前節 川崎戦も引き分けと苦しい戦いが続く
前節の川崎戦、なんとも言えないドローの試合を経て、これまで、引き分けが多いレッズ。
守備陣はほぼパーフェクトに抑えているだけに、前線のパフォーマンスが上がれば上位進出も見えてくるはずなのですが、なかなかそうも行かないのがサッカーの難しいところです。
迎えた今節の湘南戦は、コンディション厳しい中3日。そう劇的な変化は期待できないだろうし、厳しい戦いになるだろうなと思いながらも、上位に食らいついていくためには、絶対勝たないといけないなと思いまながら、北ゴール裏に向かいました。
予想を超えたメンタリティあふれる躍動を見せてくれた
結果としては、事前の予想に超えたパフォーマンスで久々の完勝。技術的な部分もあるはずなんですが、メンタルの劇的な変化があったと感じました。
なんと言っても、全員のベクトルが前に前にと同じ方向を向いて、全員参加の攻撃が繰り広げられていたこと。選手全員から「勝つぞ！」という強いメッセージを感じて、非常に頼もしく感じました。
非常に、見応えのある試合だったなと思いました。
ハイプレス極まる！
試合開始直後から、前線の追い込みは、激しさを増していました。特に、２列目の3人、関根、安居、大久保選手のプレッシャーが激しく、そこで取れなくても、３列目でボールをカットできて、ショートカウンターに移行する場面も数多くあって、「ハイプレス極まる！！」と勝手に思ってしまいました。ちょっと言い過ぎですね。
でも湘南が繋いでくるところを分かった上での対策だったとも思いますが、シーズン当初、マチェイ監督が標榜していたハイプレスという言葉を徐々にチームが自分のものにし出したような気がしました。
ロングボールの多用と裏抜けの意識
裏を取る意識。今までの試合では、あまり感じないところがありました。
しかしこの試合では、明らかに裏をとるプレーが数多く見ることができました。
ショルツ選手、マリウス選手、岩尾選手からのロングフィードは、明らかに裏をとるためのチャレンジでしたし、それで跳ね返されても、２列目の選手たちが上手にセカンドボールを回収して、攻撃に転ずるという試合ができていました。
興梠選手の先制点も、岩尾選手からのビューティフルロングパスによって、大畑選手が裏抜けしたことにより、生まれた得点です。
岩尾選手が、攻撃のパスを出すというシーンが多く見られるところからも、全員の攻撃の意識を感じることができました。岩尾選手のファンである自分は、そういうシーンをこれからもどんどん見たいと思っています。
両サイドが高い位置を取る
そんな攻撃的な姿勢の結果、象徴的だったのが、両サイドバックの選手の高いプレー位置。ミシャ時代のサイドバックのようでした。
湘南が守る時にサイドバックが下がって５バック気味になることも考えてか、まさに同数で対峙すると言わんがばかりの攻めの姿勢。
特に、今シーズン初先発の大畑選手は、自身の攻撃センスを十分に披露してくれました。本当に頼もしい選手です。
スルーパスの意識
中盤の敦樹選手、安居選手が、ボールを保持してすぐに鋭いスルーパスを放つシーンが多く見られました。
51分に安居選手は強めのプレッシャーをもろともせず跳ね返し、敦樹選手へスルーパス。73分の敦樹選手の強度の高いボール奪取の後、即座に大久保選手の走る裏のスペースへとスルーパス。
前線の動きもさることながら、出し側も常に周りの動きを意識して準備していることが伺えます。そして何より、パスが強いのがいい！！迷いなく、強い気持ちを感じさせます。
恐れずにシュートを打つ
前節の川崎戦は、ミドルシュートが打てるシーンで横パスを選択していたことが多かったことが自分にとって不満でした。マチェイ監督のコメントでも、そこを不満点に挙げていました。
しかし、この試合はそこを見事に改善してきました。潔く打つミドルシュートが多かった。
敦樹選手が右にいたフリーの関根選手にパスを出さずにシュートを選択して、関根選手のハットトリックのチャンスが消えたこともありましたが、その積極性が今日の価値に繋がったに違いないと思います。
勝手な推測
川崎戦前のインタビューで、ショルツ選手が「サッカーの80パーセントはメンタルですので、そこが最も重要です」と語っていました。
ここから分かるように、メンタルの切り替えや向上というのが、連戦で続く選手たちのパフォーマンスに直結するということだと思います。
それで思い出したのは、先週火曜日の公開練習終了後に、土田SDと西野TDが選手を集めて何かしら語っていたこと。その時は、なんの話ししているんだろう？と思っていました。
今思うと、浦和を背負う責任 注入？勝者のメンタリティ注入？闘魂注入？だった気がして。
