優勝のためには、勝ち点3が必須の試合
サマーブレイク明けの浦和の成績を並べてみますとこうなります。
H 横浜M △0-0
A 広島 ●1-2
A 名古屋 ○1-0
H 理文 ○3-0
A 湘南 ○1-0
A 新潟 △1-1
A G大阪 ○1-0
H G大阪 ○3-0
5勝2分1敗 得点11点/失点3
これだけ見ると好成績ではありますが、後半冷静さを欠いて逆転負けを喫した広島戦や、後半追いつかれた新潟戦のように、優勝に向けて勝たないといけない試合で勝ち点を失っている印象が強いところがあります。
これから、下位に位置している、京都、横浜FC、柏との試合が続きます。こういうチームに対して確実に勝ち切らないと、優勝争いの権利さえもぎ取ることができなくなります。
そういう意味で、この京都サンガ戦は非常に大事な試合、勝ち点3ゲットが必須な試合でありました。
前半は、自陣に押し込められっぱなし
前半開始から、京都の特徴でもあるハイプレスに苦しみ、自陣のゴール付近に押し込められっぱなし、耐える時間が続きます。
彼らは、浦和のビルドアップので出口を封鎖します。山﨑選手が中央、原選手が右、松田選手が左の3トップが、岩尾選手、安居選手へのパスコースを消したり、岩尾選手に山崎選手や金子選手がべったりマークしたりしてきました。
その手段が塞がれた場合、浦和は、サイドの酒井選手が高い位置で西川選手のロングフィードを受けて、ビルドアップの出口にするパターンを持っていますが、この試合は松田選手が果敢にアタックしてくるので、酒井選手もそうそう高いポジションどりができないというジレンマがありました。
30分過ぎあたりから、それまで右サイドハーフでプレーしていた佳穂選手が、早川選手と替わってトップ下の位置にポジションチェンジ。その辺りから、押し返し始めます。
中央での佳穂選手が下がってビルドアップを助けたり、カンテ選手とのワンツーパスで打開したりと、流れを引き込んでいきます。
後半、相手陣内に押し込みまくる
後半開始のタイミングで、早川選手との交代で、日本代表帰りの敦樹選手を投入。京都のハイプレス強度が落ちてきたことも重なって、京都陣内に押し込みまくる展開となっていきました。
敦樹選手の日本代表から持ち帰ってきた何かオーラというか迫力みたいなものが、試合の流れを変えていたと思います。キープ力、スペースへのドリブル、厳しめというか日本代表レベルのスルーパス。存在感ありました。
そんな攻勢の中、結果的にはゴールは割れず。
あえてチャンスシーンを挙げてみると、
45分 カンテ選手のタメからの関根選手へのスルーパス、トラップ大きくなり決められず
60分 カンテ選手胸トラップからのシュート
64分 カンテ選手ドリブルで負けずに前進し、関根選手をスクリーンにしてシュート
74分 リンセン選手左サイドから斜めに走り、岩尾選手のロングフィードを受け、福田選手に引っ張られながらもシュート
76分 敦樹選手からのクロスに、リンセン選手のシートはバーの上
78分 佳穂選手、カンテ選手と繋ぎ、最後 リンセン選手のシュートは外れる(センタリングのミスだったかも)
87分 明本選手のロングフィードを受けた慎三選手がバウンドがうまく合わず、シュートはバーの上
90分 カンテ選手の惜しいシュート
こんなにあったんですね。
岩尾選手、明本選手、マリウス選手など、後方からの狙いのある質の高いフィードによって、数多くのチャンスを作れています。
前線のコンビネーションも上がってきました。リンセン、シャルク選手も本領を発揮し出し、カンテ選手は魅惑のプレーを続けてくれています。
でも、あと一歩、ゴール前での冷静さが足りない。やや焦りを感じるのです。
ゴール裏で声出ししていると、チャンスはあるので、盛り上げってくるものの、勝たなきゃいけないという見えないプレッシャーの中、どんどんと声量も大きくなっていきます。
選手たちも、試合時間が近づくにつれてそういう焦りが増えていったんですかね。
勝たなきゃいけなかった試合。勝てた試合。勝ち切れなかった試合。色々表現はあると思いますが、自分としては、非常に精神的に疲れを感じた試合でした。
更なる前線の選手のコンビネーションの熟成によって、オートマチックにできるレベルにプレーが極まって、ゴール前で余裕ができるようになることを願います。
リンセン選手への福田選手のプレーはPKです
74分 リンセン選手左サイドから斜めに走り、岩尾選手のロングフィードを受け、福田選手に引っ張られながらもシュートした問題のシーン。
北ゴール裏で見ると、リンセン選手が急に不自然に腰を落としたような姿勢になっていたので、後ろにいた京都の選手が引っ張ったのは明らかでした。自宅でDAZNの映像を見ても、福田選手は明らかにボールに関与できる位置にいないのに、自らが体制を崩しながら引っ張り倒している。明らかにPK判定が出るべきだと思います。
清水主審は、ファールも取らず、VARの確認もせず。これについては判断理由を聞きたいものです。
