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京都のハイプレスをもろともせず勝ち切る!【浦和レッズ観戦記 京都戦】

連勝の流れをしっかり繋いでいきたい試合

ホーム横浜戦、アウエー新潟戦と内容も伴いながらしっかりと勝ち切ってきた浦和。攻守ともに成熟度を増してきたこの流れを止めずに、成長曲線を描いていきたいものです。

今節のホーム京都戦。浦和OB 曹貴裁監督率いるダイナミックなサッカー、前線からのハイプレスが特徴のチームです。

ここまで、相手のプレスを回避するボール回しが成熟してきていますが、京都のような鬼ハイプレスをするチームに対してどれだけ余裕を持って回避できるのか?逆に慌ててしまってビルドアップできず守勢に回ってしまうのか?その実力が試される試合となりました。

この試合でうまくいけば、この後に控える町田や神戸のようなインテンシティで勝負してくるチームとの対戦で、軽やかにかわし前進する姿がイメージできるなと、戦前に思っていました。

結果的には、相手プレスにも動じない安定したビルドアップを見せ、徐々に運動量の落ちてきた京都を圧倒して圧勝。今後の試合に向けて、明るい未来をイメージできた試合となりました。

試合全体を通して

いよいよヘグモサッカーの形ができつつある

シーズン開始直後は、”硬直しているサッカー””血液ドロドロ、血の巡りの悪いサッカー”そんな印象でした。選手同士も迷いが多く見れました。2012年のペトロサッカーが頭をよぎりました。

しかし4月までに好不調の波を繰り返しながら、その中で学び成熟して、ここ最近はかなりヘグモ監督のサッカーが形作られてきました。今は”スムーズで小気味いいサッカー””血液サラサラ 血の巡りのいいサッカー”に近づきつつあります。

その証として、サンタナ選手や翔哉選手、敦樹選手に代表されるように、個人の力量や個性が十分に発揮できつつあることがあると思います。

相手プレス回避のボール回しの成熟

試合開始直後から、京都は予想通り前線からの鬼プレスを仕掛けてきました。しかし、成熟してきたボール回しは動じませんでした。

このボール回しの成熟には以下のような理由があると思いました。

・ボールを出した選手は、出した後にボールを受け直せるように動き直ししている
・ワンタッチパスが出せるように、次のプレーイメージがしっかりできている
・石原選手、大畑選手のように1対1でも個人で落ち着いてはがせる実力がある
・両サイドバックが高い位置どりやサンタナ選手のポストプレーとビルドアップの出口が多彩になっている

見た目で全員がうまくなっている印象があるんです。

相手ゴールに人数をかけて迫る攻撃

前のめりに人数をかけてプレスしてくる相手を、その成熟したビルドアップで回避するともう大チャンス。

両インサイドハーフやアンカーはもちろんのこと、時にはショルツ選手までもシュートに行くなど、人数をかけて攻め倒します。

敦樹選手や佳穂選手のインサイドハーフのポケット進入回数も明らかに増えました。

プレスバックの早さ

しかしながら、前がかりになった時にボールロストするとピンチに陥ります。

それでもこの試合では、安居選手、敦樹選手をはじめとしたの鬼プレスバックが目を引きました。切り替えの早さは、川崎戦での屈辱から学んだことだと思っています。そこから明らかに意識が変りました。

交代選手が活躍する好循環

この試合で、スタメン出場だった大畑選手、後半投入された佳穂選手、ブック選手、興梠選手が見事に自分の実力を発揮してくれました。

完全に選手全体の底上げができている、これまでの努力の成果が実ってきている、そんな感じがします。

特に、ブック選手が明らかにうまくなっていると感じました。守備強度、パスの正確性、判断の速さ。環境が彼を大きくしていると感じています。

試合状況

前半30分までは京都ペース

立ち上がりは、予想通り、京都の原選手、川崎選手、松田選手が前線から積極的にプレスに来て、浦和に圧力をかけてきます。原選手は西川選手、川崎選手、松田選手は、ショルツ、マリウス選手と、後ろのボール回しを封じようとしてきます。

7分、敦樹選手のボールロストからピンチになったのですが、敦樹選手、前田選手の戻りのスピードが遅く、鋭いクロスを上げられたところで、「おいー!」と叫んでしまいました。新潟戦の失点が脳裏をよぎったからです。

この試合、グスタ選手が欠場し、安居選手がアンカーでした。13分、アンカーの位置でボールをもらった安い選手は、相手のプレッシャーを受け一旦ショルツ選手に戻します。その後動き直しをしてショルツ選手のボールを受け直していました。しっかり落ち着いてビルドアップができていました。

