過密日程の中、選手たちは満身創痍だと思います
リーグ戦、アウエーでの鹿島戦はドローの結果となりました。首位神戸との勝ち点差は8となり、残り3戦を残してかろうじて首の皮一枚繋がっている状態ですが、数字上ではまだ優勝の可能性は残っている状況。優勝決定直前には、上位にいるチームの方ががプレッシャーを感じやすく、普段通りのプレーができなくなってきて、失速することを今まで何度も見てきていますし、何が起こるかわかりません。
また、優勝が叶わなくても、来季のACLの出場権を獲得するためには、2位以内なら確実、3位以内でも可能性があります。(AFCが、来季のACL Eliteの出場権をリーグ3位まで、ACL2の出場権を天皇杯優勝チームにする検討をしているとの情報があるため)
しかしながら、これまで試合に多用された選手たちは、厳しいシーズンの終盤を迎えて故障者が続出。怪我を抱えながら、トップコンディションでない状態、もっと言うと満身創痍の状態であろうかと思います。
試合に出ている選手でも、ピークのパフォーマンスを発揮できず、あれ?明らかに彼らしくないな!と言うシーンを多く見かけます。
そんな状況ではありますが、なんとかシーズン終盤を失速しないで堪えて、なんとか駆け抜けてもらって、来季のACL出場権を獲得し、その勢いでのクラブワールドカップでシーズンを締めてもらいたいと思います。
その前に、ルヴァン決勝と、ACL GS アウエー浦項戦と重い試合が続いていきました。
そして、結果的には、2連敗。悔しくて、苦しい結果となってしまいました。
悔しいルヴァン決勝の敗戦
前半の福岡の作戦は見事だった
試合開始早々から、浦和は福岡のハイプレスに苦しめられて、自陣での守りに終始します。
そして、福岡の攻撃の作戦はクリアで見事なものでした。福岡は、自陣でのボール保持している間に、浦和の選手がサイドに人を集めてボール奪取する傾向にあるのを逆手にとって、見事なサイドチェンジで、ひっくり返します。浦和のサイドバック、特に荻原選手が上がった裏のスペースをつかれてカウンターを浴びるシーンが何度も見られました。スタンドから見ると、広大なエリアを福岡のサイドの選手が何度となく駆け上がっていくのです。
これ、なんか最近見た光景だ!と思ったのが、前の試合の浦項戦でした。彼らのサイドチェンジからのカウンター戦略にハマってしまいました。もしかしたら、福岡の長谷部監督らは、浦和の弱点を突く攻撃パターンとして、浦項戦を参考にしたかもしれません。ここについては、浦和は早急に対応を考えないといけないですね。
そして、やはりアビスパの紺野選手がキーでした。5月のアウエー戦で、前線でのドリブルによって浦和の守備陣を撹乱していましたし、山岸選手や佐藤選手とのコンビネーションも脅威でした。今回のゴールサイドから一旦止まった状態からアジリティを見せ、鋭いグラウンダーのボールを蹴り込み、中央の選手が走り込んで合わせると言うパターンで、前半2発やられてしまいました。
後半は全力で押し返そうとしたものの追いつかず
後半は、大久保選手を投入して、前線でのボール保持率を上げて、福岡陣内で攻撃を展開します。しかし、福岡の中央を締める固い守備の周りを横パスするシーンが多く、回されている印象がありました。大久保選手も、ドリブルで中央に切れ込む彼らしいプレーはなかなか見られず、コンディションがまだまだなんだなと感じました。
さらに、62分に佳穂選手に変えて明本選手を投入。前線での起点が出来、さらなる圧力をかけれるようになると、67分にその明本選手の見事なトラップからの流れるようなプレーでゴールを決めて1点差。
終盤猛攻をしかけて、カンテ選手のゴールがポストに嫌われるなど、紙一重なシーンはありましたが、結果的には追いつかず、試合終了。
ルヴァン決勝に初出場で、初優勝を決められてしまいました。本当は、浦和が決勝戦に出ても、そう簡単に優勝できないんだよ!と言うのを教えてあげないといけない立場だったと思います。我々の歴史の中でもそうでしたから。そう言う意味でも、本当に悔しい!
