電気自動車 初体験!!
本格的なEVに乗ったことがなくて、ずっと乗ってみたいと思っていました。
Facebookの広告で、AUDI Q4 e-tronの試乗会があるというので応募してみて、試乗できることとなりました。
実車と試乗の感想をまとめますので、クルマ好きの皆さんの参考になれば嬉しいです。
一言で言うと、新時代が来た!!って感じです。
AUDI Q4 e-tron とは?
AUDIとしては、3機種目のEV
上位クラス SUVの e-tron、クーペタイプのe-tron GTにつぐ、AUDI 3機種目のEV。
コンパクトSUVサイズで、本格的にEV普及を狙ってきたモデルということができます。
また、MEBというEV専用のプラットフォームを使った初めての機種になります。
主な特徴
主な諸元
自分の注目点は?
車両諸元から想像される性能と自分の注目点を上げてみます。
EVの加減速の楽しさ
以下の理由で、加減速が楽で楽しいといったところが感じられるはずです。
アクセル操作に対する応答性の良さ(人馬一体感)
EVは、アクセル操作に対して遅れなく忠実に加減速できます。踏めばすぐに加速、緩めればすぐに減速する。人馬一体感が感じられるのです。
これは、モーターの特性がアクセルの踏み始めから、トルクが最大になる特性を持っていること、アクセル操作に対するトルクの再現性の高さによるものです。
従来のエンジン車は、エンジン回転が高回転域で最大トルクになるため、アクセルの踏み初めからは、加速感の遅れを感じるものです。また、エンジンからタイヤに動力が伝わるまでの間に、ミッションを介しているのも遅れの要因になります。これは、いくら頑張ってもシステム構成上いかんともし難いものになります。
そういった観点で、EVのモーター駆動はエンジン車と比較して、絶対的な性能の優位性を持った駆動システムであると言えます。
減速回生
エンジン車では、ブレーキを踏まないでアクセルを緩めるもしくは離すことで減速させることをエンジンブレーキと言いますね。
モーターで駆動する車は、アクセルを緩めて減速する間にモーターによる発電が可能で、発電した電気エネルギーをバッテリーに充電して航続距離を伸ばすことができます。これを一般的に回生ブレーキといいます。
また、この回生ブレーキはエンジン車に比べて大きな減速度を発生させることが可能です。エンジンブレーキなら0.05G程度の減速度しか発生できませんが、回生ブレーキは、0.3G程度までの現速度を発生可能です。
なので、ブレーキを踏まないでも、アクセルを緩めるだけで0.3G程度の減速度が発生できるため、市街地走行では、アクセル操作だけで走れてしまう俗にいうワンペダル操作が可能になります。
アウディ初のリア駆動がどのようなハンドリングを示すか?
EV+リア駆動というシステム構成から、軽快で安心なハンドリングを持つことが予想されます。
低重心かつ理想的な重量配分
バッテリーを低い位置に配置することにより、重心高が低く抑えられるため、ロールを抑えることができます。SUVでありながら、セダンのようなフィーリングが感じられるはずです。
また、前後重量配分においても、前輪には重量物がありませんし、バッテリーをフロア下に、モータを後輪周辺に配置することで、駆動する後輪側に荷重を乗せて接地性や駆動力の伝達性(俗に言うトラクション)を確保することができます。
スポーツカーによくあるミッドシップエンジン車(フェラーリ458、AUDI R8、NSXなどの乗員の後ろにエンジンを配置するレイアウト)に近いレイアウトが可能で、運動性能が高いことは間違いなしです。
ただ、バッテリーが重いので、車両総重量が重くなり、運動性能的にはマイナスになりますが。
リアモータ駆動
最初に停まった状態で見てみます
ちょっと前置きが長くなってしまいました。
まずは、停まった状態での確認から。
まずは、エクステリア
SUVスタイル。迫力があります。グリルは、冷却のための穴は開いていません。ただのデザイン。
純粋に今までのAUDIのデザインを踏襲して違和感のないデザイン。ネガティブな表現をすると、極端な近未来感はないデザインです。
AUDIはEVだからと言ってエクステリアにいきなり先進性を出すわけでなく、既存のユーザーのAUDIのイメージを大事にしつつ、徐々に移行していこうと考えているのではないか?と思います。
でも、結構好きな顔です。
エンジンルーム?とは言わないか?ボンネットの下はこちら。スカスカかと思ったら意外に部品が詰まっています。EVとは言え、冷却系やエアコン、ブレーキ、ステアリング系の部品は必要ですしね。