また、その直後、安居選手からボールを受けた石原選手が寄せてくる相手選手を簡単に交わして前進していました。しっかりとビルドアップの出口となっていました。

また、19分に西川選手からの角度のついた矢のようなパスを安居選手がワンタッチで受け前進したシーンは、「うわっ」と声が出てしまいました。

守備の方では、両ウイングが相手の2人のディフェンダー、サンタナ選手が金子選手をマークしてプレス。両ウイングの守備が熟成されたら、もっとすごいショートカウンターが繰り出せるようになるなと感じました。

そうは言っても、25分あたりまでは京都のハイプレスで押し込められるシーンが多くありました。しかし、浦和が攻勢になっていきます。

29分にスローインをボールカットした石原選手から、前田選手、敦樹選手、サンタナ選手、翔哉選手と渡り、ポケットに走り込む敦樹選手にスルーパス。シュートは阻まれましたが、技術力の高いコンビネーションプレーでした。

31分、その後の38分にも、安居選手の攻撃的縦パスが敦樹選手に通りませんでしたが、積極的なチャレンジがいいと思います。32分にはマリウス選手のボールをうまく受けて反転し前進したシーンはたくましさを感じました。安居選手の存在感を感じ、彼がチーム全体にダイナミズムを生んでいたと思います。

33分、翔哉選手のクロスを前田選手の頭が届きませんでしたが、跳ね返りを翔哉選手が2タッチでのシュート。惜しいシーンが続きます。

そして、41分。ボールロストしたところを切り替え早く石原選手がボール奪取しショルツ選手にパス。再度石原選手に戻ってきたところで、前線の敦樹選手に鋭いスルーパスを打ち込みます。敦樹選手、翔哉選手、前田選手、凌磨選手と渡って、サンタナ選手が戻したところを走り込んできた安居選手が地を這うようなミドルシュートを打ち込みます。北ゴール裏から彼の打った軌道を見ていたら、まさにゴール左隅に吸い込まれるようでした。もうワールドクラスですね。あと、多くの選手が絡みワンタッチでボールがつながったのも素晴らしかったと思います。

このゴールの後のDAZNでの実況の下田氏の言葉を引用させていただきます。

「Jリーグでこういうシュートをいっぱい見たいと思わせてくれる見事なミドルでした。」

おっしゃる通りでございます。

ショートカウンターや裏へのロングボール、ショートパスでのゴール前の崩しなど、攻撃に多彩さ、引き出しが格段に増えたなという印象でした。

後半は浦和が圧倒

連敗中で負けられない京都は、後半立ち上がりからも積極的なプレスをかけてきて、ピンチのシーンはありましたが、徐々に京都の選手の運動量が落ち始めて、浦和のペースになっていきます。

54分に、西川選手のキックを右の前田選手がヘッドで敦樹選手に送り、それを受けた敦樹選手がドリブルし、3人に囲まれたところで、左に浮いていた凌磨選手にパス。そのボールを凌磨選手がダイレクトでコントロールショットを放ち、2点目をゲット。2−0とします。この時ばかりは絶叫しました!!あまりにも嬉しかったから。DAZNでは、下田氏の先ほどの言葉が再度登場していました。

その後も攻勢が続きます。57分、前田選手のシュートにつながるシーン、59分凌磨選手からのボールカットから、安居選手、翔哉選手と渡り、翔哉選手の魅惑のスルーパスがサンタナ選手へ通り、クロスを送るも前田選手に通らなかったシーンと、良好な選手の距離感、しっかりと攻撃の組み立てができていました。

そして64分、敦樹選手がゴールエリア内でファールをもらってPK。サンタナ選手のキックは、惜しくも京都のゴールキーパー太田選手に阻まれてしまいます。

74分に翔哉選手に変えて、佳穂選手を投入。すると佳穂選手が絡む攻撃が連発。そして77分に右サイドにいた佳生選手が、左で浮いていたサンタナ選手に優しいスルーパスを出し、サンタナ選手が見事に決め3−0となりました。

83分に、前田選手に代わりブック選手、88分にサンタナ選手、敦樹選手、石原選手に代わり、興梠選手、武田選手、酒井選手を投入します。

94分に、酒井選手と興梠選手が息のあったところを見せつけます。酒井選手の絶妙なタイミングでの裏へのロングパスを興梠選手がオフサイドギリギリの飛び出しで、アピアタウィア選手の裏を取り、アピアタウィア選手はたまらず足をかけ、興梠選手を倒してしまいます。そしてDOGSOでレッドカード。

