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押し切れず悔しいドロー!【浦和レッズ観戦記 磐田戦】

上位チームとの対戦を前に勢いをつけておきたい試合

前節まで3連勝といよいよ波に乗ってきた浦和。

振り返ると、4月中の戦いの中で色々と試行錯誤し、敗戦の中から学びチームを成熟させてきました。そして今となって思うのは、5月に入っての川崎戦の後半、メンタル面での綻びを見せたところがターニングポイントになった気がします。ここをきっかけに、守備特にプレスバックの鋭さを見せるようになり、メンタル面でチーム全体がワンランクアップした印象があります。またビルドアップや多彩な攻撃と本当に成熟してきたなと感じますね。

今節の試合は、アウエイ磐田戦。ルヴァンカップ長崎戦を挟みますが、リーグ戦はこの試合を終えると、町田、神戸、鹿島と現在の順位で上位チームとの連戦になります。ちょうど、浦和が調子を上げてくる時期にうまく上位チームと対戦できるようなスケジュールとなっているこの偶然というかお膳立てを生かさない手はありません。そういう意味で、この試合はしっかり勝って弾みをつけておきたい試合でした。

結果的には、押し込み続けたものの勝ちきれず悔しいドローとなりました。

試合前の様子(初めてのエコパスタジアム)

初めてのエコパスタジアム。2002年日韓ワールドカップでの会場となったスタジアムで、思っていたいたよりは大きいスタジアムでした。

トラックがあってサッカー専用ではありませんでしたが、それほどグラウンドが遠く感じない。全周2階席があって、屋根付きでした。しかしながら、席が最前列に近い位置だったので、その辺りは屋根は被さっていませんでした。ポツポツ降る雨に濡れながらの観戦となりました。

磐田のサポーターも、浦和の熱量に負けじと頑張っていました。

静岡弁の”やるら”。大学時代の同級生がよく言ってました。静岡に来たって感じです。

静岡県でも西寄りに位置するこのスタジアムまで埼玉から260kmの距離。でも、浦和サポーターにとってはそのくらいの距離は全く関係ないですね。圧倒的な人数と声出しで選手をサポートします。

試合前、サンタナ選手の新しいチャントの練習したりと楽しかったです。

試合全体を通して

ゴール前のワンタッチプレーが増えてきた

とにかくワンタッチプレーが増えてきたと思います。

開始0分、ゴール前まで前進し縦パスが通ると、前線に角度をつけて立っている選手間でワンタッチでパスが通ってサンタナ選手のシュートに至ったシーン。

59分に安居選手の縦パスを凌磨選手、敦樹選手、前田選手とワンタッチで繋いで前田選手のクロスをサンタナ選手がヘディングシュートをしたシーン。

各々がパスをもらえる適正なポジショニングと距離感をキープしながら、次のプレーをイメージして早い判断ができている。チームとしての成熟度を感じる部分だと思います。

プレスバックの意識が高まる

ボールロストした瞬間の守備の反応の速さ強度は、本当に頼もしいばかりです。安居選手、敦樹選手、凌磨選手、大畑選手は素晴らしいものがありました。

特に安居選手は、チャレンジングな縦パスを通そうとして失敗し相手にボールが渡ると、自らが責任を取るかのように積極的にプレスをかけてボール奪取するというその姿勢が素晴らしいと感じました。

”遅攻も速攻も洗練されている”

”遅攻も速攻も洗練されている”

これは、実況アナウンサーが言った言葉です。

ここ数戦、サンタナ選手や翔哉選手など前線の選手がボール奪取してからのショートカウンターが多く見られるようになってきました。

元々、後ろで回してビルドアップして攻めていく遅攻が攻撃のメインだったのですが、速攻もできるようになって、攻撃が多彩になってきたことは頼もしいばかりです。

得点後の集中力が一瞬欠如していた

とは言え、守りを固める磐田は簡単に得点させてくれませんでした。

67分に翔哉選手のコーナーキックからマリウス選手が先制しますが、その直後、翔哉選手のボールロストから始まった磐田の攻撃を止めることができず、失点。いつもボールロストしたら必死で追いかけて守備をする翔哉選手があの時だけ軽かったのが気になりました。

得点後の集中力がー瞬欠如していたシーンとなってしまいました。

試合状況

前半は完全に浦和が支配

前半立ち上がりから、浦和が猛攻を仕掛け、磐田に圧をかけ続けます。相手ゴール前に人数をかけて、ワンタッチプレーの連続。DAZNでの実況では、16分あたりのボール支配率は、浦和81%と圧倒的に支配し続けます。

しかしながら、幾度となくシュートを放つもゴールを破ることができず。

そうしていると、磐田がボールを持てないでイライラし始めたのか?30分過ぎあたりからラフプレーが目立ち始めます。37分に山田選手がマリウス選手の立ち足にスライディング、38分ゴメス選手が敦樹選手にアフター気味に接触、40分にはハイボールの競り合いで上原選手がマリウス選手の側頭部を肘打ちするなど、立て続けにラフプレーの連続となりました。

