試乗インプレッションをまとめます
昨年の夏、YOUTUBE動画やクルマ関連サイトの記事で、発売前のZR-Vが頻繁に目に入る様になってきました。すると今までにないスタイリングとあのフロントマスクが何か自分を誘惑しているような錯覚を覚える様になってきました。
そして9月発売(現在は部品調達の遅れで4月21日発売だそうです。)前の8月、東京駅にZR-Vが展示されているということで、止まった状態でエクステリアを中心に見てきました。
それから時間が経ってしまいましたが、やっとホンダカーズ埼玉さんでZR-Vの試乗をさせていただきました。
市街地や幹線道路をメインに30分ほど試乗させてもらいました。
そのインプレッションをまとめたいと思います。
試乗車のグレード
グレード: e:HEV Z (最上級グレード)
パワープラント: スポーツe:HEV
(2リッター直噴エンジン+2モーターハイブリッドシステム)
駆動方式: FF (4WDに乗りたかったのですが試乗車がなく残念)
カラー: スーパープラチナグレー
詳細はこちらZR-Vホームページをご覧ください。
エクステリア
存在感のある造形
試乗車は、スーパープラチナグレーというネーミングのカラー。最近時、なかなか見ない色だと思うのですが、この色すごくいい色ですね。好きです。カラバリエーションの中では、自分はこれを選びます。我々の世代が若い頃の車、プレリュードなどにあった通称ガンメタに近い色だからでしょうか。
日光の下だとすごくボディの陰影を強調していて、ボディーの造形や彫りの深さを強調してすごくいいと思います。顔はスマートでありながらも、体は筋肉質な感じが出ていて、すごく存在感のある造形だと思います。
それでいてごちゃごちゃしていなくて、スマートで都会に似合うデザインだなと思いました。我々アラカン世代には好感が持てるデザインだと思います。
大好きなフロント周り
フロント周りすごく好きです。ライトの内側の切れ込み、枠なしグリルの縦ライン、今までにないバンパーの造形、ボンネットの左右にある切れ込み。イケてます。
YOUTUBEで見た開発責任者の方の話ですと、ボンネットの左右の切れ込みは走行ラインのガイドになるということ。
安定感を感じるリア周り
リア周りは、デザインとしてはやや保守的ながらどっしり低重心な印象があってこちらも好印象。
タイヤは、ADVAN db V552 (225/55 R18)。すぐれた静粛性が特徴のプレミアムコンフォートタイヤということで、ハンドリング性能をタイヤに頼っていないことがわかります。
前回の東京駅で見た時も思ったのですが、このリアフェンダーの後ろのもっこりなんなんでしょうか?フェンダーを内側から叩いた様な不思議な形状です。まさかの空力?
インテリア
このサイズのSUVの車内は、やはり広々。空間に余裕があります。
インパネは、最近のホンダはこの水平基調で統一していて、個人的には好きです。先進的なデザインにしようとしてごちゃごちゃしているより、シンプルなデザインが好きなので。そのおかげか前方視界も広々している様に感じます。
また、Aピラーが細くて、交差点で曲がるシーンで歩行者等の視認性が良いと感じました。
特徴的なのは、セクシーなセンターコンソール。機能的には、センターコンソールの側面が触った感じ柔らかく、コーナリング中などの膝当てに良い感じ。
また、センターコンソールの下が2段になっていて、収納できるようになっています。初代ヴェゼルもこんなデザインでそれが特徴的でしたね。そのデザインを受け継いだのでしょう。いいと思います。
ドアハンドルも同様のデザイン。ソフトな触感、いいと思います。
このグレードには、BOSEのプレミアムサウンドシステム(12スピーカー)が搭載されていました。高級感あふれますね。FMラジオしか聴けていませんが、広がりがあっていい音でした。
フロントシートはしっかり肉厚で、座り心地いい。大事のところにしっかりお金かけていて好印象。長距離走っていないのでわかりませんが、きっと疲れないと思います。
リアシートもしっかり肉厚で広々。長身の自分でも膝回り、ヘッドクリアランス、余裕がありました。
このサイズのSUVだから当たり前ではありますが、荷室は広大。フロアは前後二つ開きます。
向かって手前側を開いてみると、トノカバーが収納されていました。これはいいですね。トノカバー外したら行き場がないので。いいアイデアだと思いました。向かって奥側のフタは開いてみると車載工具が収納されていました。
荷室の側面には、先ほどのBOSEプレミアムサウンドシステムのスピーカーのうちのサブウーファースピーカーが。いっぱい荷物を入れると音が変わるのでしょうか?側面の樹脂の壁の波波のデザイン、特徴的ですね。傷が目立たなくなるんでしょうかね。
後席の背もたれを倒すとさらに広大な荷室が。車中泊もいけそうです。
横から見ると、完全にフラットにはなっていなかったですね。
エンジン・ミッションについて
動力性能
一言で言うと、アクセル操作に対する加減速トルクのレスポンスがいい。
発進から力強いトルクで、スッと走り出す。アクセルを踏み増しすると、遅れなくトルクが立ち上がる。アクセルを緩めると同じく遅れなくドライバーが欲しい減速を発生する。アクセル操作での加減速が楽しくなる。これが、ホンダのハイブリッドシステム、e:HEVの真骨頂と感じました。やはり、トルクレスポンスはモーター駆動の最大の特徴と言えますね。自分の所有している、AUDI S4(V6 3リッタースーパーチャージャー)に近いトルクレスポンスを感じました。