この事象について、客観的に考えて、正直、この試合でもう1点取られるより、アピアタウィア選手が次戦以降出場停止になる方が京都にとっては痛手なはず。そういう冷静な判断ができなかったのかなと苦言を呈したいと思います。

武田選手のフリーキックはクリアされて試合終了。久しぶりの0点に抑えた試合でした。

印象的だった選手たち

見事にアンカーを務めた 安居選手

ワールドクラスのミドルシュートはさることながら、スタイルは違いますが、グスタ選手の代役としてアンカーのポジションを見事に果たした安居選手だったなと思います。

西川選手とディフェンダー2人からのボールの受け方が上手でした。それほど、動き直しによるポジショニングが的確だったと思います。

また速いボールでもいとも簡単にトラップする技術の高さは見ていて安心感がありました。あの彼の赤いスパイクには衝撃吸収剤が入っているのではないかと思うくらいのスーパートラップ連発でした。

そして前を向いた後に迷わず前線へと鋭い縦パスを刺すところも素晴らしかった。

加えて、ボールロストした際のプレスバックの速さと強度。この部分は明らかに、グスタ選手にない部分でした。この試合の安居選手を見て、インテンシティの高いプレー傾向のある町田や神戸などには、グスタ選手ではなく、あえて安居選手をアンカーに適用することもいいのかなと感じました。

魂の叫びを感じた 凌磨選手

後半キックオフを待っている時に、「わたなべっ りょーま ド ド ドドド」というコールが起こりました。「期待しているぞ」と言わんがばかりに。それを聞いた凌磨選手が右手で左の胸にあるエンブレムを数回叩いて、手を挙げているのがゴール裏から見えました。

この彼の仕草を見た時、胸にぐっと込み上げてくるものを感じました。彼の居場所はここなんだと。彼の心は浦和からずっと離れないと。(残念ながらDAZNには映っていませんでしたね)

見事なゴールもそうなのですが、その技術の高さ、サッカーセンスはもう特筆すべきもの。インサイドハーフのポジションも難なくこなし、多くの攻撃に絡んでくれていました。

また、この試合で、佳穂選手との息のあったプレーも見せてくれましたし、佳穂選手の調子を引き上げてくれる役割もこなしてくれていると感じました。

復活の狼煙 佳穂選手

これまでの試合、翔哉選手が下がると、攻撃がスローダウンする印象があったにですが、この試合は違いました。翔哉選手とは違った形で、佳穂選手がキレのあるプレーを見せて、攻撃を活性化してくれたのです。

特に投入されてからの5分は、すごいパフォーマンスだったと思います。

・75分、佳穂選手のコースを切ったプレスからボール奪取し、サンタナ選手のバイシクルシュートに至ったシーン。

・76分、コーナーキックのこぼれを拾った大畑選手が敦樹選手にパスし、ポケットに侵入した佳穂選手にスルーパス、佳穂選手のマイナスの折り返しをサンタナ選手がシュートしたシーン。
・その直後、右サイドにいた佳生選手が、左で浮いていたサンタナ選手に優しいスルーパスを出し、サンタナ選手が見事に3点目をゲットしたシーン。
・78分には、西川選手のロングフィードが佳穂選手に通って、サンタナ選手へクロス、シュートに繋げたシーン。
・79分に前田選手のシュートに至ったシーン。大畑選手が相手プレスを剥がして前進し佳穂選手にパス。佳穂選手は凌磨選手とのパス交換から、右サイドなサイドチェンジのボールを送り、これが効きました。

色々とうまくいかなくなって、スタメンから外れていましたが、外れていた期間でメンタル的にも回復できたでしょうし、迷いのないプレーができていました。チームも上昇機運なので、ここで乗っていこうという気持ちが垣間見れました。カラダのキレも申し分なさそうでしたね。

次の試合は、アウエイ磐田戦

次は、5月19日(日)アウエイ磐田戦です。

3連勝で迎えた磐田戦。いい流れを絶やさないようにしっかり勝って次に繋げたいものです。というのも、間にルヴァンの長崎戦が入るものの、リーグ戦では町田、神戸と絶好の上進出のチャンスが待っているからです。

今回は、初のアウエイエコパスタジアムに遠征します。

※なお、本記事の写真は、自分が撮影した写真以外は、浦和公式サイトの写真を引用させていただきました。

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