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良質なコミュニケーションのヒントだ!【「「いい質問」が人を動かす」を読んで】

弁護士の著者がその活動の中での経験をまとめた本

自らコミュニケーション能力に課題があると思い、その関連の本をよく読んでいます。

以前に「質問力 論理的に考えるためのトレーニング」を読んで、いい質問とはなんぞや?ということを学んだつもりです。

【「質問力 論理的に考えるためのトレーニング」を読んで】この本を読むきっかけ この本は、2003年に発行された本です。80年代のバブルは遥か前に終焉を迎えて、日本が、今後どのように進んでいこ...

そして今回、図書館で見つけたこの本。

題名:「いい質問」が人を動かす
著者:谷原 誠
発行:文響社

弁護士活動をされている谷原氏が、今までの自身の経験の中で、質問の力と言いますでしょうか?それを存分に表現されてまとめた著書になります。

社会で生きていく中で大事なコミュニケーション能力。家庭や会社での人間関係の中で、どこでも使えるコミュニケーション手法として勉強になる一冊でした。

自分にとっては、なるほど!!と思った本でしたので、ご紹介します。

 

この本のポイント

はじめにのパートにあるこの言葉に、ちょっと惹きつけられました。

質問の力を身につけると、あなたは人生を思い通りにコントロールすることができるでしょう。(P4)

どういうこと?と思いました。

そして、デール・カーネギー氏から著者が学んだこの言葉がこの著書の根幹を表現していると感じました。

「人間は自尊心のかたまりです。人間は、他人から言われたことには従いたくないが、自分で思いついたことには喜んで従います。だから、人を動かすには命令してはいけません。自分で思い付かせればいいのです。」(P8)

自分が理解したこととしては、質問には以下の3つの意味合いがあるということです。

①相手に質問して、相手を知ることができる。
②相手に質問して、相手に考えさせ、次への行動を喚起することができる。
③自分に質問して、自分に深く考えさせ、次への行動を喚起することができる。

②と③は、まさにデール・カーネギー氏の言葉からくるもので、最初の”人生を思い通りにコントロールできる”という言葉につながっていくのです。

自分への振り返りと学んだこと

周りの人が思い通りに動いてくれず、もどかしさを感じてた

妻、子供、親、同僚、部下、上司、近所の人。自分の周りには多くの方がいました。

ですが、コミュ力に自信のない自分は、周囲の人に対して、良かれというアドバイスをするものの、その通りにならないことが多く、常にもどかしさを感じていました。

原因としては、アドバイス自体に問題があった場合もあるかとは思いますが、アドバイスが正しくても、それを適切に相手に納得させられていなかったこともあったと思います。

自分のものの言い方の欠点

普段のものの言い方としては、

奥様に対しては、

「これをここに置いておいたら、踏まれて壊れるでしょ!こっちに置いてよ!」
「これは、〇〇だから、こうやった方がいいよ。」
「ママは、最後まで片付けないからダメなんだよ!」

子供に対しては、

「(子供の名前)は、こうした方がいいんじゃない?こうしないと将来ああいうふうになっちゃうよ。そういうところがダメなんだよ。」

「(子供の名前)は、そういうところがダメなんだよ。」

同僚、特に、うまくいかない部下たちに対しては、

「(同僚の名前)は、ここがダメだから、直した方がいい。」
「(同僚の名前)は、どうして〇〇できないのかな?こうすべきだと思うよ。」

などなど。

まさに、本書の中にあるダメダメな質問ばかりを繰り出していたんですね。

・自分の意見の押し付け(自分のいうとおりにしていればいいんだ的な態度)
・ダメ出しのネガティブクエスチョン
・相手の意見を聞いていない
・相手に考えさせる質問をしていない

結局、言いたいことが伝わっていないとなってしまいます。

色々とやることがあって忙しいことにかまけて、相手とのコミュニケーションを省いて、じっくり言葉のキャッチボールをしていませんでした。結果、時間短縮しているつもりが、うまく伝わらず、余計に時間がかかるというジレンマに陥っていたのです。

そんな自分の問題をこの本が指摘してくれたような気がしました。

どういうふうにしゃべればいいのか?

どういう質問が良いのか?

じゃあ、どういうふうに質問すればいいのか?自分の質問の仕方の反対を行けばいいわけですね。

・ポジティブなクエスチョン
・自分の意見の押し付けない
・相手の意見にしっかり耳を傾け、それを一旦受け取る
・「あなたはどう思う?」と相手に考えさせる質問をする

まとめるとこうですね。

相手の意見をしっかり聞いて、一旦その意見を受け止め、相手の自尊心を傷つけないようにする。そして、正しい方向に修正するため、自ら思いつかせるような質問を繰り出し、相手に考えさせ、回答を促す。相手は質問の回答を考え、言葉にすることで、押し付けではない自分の考えとなって、次への行動を喚起することができる。

具体的には?