その内容がいい方向にチームを進めているんじゃないか？モチベーションを上げてくれているんじゃないか？と勝手に推測しています。
印象的だった選手たち
今回は全員と言いたいところですが、その中でも突出していたと思った3選手を取り上げたいと思います。
再びピークが訪れた！！関根選手
ピーク再び！！そして、このピークはどこまで伸びていくか？まさに予測不能です。
ここ毎試合、関根選手のことを書いている気がします。それくらい素晴らしい。インゴルシュタットに渡る前のいい時の関根選手が帰って来た気がしますし、それより、さらにスケールアップしている気がします。
ここ数試合、素晴らしいのはドリブルとシュート、スルーパス。この試合で挙げてみると、
・27分のポケットに侵入したドリブル。
・35分の興梠選手に出した絶妙なスルーパス。
・60分、ゴール前の落ち着きを感じさせるスーパーゴール。
・64分、大久保のセンタリングを走り込む酒井選手の後ろという絶妙なポジショニングで受けてゴール。（余談ですがゴールセレブレーションでマリウス選手の口ぶりを読むと「Perfect!」と言っているように見えました。）
・66分、逆サイドで裏抜けして、あわやハットトリックというシーン
振り返ってみても、多彩な攻撃を繰り広げていることがわかります。
もうまさに、浦和の中心選手。このコンディションを長く維持して、浦和の攻撃を引っ張っていってほしいです。また、何度も言わしてもらっていますが、マチェイ監督には、いつか関根選手のトップ下をトライしてほしいと思います。
チャンスを見事に生かした！！大畑選手
そして、今日、大活躍だったもう一人の大畑選手。
もともと実績とポテンシャルがありながら、今シーズンは、左サイドの３番手になっていた大畑選手。メンタル的に厳しい状況が続いていたと思います。前節の明本選手、荻原選手が揃っての負傷で回って来たスタメンで、その鬱憤を見事に晴らしてくれました。
高いポジショニングと、正確なセンタリング。関根選手とのコンビネーションも良かったと思います。
33分、大久保選手のシュートのこぼれ球を狙っていたのも積極性が現れていました。
そして、守備でも危なげなく、1対１はほぼほぼ負けなかった。
これこそ、強いチームの証だと思うんです。レギュラークラスが負傷しても、サブ（実力的にはレギュラークラスなのですが）メンバーが遜色ない活躍をする。それによって、チーム自体が留まることなく、活性化、進化していく。
大畑選手個人の目標でもあるパリオリンピックに向けた巻き返しがこれから始まります！これからの大畑選手、期待大です。
一段スケールアップした！！安居選手
今回の試合で、うわっと思ったのが安居選手なんです。それは、プレー強度、迫力が圧倒的に増していること。
33分、39分、51分の相手からのプレッシャーに当たり負けせず、もろともせず跳ね除けて、ボールキープする。
そして、鋭いスルーパスを繰り出す。77分に左サイドにいた早川選手に出したタッチライン際のパスは、右足からのキックでしたが、ラインを切らないように右回転、逆回転がかかっていました。こんな技もできるというのも技術の高さを表していますね。
75分に、敦樹選手から早川選手に変わって、ボランチの位置に下がった安居選手は、岩尾選手のように、下がって安定したビルドアップに貢献していました。
勝手に思ったのですが、先日あった日本代表戦での日本代表のプレーに触発されたんじゃないかと思いました。それぐらい、世界で戦うには、絶え間ないプレー強度が必要だということを日本代表に見せつけられましたからね。
加えて、身近にいる先輩が日本代表に呼ばれたという事実。これは、安居選手のプレー意識を変える大きな事件だったと言っても過言ではないと想像します。
安居選手も、明らかに日本代表になれるポテンシャルを有しています。このままの勢いで、日本代表まで駆け上がってほしいと切に思います。
次節の対戦は、難敵 サガン鳥栖
次節は、中2日で、明日、アウエイ 駅前不動産スタジアムでのサガン鳥栖戦です。サガン鳥栖は、札幌同様、セオリー無視の戦術で挑んでくる厄介な相手です。
しかもACL決勝直後のホームの試合で、敗北を喫している相手。さらにアウエイ戦での相性も悪いチームと苦しい状況ではありますが、それだけにサポーターとしてはスカッと勝って欲しいところです。
今回の試合で、大畑選手選手がフル出場して、次の左サイドバックどうなるのか？心配なところではありますが、古巣でもありますし、大畑選手の活躍でスカッと勝ってほしいと思います。期待しています！！
※なお、本記事の写真は、浦和公式サイトの写真を引用させていただきました。
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