うちの娘も、周りにいた若者も試合終了後はうずくまって放心状態でした。
ショルツ、マリウス選手の疲労が心配
最近の試合は、ショルツ選手、マリウス選手の2人に余裕を感じられなくなっていると言うか、疲労が蓄積しているんだろうなと見てとれます。
隣にいるサイドバックの選手が高い位置をとりがちなので、広範囲なエリアを1人で守らなければならないシーンが増えている気がします。ショルツ選手もレフェリーにクレームを言っているシーンもよく見受けられますし、マリウス選手もPKを与えるシーンが増えてきました。(この試合では、PKでの西川選手のスーパーキャッチに救われましたが)
来季に向けては、岩波選手、犬飼選手をキープした上で、4枚でしっかり回す体制にしていかないと、コンディションのキープが難しいんじゃないかと感じました。
アビスパ福岡 優勝おめでとうございます!
アビスパ福岡、ルヴァンカップ優勝おめでとうございます。悔しいですが、故郷のチームですし、正直におめでとうと言いたいです。
昨年までは、正直そんなに怖いチームではなく、とりあえず負けることはないなと感じるチームでした。
しかし今季に入って、チームの熟成と前線のタレントの強化が身を結んで、素晴らしいチームになってきたと思います。でも、まさか、決勝戦で当たるようになるなんて予想もしていませんでした。
ただ、次回のリーグ戦では、絶対に負けない!という気持ちが沸々と湧き上がってきました。この試合が、リーグ終盤のモチベーションに火をつけてくれたことをポジティブに考えたいと思います。
続くACL アウエー浦項戦、悔しい逆転負け
中3日でアウエー浦項戦
悔しいルヴァンカップの決勝を終えて、ひきづっている暇はありません。続く試合は、ACLグループリーグ通過のために非常に重要な試合、アウエーでの浦項戦です。
前半は、前線のカンテ選手、佳穂選手、初のスタメン起用となったブック選手の3枚の前線からのプレスが効果を発揮、相手に自由を与えません。
攻撃面でもいい流れを作り出し、相手を圧倒。そんな中、カンテ選手らしいスーパーゴールが決まり、前半を1-0で折り返します。
後半は、ゼカ選手をはじめとする主力組を投入してきた浦項。徐々に攻撃の圧力を強めていきます。63分に不運なハンドで、マリウス選手がPKを取られて、ゼカ選手に決められ同点に。
その後の67分、カウンターを防ごうとした明本選手がプロフェッショナルファールを狙ったはずが、相手選手のふくらはぎを後ろから蹴ってしまい1発退場。そこから、大きく流れが変わり、防戦一方になります。そんな苦しい中でも、リンセン選手は惜しいシュートシーンが2回ほど続きました。
しかし、後半ロスタイムに堪えきれずついに失点。逆転負けを喫しました。
前半のプレーは良かった
ホームでの第1戦に比べて、この試合は内容的には安定していましたし、負ける試合ではないなと思っていました。明本選手の退場さえなければと言う気持ちは残りましたね。
ただ、もうポジティブに考えて前に進むしかありません。前半は良かった。この成功体験を大事にしたいですね。
その中でも、特に、ブック選手。前線からのプレスの有効性、キープ力、取られないドリブル、時折見せるセンスを感じるスルーパス。積極的なシュート。どれを見ても素晴らしいと思いますし、浦和の中盤で活躍できる目処は十分に立ったと感じます。来季の契約は間違いないと思います。後半早々に足が攣って交代となりましたが、今後試合に出続けて、体力的にもプレースピード的にもJリーグにどんどん慣れていって欲しいと思います。
そして、佳穂選手。フィジカル的に厳しい対戦相手が最近続いたことで、佳穂選手のプレー判断が早く、球離れが良くなってきていると思います。そして相手とのコンタクトプレーも強くなってきている気がします。そして、今回の前線での鬼神のようなハイプレスでした。気持ちが入ったプレー、気迫に彼の責任感を感じ、感動すら覚えました。一皮剥けて成長した佳穂選手、本当に嬉しく思いました。
次の試合は、いよいよ神戸戦
次は、明日、ホームでの神戸戦です。
本当に絶対負けられない!意地とプライドで神戸を圧倒したい試合となります。
この2戦を踏まえて、時間はあまりありませんが、一旦メンタルを再構築して、リバウンドメンタリティを見せて欲しいと思います。
絶対、勝ち点3をもぎ取りましょう!!
※なお、本記事の写真で、自分で撮影した写真以外は、浦和公式サイトの写真を引用させていただきました。