思い出したくない開幕戦
今年の期待に胸膨らんだFC東京とのアウエイ開幕戦は、フリすぎたハイプレス戦術で、チームとしてうまく戦うことができず、見事なまでの敗戦スタートとなってしまいました。
思い出すのも辛いのですが、冷静に考えるとあの試合があって今があるわけです。気がつくとあれから5ヶ月も経過して、お互いのチーム状況も全く変わってしまった中で、浦和としては、開幕戦の雪辱を期したいところ。否が応にも盛り上がる試合となります。
そしてこの試合は、「GO GO REDS DAY」と題して、小中高校生は指定席はいづれも550円で観戦可能。将来の浦和を支えるであろう子供たちが数多く見にくることで、チケットは5万枚近く売れているということ。さらに、今回、自分の元の会社の先輩、同僚を招待するということ。
そんなことから、彼らに勝利の喜びを味わってほしい、是が非でも勝ちたいと思った試合でした。
ギリギリ、紙一重の戦いだった
東京のディフェンスは激しかった
クラモフスキー監督が就任して以来、課題だった守備の改善に着手したという通り、ディフェンスをハイラインし全体をコンパクトな陣形にして、2センターバックをはじめとする距離感を詰める激しい積極的な守備で、浦和の攻撃の芽を摘んでいきます。
東京にとっては、それで極端に振った形でチームを立て直せたことはよいうことだとは思うんですけど、ここであえて苦言を呈させてもらうと、守備が荒すぎると思います。強度の高いプレーは良いのですが、一線を超えて相手チームの選手を怪我させるほどのプレーをしてはいけないと思います。
エンリケ・トレビザン選手は、数回危ないプレーをしていますが、60分のショルツ選手に対して、足裏を見せてスライディングして、ショルツ選手が足首を痛めたシーンは、レッドカードに値するプレーだったと個人的には思います。それを正しくレフェリングできなければ、怪我人は減らない。また監督が戦術として指示しているのであれば、監督の責任。選手の責任ではないかもしれません。
ですがいづれにしろ、対戦すると怪我人が出るチームが増えてしまうのは、Jリーグファンとしても楽しくありませんし、そういうチームができるだけ減って、フェアでハイレベルな戦いを安定して見れるようなJリーグであってほしいと切に願います。
浦和は裏を取る姿勢に欠けていた
前半30分くらいまでは、東京のハイラインかつコンパクトな陣形を崩せず、ビルドアップに苦労して、後ろで回すことが多い時間が続きます。
そこで、鳥栖戦で見せた裏を取る動きを期待していたのですが、一向にそのチャレンジがなくこう着状態で時間だけが過ぎていきます。
酒井選手が負傷したことによって、代わって入った荻原選手が不慣れな右サイドでプレーしたこともあると思いますが、両サイドを高い位置どりができなかったことも、攻め手のないことにつながったと思います。
30分過ぎから、岩尾選手がいつものようにディフェンスラインに下がって、マリウス、ショルツ選手が左右に開いて、両サイドを押し上げ始めたところから、浦和の流れになっていきます。
それでも裏へのチャレンジがなかった。鳥栖戦とのあまりの違いに困惑していたのです。
後半は徐々に浦和が優勢に
後半立ち上がりに撃ち合いの時間帯があったものの、時間が進むにつれて東京の運動量が落ちてスペースが生まれ始めて、浦和優勢な展開になっていきます。
それでも、ずっと押せ押せな展開になっても決定的なシーンまでを数多く作り出すことができません。反面、セカンドボールをロストするようなシーンでは、鋭いカウンターを浴びてしまうなど紙一重のハラハラする展開ではありました。
結果的にはスコアレスドロー。試合内容としては、妥当な結果であるとともに、名古屋と横浜が引き分けただけに勝っておきたかった試合ではありました。
印象的だった選手たち
イケメンが仁王立ち!!マリウス選手
今回は、仁王立ちという言葉がぴったり当てはまると思いました。
1対1のシーンで全て防いでしまう。普通なら緊迫したシーンでも、体の力が抜けてプレーに余裕すら感じさせます。相手にしてみれば嫌でしょうね。どうしたらいいかわからなくなる。相手をプチパニックに陥いらせているに違いありません。
ざっとそんなシーンを拾ってみても、
14分 渡辺選手のコースを制限しサイドに追い出し
20分 ディエゴ選手を完封
54分 ディエゴ選手を完封
64分 渡辺選手を抑える
もっとあったと思います。
日本に来て初めてのこの高温多湿のコンディションをもろともせず、好調をキープというか、鰻登りに調子を上げていること自体、驚異的であると思わざるを得ません。
そんな浦和のゴールの前で仁王立ちするイケメン、マリウス選手。頼もしくてしょうがありません。
新境地発見!荻原選手
3分の酒井選手の負傷で急遽投入された荻原選手。しかも、適正ポジションの左サイドでなく、右サイドでの出場。
投入直後は、少し低い位置取りで、敦樹選手、大久保選手とのコンビネーションが合わないシーンが見受けられました。しかし、時間が経つにつれて、前目のポジショニングと、内側に入り込んでのシュートと徐々に存在感を見せ始めます。シュートのパンチ力は、まさに荻原選手の武器であることを証明するプレーとなりました。
守備面でも、厄介なドリブルを披露する俵積田選手を抑え込みました。
DAZNの実況で、水沼さんが「一つ前の大久保選手の位置でプレーさせても面白いのではないか」とコメントされていましたが、まさに同感。あのシュート力は本当に魅力だな思いました。
500試合出場!興梠選手
500試合出場、誠におめでとうございます。フォワードの選手としては初ということで、やはり、持ち前の体の柔らかさからくる怪我が少ないことがコンスタントに出場できてきた要因なんじゃないかなと思います。
ここ数戦、関根選手とのコンビネーションが冴えまくって、数多くのチャンスを作ってきました。前半13分の関根選手からのパスを受けた興梠選手が放ったシュートが右ポストを直撃したシーンは、相手選手に邪魔されながらもタイミングをずらし、名手スオビク選手を欺くタイミングでのシュートでした。残念ながらゴールにはなりませんでしたが、まだまだいけると感じたシーンでした。
浦和のホームページから引用させていただく、試合終了後のコメントには、以下のような部分がありました。
(後半に入る前にベンチに水を取りに行ったときにゴール裏を感慨深そうに眺めていたと思うが、何を考えていたのか?)
