誰もが笑顔になってしまう楽しい走り」と言う表現が、まさにそれ!!ドンピシャな表現でしたね。みんなそうなっちゃうんです!!
この記事が、昔の車が好きで、ビートに乗ってみたい購入したいと考えられている方へココカゼになると嬉しいです。
それでは‼︎
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