奥様に対しては、

「これをここに置いておいたら、どうなると思う?そうだよね。であれば、ここに置いておいたらまずいよね。」
「これは、こうやった方がいいと思うんだけど、どう思う?」
「ママ、これはどうしてここに置いてあるのかな?」

子供に対しては、

「(子供の名前)は、将来こんな仕事に就きたいとかある?そうなんだ。そのためには、今どうしたらいいかな?そうすれば、将来素晴らしい〇〇になれると思うよ。きっとできるさ。」

同僚たちに対しては、

「(同僚の名前)は、どうしてこうなっちゃうんだろうね。うまくいかないのは何故なんだろうね。そうか、それならそれを直せばいいよね。」
「(同僚の名前)は、どうしてこうなっちゃうのかな?そうなんだ。それが原因かもね。それを改善するにはどうしたらいいと思う?そうか、じゃ、それをやっていこう!」

今の自分にとって、ちょっとまどろっこしい感じはしますが、1発で相手に伝わって、相手が行動してくれるのであれば、こっちの方が有効で時間短縮になるに違いありません。

少し心配なのは、理詰めで追い詰めるような言い方に聞こえないかな?相手にめんどくさいと思われないかなというところです。うちの奥様だったらいいそう。

自分がこのやり方を習得するまでは時間がかかりそうですが、少しずつ頑張ってみようと思っています。

迷惑駐車する人に困り事をわからせたい

ここで思ったのが、世の中困ったことをする人たちに対して、それをわからせることに使えるということでした。

最近でいうと、こんなことがありました。自宅前の1台分しか通れない道幅の道路に路駐する輩です。そこに止めれば、自分の車はおろか隣のクルマも出せないし、駐車場にも入れない位置なんです。その時の会話はこうです。

自分「そこに停めないで、中に入れてもらえます?」
相手「いやーすぐなんですけど。」
自分「ダメです。」
相手「ほんとすぐなんですけどね。」

中に入れるのはめんどくさいから、ちょっとだからいいだろうという気持ちですね。結局、彼は渋々、中に入れたものの15分くらいは停めていましたね。ちょっとじゃないじゃん。

そんな輩には、これからしっかりこの本で学んだことを使って対峙していこうと思います。

自分「そこに停めるどうなります?誰が迷惑すると思います?」
相手「いやーすぐなんですけど。」
自分「先ほどの質問に答えてください。」
相手「邪魔ですね。」
自分「わたしのくるまを動かそうとしたらどうなります?」
相手「出せません。」
自分「お隣の車も出せませんよね。そしたらどうします。」
相手「中に入れます」
自分「そうですよね」

何か、子供に諭すような聞き方になってますが、大の大人で、特に高齢の方は頑固な方が多いので、こういう聞き方が一番効くと思いますね。最後まで話が終わるまでに、「もうわかった!」と言って帰ってしまいそうですが、それはそれで目的は達成するということになりますね。

その他、ためになったこと

そのほか、本書の中でためになったことをいくつか紹介させていただきます。

ダメな質問の7つのパターン

誰もが注意したい質問のダメなパターンを紹介してくれています。(P47)

①ネガティブ・クエスチョン
(否定的な質問)
②ノー・アンサー・クエスチョン
(何度注意すれば気が済むのか?のような答えを求めない質問)
③相手の答えを即座に否定する
④1人質問・質問の連打
(回答を待たずに次の質問をすること。)
⑤誤導質問
(ある条件を勝手に肯定した上での質問。)
⑥相手の脳に負担をかける質問
(制限のない質問。回答が難しい質問。)
⑦刑事の質問
(矢継ぎ早に質問を続ける。)

③、④、⑦は、会社で、自分が優秀だと公言していた同僚や上司にピッタリな傾向。そりゃー嫌われますね。

①、⑥は自分も注意しなければなと思いました。

山本五十六の言葉

P173に、部下から絶大な信頼を得ていた、大日本帝国 軍人の 山本五十六氏の言葉が紹介されていました。

やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば人は人は動かじ。
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。

人を変えようとしたら、まず自分を変えなければならないことを憶えておきましょう。

自分にとって、心に自然と刻まれる、貴重な言葉でした。

人生で成功するための3つのルール

自分を変える「いい質問」の章(P241)に、人生で成功するために自分に良い質問をして自ら思考することで、自分をいい方向にコントロールしていくことの大事さが示されています。

そして人生で成功するための3つのルールが紹介されています。

①目標の設定(なにをいつまでに実現したいですか?)
②行動を起こす(どうやって目標を達成させますか?)
③成功するまでやり抜く(失敗したら、どうやったらうまくいくんだろう?)

この3つは、一般的なお話かもしれませんが、それを自分に問いかけて答えを見つけていくことが重要だと思います。

7つのフィードバッククエスチョン

P251に、日常でこの7つのフィードバッククエスチョンを行っていけば、向上し続けることができることを紹介しています。

①よくできた点は何か。
②それはなぜうまくいったのか。
③今後も続けた方が良いことは何か。
④うまくいかなかった点は何か。
⑤それはなぜうまくいかなかったのか。
⑥今後やめた方がよいことは何か。
⑦今後改善すべき点はどこか。

自らを冷静に顧みて、現状を客観的に見ることができ、改善すべき点を見つけて、改善していく。つくづく、こういう人でありたいと思いますね。

最後に

みなさんも、忙しい生活の中、相手のことを考えず、つい頭ごなしにものを言ったりすることはよくあると思います。ただ冷静に考えてそれは得策ではないということですね。身につまされる方は、ぜひ本書を読んでいただき、自らが変わるきっかけになって欲しいと思います。

自分は、本書の内容を理解して、これからの周りの人とのコミュニケーションを変えていけば、きっと色々うまくいんじゃないかなと思いました。少しずつですが、変わっていけたらと思います。

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