これまで、西村主審はカードを多く出さない傾向にありました。しかしこの試合、あの時間帯で荒くならないようにしっかりとイエローカードを提示して欲しかった。一歩間違えれば怪我人が続出してしまうのですから。また、40分のマリウス選手への肘打ちのシーンが見えてなかったり、56分にもペイショット選手がショルツ選手の足に勝手に乗って転倒しただけなのに、ショルツ選手がファールを取られショルツ選手が猛抗議したシーンなど、ミスジャッジと思われる事例が多くありました。審判にも運動量や動的視力の低下など、衰えはあるはず。これまで実績のある審判でありますが、現時点での自らの実力を判断し、進退を決することが必要な時期に来ているのではないかと感じました。

後半は得点後攻め込むも得点できずドロー

後半も浦和の流れで試合が進みます。

46分、前田選手と敦樹選手のシュート、48分のサンタナ選手のシュートにつながるシーンは、ゴール前まで運んでから、サイドチェンジをして相手を振ってスペースを作り、シュートに繋げるいい攻撃ができていました。

54分の自陣でのボール奪取からの安居選手のクリアと思われたボールは、実はしっかりと翔哉選手のポジションを事前に把握していたと思われるワンタッチパス。そこから凌磨選手、前田選手、凌磨選手、敦樹選手、前田選手と繋ぎ、前田選手のクロスを受けたサンタナ選手がシュートするも川嶋選手に阻まれましたが、流れるような素晴らしい攻撃を見せてくれました。

また、59分に安居選手の縦パスを凌磨選手、敦樹選手、前田選手とワンタッチで繋いで前田選手のクロスをサンタナ選手がヘディングシュート。素晴らしい攻撃を展開しています。

チャンスは作るも、流れの中でゴールを破れない浦和。それならばということで、67分に翔哉選手のコーナーキックをマリウス選手が見事な足裏でのゴールを決め先制します。

しかし、やっとゴールが入ったことが原因だったのか?この直後、磐田の選手交代が原因だったのか?わかりませんが、翔哉選手のボールロストとその後のプレス強度が弱かったことを引き金に失点。同点となってしまいます。

圧倒的に支配していただけに、是が非でも勝ち点3をもぎ取りたい浦和。ゴール裏は、もう圧倒的な声量で選手を後押しし続けます。正直ここからの20分は今シーズンで一番きつかった。それほど声を張り上げましたし、腹筋が切れるのではないかと思うほどでした。

それからは段々とスペースが生まれ、お互いにチャンスが生まれるオープンな展開になっていきます。しかしながら選手たちの必死のプレーも実らずタイムアップ、ドローという結果に終わりました。

印象的だった選手たち

圧倒的運動量!鬼神の走り! 安居選手

この試合での安居選手の際立った部分は圧倒的な運動量とスプリント。特に、後半失点してからの70分過ぎ、選手たちがスタミナが苦しくなる時間帯に圧倒的な存在感と勝つんだという気概を感じました。

75分、左サイドに出たボールをドリブルで運ぶ凌磨選手を全速力で追い抜いてポケットに侵入し、ボールを受けてキープするシーン。感動的でした。

85分、こぼれ球に走り込んで、ワントラップでシュート。

92分、ブック選手の持ち上がりを、右サイドを駆け上がってボールを受けようとして届かなかったシーン。これもまた感動的でした。

もうまさに、鬼神の走りと言えるほどの素晴らしい運動量でした。

またそれ以外にも、グスタ選手のようなウイングの選手へのフィードや積極的な縦パス、グスタ選手を上回る安心感のあるプレスバックと素晴らしいプレーの連続でした。

グスタ選手、岩尾選手が明らかにウカウカできないほどのパフォーマンスを見せてくれています。

相手の荒いプレーに耐えつつ見事なゴール! マリウス選手

前半の終盤に肘打ちを受けるなど、相手の荒いプレーに耐えていたマリウス選手。

そんな中、翔哉選手のファーを狙ったコーナーキックを、相手選手の後ろから侵入して足裏で技ありのゴールを決めてくれました。まさにフォワードの選手のような動きでしたね。

セットプレーでマリウス選手が得点を決めてくれるようになってくると、この試合のような膠着した試合で攻撃の切り札になります。これからも期待しています。

インサイドハーフの活躍光る 凌磨&敦樹選手

前節からの凌磨選手のゴールのシーンから、凌磨選手、敦樹選手のインサイドハーフの2人が、攻撃の組み立ての中で相当輝いている気がします。

サイドチェンジ、ポケットへのドリブル、ワンタッチパスしてサイドへの展開、クロス、シュートと多彩なプレーを見せつつ、お互いの関係性も良くなって相乗効果を生み出している気がします。

凌磨選手は、その攻撃センスから、やはりインサイドハーフが最適ポジションだと感じます。サイドバックは、大畑選手固定で、パリオリンピック時期を見据えて宇賀神選手の起用と新サイドバックの補強で凌いでいきたいものです。

次の試合は、ルヴァン長崎戦

次は、5月22日(水)ルヴァンカップ長崎戦です。

中2日でアウエイが続くこの厳しい日程ですので、メンバーチェンジも視野に入ろうかと思います。しかし、長崎はJ2のチームではありますが、エジカル選手のようなJ1級の破壊力のある外国人選手も所属しており侮れない相手です。

苦しい戦いになると予想されますが、負けたら即終わりのカップ戦。そんな中でもしっかりと勝ち切る試合をしたいものです。

※なお、本記事の写真は、自分が撮影した写真以外は、浦和公式サイトの写真を引用させていただきました。

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