「ファン・サポーターの方々ってすごいなと思っていました。特に後半の円陣を組むときに、この場で試合ができる喜びについて感謝しなければいけないと思いました。このファン・サポーターの方々と共にタイトルを獲りたいと思いながらピッチに入りました」
人間の周りで起きていることは、当たり前のことなんてなくて、周囲の人間がその環境を作り出しているということ。それが意図的かどうかわかりませんが。
そういった意味で、自分もアラカンになった今、常に感謝の気持ちを持ちながら生きていかなければならないとつくづく思います。
このコメントは、サッカーキャリアの最終盤に差し掛かった興梠選手がしみじみ感じる当たり前に対する感謝を感じていること、明らかに引退を意識した発言だと感じました。
そういう意味で、本当に今シーズン、興梠選手とともに、悲願のリーグチャンピオンを奪取したいと思ったコメントでした。
そして試合後のマチェイ監督のコメント
浦和のホームページから引用させていただく、試合終了後のコメントには、以下のような部分がありました。
(前にプレッシャーをかけてくる相手に対し、背後を狙わずボールをつないでいこうとしていたが?)
「相手ディフェンスの前にあるライン間のスペースを使うというのが我々の狙いの一つでもあります。ただ、そこにボールが入ったら、次のプレーは背後を狙うものでないといけません。そこで背後に抜けるような動きがなければ、裏にボールを出すこともありません。そのような動きが、今日の試合では欠如していたと思います」(今日の試合では球際での強度の不足を感じたが?)
「私も同じような印象を持ちました。ここ1週間の練習の負荷も、いま一度チェックしたいと思います。負荷をかけすぎていたかもしれません。今日の試合では、立ち上がりから球際やハイプレスのところでの力強さがあまり見られなかったので、もしかしたら練習の組み立てが悪かったのかもしれません」
やはり、裏抜けに関しては、不満だったというコメント。同感です。しっかりと課題として把握していらっしゃるので、要因分析と対応をしっかりやってくださると思います。
しかし、ちょっとマチェイ監督に対して心配があります。
マチェイ監督の試合中のスーツ着用です。
スマートでカッコいいのは素晴らしいと思います。ですが、初めての日本で、初体験の梅雨時期の高温多湿の気候になってきて大丈夫なのか?熱中症になるんじゃないか?と心配になります。
自分流の、戦う監督としての礼儀というかマナーをお持ちなのかもしれませんが、監督に倒れられたら大変なことになりますから、無理なさらず、機能重視の服装で良いのではないかと思ってしまいます。
初参戦の会社の先輩、同僚の感想
はじめに、元の会社の先輩、同僚のふたりを招待するというお話をしました。彼らは試合に行くことが決まってから、浦和のホームページでユニフォームを買うなどやる気満々で望んでくれました。
試合では、彼らにゴールや勝利という歓喜のシーンを見せることはできませんでしたが、試合内容もさることながら、サポーターの熱さや応援の楽しさ、東京サポーターとのやり合いなど、楽しんでもらい、満足して帰路についてもらいました。
何せ、「浦和のサポーターはすごい!!すごい迫力!!」とびっくりしていました。ほんと、こんなすごいサポーターは日本には他にはいませんし、昔から思うのですが、サポーターがサポーターを惹きつける、そんな不思議なパワーを持っているとつくづく思います。
「また来たいですか?」という質問に「また、是非」という答えが返ってきましたので、新規サポーターを2名獲得!!って思っちゃいました。
こんな感じで知り合いやその家族を招待して行って、草の根的にサポーターを増やしていけたら楽しいなあとも思いました。
次は、天皇杯 山形戦
次は水曜日、中3日で山形戦です。
中3日でまた厳しいなあと思っていたら、山形は今日試合をやっていて中2日なんですね。さらに厳しい。
ですが、容赦してられません。来季のACL出場権獲得に向けての近道である天皇杯。昨年の群馬戦のような取りこぼしは許されません。是非スッキリ勝ちましょう!
※なお、本記事の写真は、自分で撮影した写真以外は、浦和公式サイトの写真を引用させていただきました。
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