因縁の対決
鹿島アントラーズと言えば、今までいろんな大会で何度となく浦和の前に立ちはだかってきた、ライバルともいうべき存在。順位がどうであれ、浦和にとっては因縁と言いますか、特別な相手です。
浦和のサポーターはやはり鹿島戦というとすごくアドレナリンが出るというか、他の試合以上になんとしても勝つ、勝たせるという気持ちが強いのです。
おそらく、鹿島サポーターも同じだと思います。
その証拠に、今回の入場者数は4万5千人と、Jリーグで無料招待をしたの試合を除いて、最多の動員観客数となりました。浦和はもちろん、鹿島サポーターもいっぱい入っていました。
スタジアムの雰囲気
試合前からのヒリヒリした雰囲気は、Jリーグの試合では久々に感じる、今からビックゲームが始まるぞ!というなんともいえない心地よさでした。
練習スタートからすごい旗の数。選手を盛り上げます。
鹿島サポーターもビジターエリアいっぱいに入っていました。試合前から気持ちの入ったすごい応援。太鼓のリズムにのって、「おーお、おーお、お」という鹿島サポーターの掛け声を聞いていると歴戦のいろんな気持ちが蘇ってきます。
KMさんのプレビューで事前予習
ちょっと脱線します。
今シーズンに入ってから、KMさんという方のYOUTUBEチャンネルの試合前のプレビュー動画で予習をしてから試合に臨むようにしています。
このチャンネルは、自分のような素人にもすごくわかりやすいですし、サッカーをより楽しむ上ですごく役に立ちます。
浦議チャンネルのようなサポーター同士の交流含めたちょっとエンタメ的なチャンネルもいいと思いますが、最近はこのKMさんのチャンネルのような戦術含めたサッカー自体の理解を深めるようなチャンネルでないと物足りなく感じてきています。
そしてなんといっても、彼のツイートから彼の考え方に共感を覚えること。昨年の声出し応援禁止違反時のコメントなどなど。
そんなこんなで毎回見るのが楽しみになっています。
で、今回のプレビューでは、鹿島は4-4-2に戻り、ハイプレスというよりミドルプレス的。左右の名古、仲間選手がどんどん前に出てくる、といった話でした。
自陣に押し込まれた前半
ビルドアップに苦戦
前半は、ミドルプレスというよりも、ハイプレスで前からはめようとしてきました。垣田選手と鈴木優磨選手が背後を消すプレッシングをしているのは観ていて明らかで、ボランチの二人にパスが通らず、ビルドアップに苦戦。これは、ハイプレスで来ていた、福岡や京都、広島戦で序盤やや苦戦したことを鹿島が研究して対策してきたものだと思っています。
加えて、KMさんのプレビュー通り、名古、仲間選手がどんどん前に出てきて、彼らが内側に入り、サイドバックの広瀬選手も外のレーンを上がってきたりと、浦和は押し込められ続けます。
今回マチェイ監督は、ボランチに岩尾選手の代わりに安居選手を起用。安居選手のボランチのプレーを見たかったとマチェイ監督は語っていましたが、岩尾選手は、連戦の疲れか前節まで自陣でのボールロストが目立っていたので休ませたこともあると思います。
ただ北ゴール裏で観ていると、ビルドアップの苦戦はこの起用に原因がありました。西川選手がビルドアップでボールをボランチ二人に狙っても、綺麗に鹿島のフォワード二人が邪魔をして出せない。安居選手もボールをもらうために動いてはいるのですが、受けるにはリスクの高い位置にいました。この時、岩尾選手なら、下がってビルドアップを助けるのになと思っていました。
自分の意見ですが岩尾選手の代わりなら、安居選手ではなく、柴戸選手を起用すべきではなかったかと思います。柴戸選手はできると思いますし、安居選手はトップ下での前向きのプレーの方が向いている気がしました。
自陣に押し込められて防戦一方でしたが、ショルツ選手、マリウス選手、西川選手の鉄壁の守りで、得点こそ許しませんでした。もうハラハラの前半でした。
リンセン選手のポジションは?
リンセン選手は、試合開始時は左サイドでプレーしていたのですが、すぐ中央へ移動、関根選手と入れ替わっていたのでした。
福岡戦の後半に関根選手がトップ下でプレーした時、アリだなと思いましたし、興梠選手との関係性も良好であろうことから、今回、トップ下でスタートしたこの試合はすごく楽しみでした。ですがすぐに左サイドへ。
関根選手の前からの守備があったらより相手の最終ラインを押し下げられたのではないかと思いますし、リンセン選手のプレーもそれほど効果的ではなかったことを考えると、なぜポジションチェンジしたのか?リンセン選手のリクエストだったのか?マチェイ監督の指示だったのか?ちょっと理解に苦しむポジションチェンジだったと思っています。
岩尾選手の存在感を証明した後半
前半終了の段階で、後半立ち上がりからの岩尾選手の投入を娘に向かって予言していましたが、予言的中。不可解なポジションチェンジのリンセン選手と交代での投入。19番を背負って応援していますのでそうこなくっちゃって感じです。
この交代が的中。岩尾選手が替えがきかない選手であることを証明することとなりました。
いつものように、ビルドアップのためにディフェンスラインに下がり、それにより二人のディフェンダーが左右に開き、サイドバックを押し上げる。
岩尾選手は、最終ラインから左へ右へロングボールをサイドに蹴り込み、鹿島を自陣に押し込むことに成功させます。前半とは全く逆の展開。
前半からこうしていたらいう、たらればが頭をよぎる展開でした。
試合は両者譲らずスコアレスドロー
それでも、浦和同様、鹿島のディフェンスは固く、得点チャンスもそう多くなく、結果スコアレスドローは妥当な結果なのかなと思いました。
ただ、優勝を目指しているならば、こういう試合を強引に勝ち切るメンタルの強さが欲しいと思いますし、勝ち切れるチームになってきていると思うので、もう一皮チームが成長してくれたらなと思いました。
湖となった埼玉スタジアムの調整エリア
また脱線しますが、今回の埼玉スタジアムは、今までと違う景色になっていました。先日の台風の大雨で、もともと調整池の機能を持ったエリアが本来の機能を果たし、綾瀬川の氾濫を抑えるために雨水でいっぱいに。
水に反射して写るサイスタも珍しい。
そして試合終了後、夜のサイスタ。珍しくも美しい景色です。
次は天皇杯 関西大学戦
次戦は明日、駒場での天皇杯 関西大学戦です。明らかに格下の相手というのは戦いづらいもの。
昨年の天皇杯は、組長こと前浦和監督の大槻さん率いるザスパ草津に拙攻で早期に敗退していますし、大学生とは言え、相手へのリスペクトの気持ちを持って、正々堂々戦うのがアジアチャンピオンとしての風格というもの。しっかり勝ちに繋げて欲しいと思います。
※なお、本記事の自分で撮影した以外の写真は、浦和公式サイトの写真を引用させていただきました。