一つ疑問なのは、リンセンだけが抗議しているように見えたこと。多くの浦和のチームメイトが抗議していたら、オンフィールドレビューにまで持ち込むことができたのではないかと思うんです。そういう意味で、酒井選手が不在だったことは残念でした。彼なら、確実にアピールしていたと思います。
あと、福田選手に苦言を言わせてください。若くて将来性がある選手であるからこそ、ああいう品位のないプレーをするのは非常に残念です。あのプレーには、曹貴裁監督のチームらしい清々しいプレースタイルは微塵も感じません。実力でリンセン選手の前に入って正々堂々と戦いましょう。今後に期待します。
とは言え、勝てなかったことに関しては、自分たちがチャンスを決められなかったことが要因。自分たちに矢印を向けなければなりません。
印象的だった選手たち
多彩なパスを繰り出した 岩尾選手
今節の試合が、岩尾選手のJ1リーグ100試合出場の記念試合だったということで、誠におめでとうございます。
それを聞いた時、あれ?少なくない?間違っていない?と思ったのですが、それもそのはず、J2リーグでは276試合出場していたこともあってこの数字だったんですね。苦労した中、ここまで来たという感じがしてちょっとしみじみ感じました。
ですが、プレーの方はもう、進化が止まらないと言いますが、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。
これまでは、ビルドアップや、守備でのインタセプトが目立っていました。ここ最近、攻撃的なプレーが際立ってきているのです。
この試合でも、これだけの素晴らしいプレーを見せてくれました。
5分 スーパークロス
20分 関根選手へダイレクトパス
29分 体を張ったプレーで福田選手を止める
32分 セットプレーでカンテ選手スーパートラップ
41分 左前線の荻原選手へのロングフィード
48分 右前線の佳穂選手へのロングフィード
52分 インターセプト
68分 岩尾選手が起点となって、利樹選手、カンテ選手とダイレクトパスが渡った
19番のユニを着て、ゴール裏で応援しているのが誇らしくなるくらいの嬉しいプレーを連発してくれています。本当にありがとう。
この調子でシーズン終盤を駆け抜けてください!!
プレー精度が極まってきた カンテ選手
カンテ選手は、全てのプレーの精度が確実に向上している。この試合を見てそう思いました。
前線での守備は距離の積め方が効果的になりました。ポストプレーやその後のキープするプレーにも安心感を感じます。胸や足先での技術力の高いスーパートラップは、いつも「うわっ」と言ってしまいます。ドリブルも相手に当たっても力強く前進するようになってきています。周りとのコンビネーションも確実に上がってきています。シュートは残念ででしたが、一番可能性を感じます。
カンテ選手は、シーズン終盤の向けて、さらに進化してくれて、理不尽なプレーやゴールを見せつけ続けてください!!
ダイレクトプレーが光った 利樹選手
最近出場機会を増やしてきている高橋利樹選手。この試合は、後半66分過ぎから関根選手に替わって、右サイドハーフでのプレーでした。
今回、印象的だったのは、利樹選手のダイレクトプレーです。
68分 岩尾選手からパスをもらった利樹選手は、ダイレクトにカンテ選手にパスを出したシーン。
76分 利樹選手を起点→明本選手→カンテ選手→敦樹選手→利樹選手→敦樹選手からリンセン選手のシュートに至ったシーン。
77分のヘディングでのポストプレー。
味方の位置を常に把握していないとできないプレーですし、判断も早いということも言えます。これらのプレーで相手を置き去りんできますし、すごく存在感を出せていたと感じました。
以前は、サイドハーフでの出場では、守備のやり方に戸惑っていたことで、攻撃の良さが表れていなかった印象がありました。それが今や、その守備の仕事もしっかりでき、攻撃での良さを見せ始めています。前線の選手とのコンビネーションが上がってくれば、浦和の重要なピースになってくることは間違いない気がします。
北ゴール裏には、いつも利樹選手のゲートフラッグを挙げている方がいらっしゃいます。ご家族の方かわかりませんが、彼らが誇らしいプレーを見せてくれていると思います。
利樹選手、どんどん試合に絡んで、先々はセンターフォワードでの出場で暴れまくって欲しいと思います。期待しています。
次の試合はACL2023 GS アウエイ武漢戦
次は、いよいよ今年2023年のACLの戦い、グループステージが始まります。
京都戦、試合終了後の「赤き血のイレブン」を歌ったことで、自分は気持ちが盛り上がってきました。
初戦は、9/20(水) 中国の武漢に乗り込んでのアウエイ戦です。海外への移動に加えて、週中の試合と厳しいコンディションではありますが、チームの調子は上向きであると思いますので、この調子で初戦を幸先いいスターとにして欲しいと思います。
以前中国でプレーしていたカンテ選手の爆発を期待します!
※なお、本記事の写真は、自分で撮影した写真以外は、浦和公式サイトの写真を引用させていただきました。
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