リアはハッチバックタイプ。テールランプは、最近流行りの左右つながっているタイプです。自分はSUVタイプの方が好きですね。
十分なラゲッジスペースです。
タイヤは、ハンコックを採用。最近時は、AUDIの純正タイヤに採用されるなんて、ハンコックも進化してきているんですね。
で、よーく見ると、リアは、ドラムブレーキ!!いくら回生ブレーキが主になるからって見た目悪いでしょって思いました。
続いて、インテリア
ステアリングは、円形ではなく上下をカットしたようなデザイン。
下をカットとしたデザインはありましたが、AUDIはこのステアリングで近未来を演出しようとしています。
ちょっとインパネは張り出していて圧迫感あるかな?って感じです。
リアシートは広々。
長身の自分でも余裕。フロアもフラットで移動もしやすい。
実はこれもEVのメリットなんですね。エンジン・ミッションというスペースを取る大きな部品ががなくなって、それに比べて小さいモーターをリアに、バッテリーを床下に配置したことで、居住空間を大きく取ることができています。
さて試乗です
さいたま新都心周辺の市街地を3周させてもらった試乗でした。
試乗に際しては、スーパー耐久のレーサーの加賀美さんという方が同乗してくれて、解説してくれました。AUDIに限らず、その他のメーカーのEVの試乗経験がありということで、いろいろお話ししながら楽しく試乗させていただきました。
乗り出しから近未来感
まず、運転席に座ってブレーキ踏んだら、メーターが映し出されるようになり、スタンバイ状態(エンジン車でのエンジン始動状態)になります。のっけから新感覚。
走り出して感じたのは、やはり静か、ロードノイズだけがします。EVですからね。
加えてもっとモーターを制御する上での高周波のキーンという音が聞こえるのではないかと思っていましたが、全く聞こえず。
意図的に出している近接音も自然。それ以外にノイズチューンで、近未来的な加速音が室内にしていましたが、それも派手すぎず自然かつ加速感を演出していて好印象でした。
静かなEVは音の演出の幅が数多くあります。将来的には、複数のパターンの人工的な加速音をモード別に設定できるようになっていく気がします。今までにない加速感を演出するような未来的な音や、我々おじさん世代がエンジン車を懐かしむようなエンジン音を模した音など。いろいろできますね。
ハンドリング、乗り味
モード切り替えによって4段階に切り替えが可能。そのうちのコンフォートとダイナミックを試してみました。
コンフォートモードは、滑らかかつスムーズな加速を味わえました。逆にちょっと力強さが足りないなとも思いました。リア駆動特有のリアからの押し出し感は少ない。
またEPSの設定も、軽めの設定でしたが、切り始めに切りごたえ(反力感)がなくスルッと切れてしまって、クルマの動きと合っていない感じがしました。楽ではあるんですけどね。
ただ、サスペンションは通常のメカニカルなものでしたが、乗り心地は良好でした。試乗コースは路面も荒れていないこともありましたが、フラットな乗り味を感じることができました。
次に、ダイナミックモードに切り替えてみました。トルクの立ち上がりが鋭くなり、リア駆動の押し出し感、力強さが出てきた。うん、これこれって感じです。
また、EPSも切り始めから切りごたえ(反力感)をしっかり感じられて、クルマの動きに合ってきてすごくいい旋回性能を感じました。
ダイナミックにすることで、自動で減速回生のレベルを減速度2段目に設定されて、これまたアクセル操作での車両姿勢、ピッチ姿勢のコントロールが楽しい。またまたEVの本領を発揮と言ったところ。
ステアリングを切るときに総じて感じるところですが、ロール少なく、SUV特有のロールによる不安感がない。不安感がない安定感につながる。これは、まさにEVの重心の低さによるものに違いありません。
回生ブレーキ 減速度を3段階に設定可能
ダイナミックモードのままで、減速回生レベルをさらに増やして減速度3段目をセレクト。加賀美さん曰く、0.3G程度の減速度が出るそうです。それを聞いて、減速度が増えてアクセルを緩めることに気を使うのではと思いましたが、意外にコントロールしやすい。
ピッチ姿勢、荷重姿勢、車速コントロールが2段階目よりもさらにしやすい。これはモーターの応答遅れのなさにより、ドライバーがアクセルの緩めすぎ、抜き過ぎがないことによろものに違いありません。また、減速姿勢も前につんのめるような姿勢ではなく、後ろが沈み込み、安定感を感じました。
市街地なら、この減速度設定でほぼアクセル操作のみで走れそう。停止間際に踏むブレーキのみ。ブレーキペダルを踏むのを忘れそう。