また、センターコンソールにあるドライブモードスイッチによって4段階のモード(SPORT/NORMAL/ECON/SNOW)に切り替え可能。アクセルの踏み方に応じたトルクの出方を変えています。SPORTがトルクのゲインが大きく、ECONやSNOWになるとゲインが小さくなりますね。(SNOWは雪道ですぐにタイヤがスリップしないようにトルクの出方を抑えているんですね。)
後でカタログを見ると、SPORTは、「リニアシフトコントロール」と言って有段のミッション車がシフトアップするかのようにエンジン回転がステップ的に切り替わるようなコントロールをしているそうです。試乗時は、確かにエンジンが回っているなとは思いましたが、それほど意識していませんでした。
商品性
驚いたのが、エンジン音が静か。してはいるのがわかりますが、かなり遠くでする感じがします。エンジンルームの遮音性が高いと思われます。
加えて振動が少ない。特にエンジンかかりはじめの振動も感じず実にスムーズ。昔のハイブリッドはもっとブルブル振動していたのを感じましたが、ここまで進化したのか!と本当に驚きました。素晴らしいと思います。
燃費
市街地+幹線道路のみ走行で、メーターは24km /Lでを示していました。信号待ち程度の停止で渋滞はなかったのですが、カタログ上の燃費を市街地で軽く超えているという事実。1600kgの重量とこのサイズを考えると、驚異の燃費ですね。(AUDI S4のほぼ3倍!!)e:HEV恐るべしですね。
ブレーキ
アクセル操作に対して加減速トルクのレスポンスがいいのですが、ブレーキ操作に対してはブレーキペダル踏み始めの効きが弱い気がします。そこから踏み増しすると効くんですけど。
その時、回生ブレーキが効いていたのか?メカニカルブレーキだったのか?どちらが効いていたかわかりませんが、重量感のあるSUVだけに不安感が残りますね。
ハンドリング
ハンドリングは軽快というより重厚なしっかりとした印象を持ちました。
ステアリング切り始めから、ステアリング反力の立ち上がりがしっかり出ていてタイヤのグリップ感を感じます。20キロ程度の低速でも操舵初期からしっかり曲がっていきます。
加えて、ヨーとロールのタイミングがあっていて一体感がある。ロール自体はSUVにしては抑えめで、タイヤにしっかり荷重をかけて曲がっている印象を出していて好感が持てます。
厳しめに言えば、旋回初期、ヨーよりも若干ロールが先行しているのが惜しいところ。タイヤを変えて、操舵初期のヨーレスポンスをあげれれば、さらに素晴らしいハンドリングになりそうだなと思いました。
また、直進性高く、高速走行は楽そうですね。
乗り心地
乗り心地は、ロール抑制している分なのか、路面の凹凸や段差に対して多少ゴツゴツした突き上げ感はあります。ただその後の収斂が速く、嫌味な感じはないスッキリとした乗り心地であると言えます。
まさにスポーツSUVらしい乗り心地ですね。
その他装備
加減速がスムーズなADAS機能
ADASの前者との車間制御においては、加減速がスムーズ。e:HEVのトルクレスポンスの速さが大いに貢献していると感じました。だだ、前走車が信号停止した時の減速開始タイミングが遅く我慢できずブレーキを踏んでしまいました。車間設定を確認していませんでしたが、仮に狭かったにしても、ドライバーにブレーキを踏ませないようなチューニングにすべきですね。
で、感動したのがADASのメーター表示。グラフィックが綺麗なこと。下のメーターの写真のように、メーターの真ん中に、自車(ブレーキランプやウインカーもつくところもびっくり)のみならず、前走車、さらに右側のレーンの車両も表示しているではありませんか!しかも、右のレーンは確かにトラックが走っていたのですが、トラックのグラフィックになっているのです。ここまで詳細に表示する必要性はあるのかな?ドライバーが見入ってしまって危なくないのかな?と疑問に思う反面、技術としてはすごいなと感動してしまいました。
高精細アラウンドビューモニター
最近のクルマのアラウンドビューモニターのカメラが高精細なんですね。クリアですごい。
(下の写真が逆光でうまく写っていなくてすみません)
すぐにあったまるシートヒーター
本革シートには、シートヒーターは冬に必須のアイテムですね。
で、今回、試乗前にスイッチがMAXになっていて、知らずにスタートボタンを押したらすぐにお尻が熱いくらいにあったかい。こんなレスポンスのいいシートヒーター初めてです。普通、MAXであってもゆっくりあったかくなるものだと思っていたので、びっくり。
極感の寒冷地で生活する方にとって価値のあるシートヒーターだと思いました。
まとめ
かなり好感の持てる性能を持っているなと実感しました。この性能が400万円を切る価格なら価値があるのではないかと思いました。
動力性能 :◎ 乗り心地:○ ハンドリング:◎
ただ、、、、今からだと納期は1年以上、下手したら2年とのこと。半導体問題はいまだに解決していませんね。
新車を2年待つということが自分にとって想像できず。その間に心変わりしないのか?とか不安はつきません。実際に買おうとしたら相当迷うのかなと思います。
今回の試乗記は以上です。