素晴らしい性能なのですが、EVが普及した時、高齢者にとってはペダルの踏み間違えを誘発しそうだなという不安がよぎりました。
ブレーキが気になるところ
唯一の懸案はブレーキ。ブレーキ踏みはじめの効き、食いつきが弱く不安でした。例えば、道に出る時に歩行者を確認しようと軽くブレーキを踏んでいるようなシーン。止まらない!と思っちゃいました。
アウディのブレーキは踏み始め軽く、ストロークさせながら効かせる感じがあります。回生ブレーキに頼っていて、メカニカルブレーキをケチっているのか?わかりませんが、アウディらしいブレーキにしてくれることを希望します。
また、そのブレーキシステムによるものなのか?ブレーキホールド機能が入りにくい。交差点で緩いブレーキで停車した後、ブレーキホールド機能でクルマが停車すると思いブレーキペダルを離すと、ブレーキホールド機能に入っていなくてブレーキを踏みましするとようやく入るシーンが多くありました。これも残念ですね。
雪上の安定性に関する懸案について
冒頭でお話ししました、リアモーター駆動による雪上の安定性の懸案についてですが、試乗では当然確認できませんでした。
自宅に帰って、YOUTUBEで調べてみると、このような動画が出てきました。
この動画の解説は、全く分かり易いです。せんえつながらまとめさせてもらうと、
・前後の重量配分により駆動輪の後輪の荷重を上げて滑りにくくする。
・仮にスリップしたとしても、ESC(横滑り防止装置) の中の機能のうちの一つ、
トラクションコントロールがスリップしすぎないように安定して制御するが、
モーターの遅れのなさでトラクションコントロールが制御しやすく、
スリップしても滑りすぎが発生しにくくなります。
このことで、坂道でしっかり登れたり、クルマの安定性を確保することができる
ようになります。
ということです。
動画の中に出てくる、従来の前輪駆動のエンジン車が坂道発進した時には、前輪の荷重が減り滑りやすく、滑った時にはトラクションコントロールが作動するが、エンジンの遅れによるコントロール性の悪さから滑りすぎが発生し、登れなかったり、不安定になったりします。
EVがそれらの課題を解消するパッケージだと言っています。
実際、スラローム走行でもカウンターステア(スピンしそうになったら、旋回方向と逆方向にステアリングを切ること)を切っているシーンがなく、安定して旋回していることを表しています。
いつか雪上での試乗のチャンスがあれば、ぜひ確認したいなと思います。
実際買うとなったら充電設備がやっぱり心配
EVを初めて買う人は、やはり実際に使ってみて、その使い勝手の中で、充電設備に関する不安が解消できるか?ということが一番の心配になろうか?と思います。
AUDIとしても、その不安を解消すべく、いろんなサービス・施策を用意しています。(AUDI充電設備)
ただ実際に体験してみないとと思いますので、購入検討者が使い勝手を理解したり不安を取り除くために、一泊二日の試乗イベントを開催するなどして、よりEVを身近なものに感じれたらよりいいのかなと思いました。
まとめ
EVのパッケージングをフルに生かした性能を確認できて、新世代、将来の姿を間近に感じました。
我々世代のような、ガソリン臭い車が好きだとか、このエンジン音たまらないぜとかいう世代は、少し経てばあっという間にいなくなり、ポテンシャル的に圧倒的に優れているEVの時代がすぐそこに来ていることを感じました。
自分は、まだ、ガソリン車の昔ながらの価値観を持ち続けたいと思っていますが、ちょっと経ったら違うことを言い出しているかも知れません。
「ガラケーで十分だよ、なんなんだスマホって?」って言っていた人があっという間に、「スマホ持ってないの?スマホの時代でしょ?」なんて言っているのと同じように。
AUDI さいたま新都心店にお邪魔しました
このお店は、従業員の方達のコミュニケーションが素晴らしいと思いました。
クルマで到着してからの誘導、「〇〇様」と会ったことのない自分の名前を言ってくれる営業マンさん。かわいいフロアレディの方に店内に誘導された後も、営業の方、サービスの方と淀みなく案内される素晴らしさ。これは、国内メーカーにない緻密なおもてなし感ですしクルマの緻密さに通じる素晴らしさとして今受け止めております。
本当にありがとうございました。
また、ちょっとおまけもありますので別記事でご紹介します。それでは!!
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