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春はまだまだ先!期待と不安のホーム開幕戦!【浦和レッズ観戦記 東京ヴェルディ戦】

春の訪れというより春の気配

ホーム開幕戦。期待と不安が混じり合います。初戦の広島戦を見た後もありなおさらです。

我々サポーターの期待を象徴するかのような、5万人越えのサポーターが駆けつけ、ほぼ満員という素晴らしい雰囲気の中、熱い戦いが繰り広げられました。

しかし不安は的中。終わってみて、この試合をどう表現したらいいのかな?なるだけポジティブな表現はないかな?と考えたときに、浮かんだのがこの言葉でした。

「春の訪れはまだまだ先だ」

三寒四温という言葉があるように、春が訪れる時期は暖かかったと思えば寒い日が続くというなんとも安定しない日々を過ごしながら、春に向かっていきます。まさにそんな印象をこの試合で感じました。

ポジティブな面を垣間見せつつも、全体的には相手の思うような試合展開に終始してしまったホーム開幕戦。春の気配をあっという間に通り越して、早く春まっ盛りになってくれないかなあと切に願います。

前半は攻めあぐんだ

ボールは持てるものの有効な攻撃につながらない

今シーズンはやはりアンカーのグスタ選手と、インサイドハーフの小泉選手、敦樹選手がどう、前線にボールを供給できるか?が重要なキーになってくると思います。

現在のJリーグのチームは、アンカーシステムを採用するチームに対しては、アンカーポジションの選手を徹底マークする傾向にあり、ビルドアップを阻止するための常套手段のようなものになっています。そういう意味で、今回の試合はグスタ選手のポジショニングやプレーに注目していました。

そんな流れを悟ってか、グスタ選手は、開幕戦の広島戦に比べて、相手ディフェンスを掻い潜るために、左の下がり目にポジションを取ったりしてかなり工夫をしていた気がします。

ヴェルディは、それほど前からプレスをかけてくる守備ではなかったので、浦和はボールを保持しやすい状況でした。グスタ選手が前向きにボールを持てれば前進することができ、インサイドハーフからウイングへとボールが繋がるシーンはいくつかありました。

25分には、マリウス選手からグスタ選手を経由して佳穂選手に渡り、松尾選手、凌磨選手のセンタリングに繋がったシーンは、中盤の2人がうまく前線にボールを供給したシーンでした。

しかし、決定的なチャンスにはつながらず、ウイングの選手がいい形で勝負できるシーンや、サンタナ選手へ精度の高いクロスが供給できたシーンは見られませんでした。シュートと言えば、20分に松尾選手がルーズボールを掻っ攫ってシュートしたくらいでした。明らかに攻めあぐんでいました。

そんな中、前節と同じ時間帯の前半41分に、何度となくコーナーキックが続き、ついにヴェルディに先制されてしまいます。またも良くない時間帯の失点でした。

後半は攻勢を強めるが

後半立ち上がりから前線からハイプレス

そんな嫌な流れを断ち切ろうと、後半立ち上がりから前線からのプレスを積極的に行こうという姿勢が見えてきました。関根選手が左インサイドハーフ、佳穂選手が右ウイングの位置へとポジションを変えて、攻撃を活性化させていました。関根選手のプレスが全体を押し上げていた気がします。

49分は、ディフェンスラインも高い位置を取って、完全に相手を押し込み、コンパクトな形で攻撃を展開。酒井選手も上がってポケットを取り、そこにグスタ選手の見事なスルーパスが通って、酒井選手のセンタリングに、サンタナ選手がヘディングシュート。惜しくも相手ディフェンダーにクリアされましたが、よい形の攻撃が見えてきました。サンタナ選手に加えて、敦樹選手、松尾選手も詰めていて、コンパクトで厚みのある攻撃ができていたと思います。

岩尾、大畑、中島選手が浦和の攻撃をブーストアップ

60分、サンタナ選手、関根選手、佳穂選手に代わり、興梠選手、岩尾選手、大畑選手を投入。凌磨選手が右サイドハーフへ。

この交代で、岩尾選手が前線の起点になり、大畑選手が追い越して、ガシガシ相手ゴールライン際まで進入していきます。

岩尾選手が入ると、グスタ選手との距離感というか関係性がよくなりますね。74分のシーンのように2人の組み合わせで前進できています。76分のシーンのように、グスタ選手が前に出ると岩尾選手がアンカーポジションを務めるようなシーンもありました。岩尾選手の視野の広い気の利いたプレーが目立ちました。

さらに、72分、松尾選手に代えて中島選手を投入し、畳みかけます。

中島選手は、これまでの鬱憤の溜まった状況を打破するような素晴らしいプレーの連続でした。79分のクイックフェイントからの絶妙なセンタリング、80分にはポジション固定なんてなんのその、左ウィングの位置から右ウイングの位置へ移動し躍動します。そして、86分のスルーパスで、大畑選手の決定機を演出したシーン。その後の鋭いセンタリングの興梠選手のヘディングのこぼれを大畑選手がPKをもらったシーン。94分、2人に囲まれながらもドリブルでキープし、追い越した大畑選手にスルーパス。明らかに攻撃が円滑になった感じがしました。

81分、最後の交代は、グスタ選手に代えて利樹選手を投入。4-3-3から4-4-2にしてさらに畳み掛けます。この去年の形がうまくいくようになるのです。ヴェルディの選手の疲労も相まって。

86分の大畑選手が得たPKを、ショルツ選手が確実に決めて同点。なんとか勝ち点1を取ることができた試合でした。

試合終了後に挨拶に来たショルツ選手。この日本人のような深々としたお辞儀に素晴らしいと感じるとともに、彼の申し訳なさも伝わってきました。

試合全体を通して

自分が不安を感じる部分

全体的な選手のポジショニングとしては、選手同士の距離感が広い。これが今年のスタイルなんですね。相手から離れて正確なボール回しで相手を掻い潜っていくためにはわかるのですが、どうしても個人技に頼った突破のみに終始してしまい、コンビネーションプレーで崩すというシーンが見えにくい。特にインサイドハーフの2人は、サイドに開きすぎで、ウイングやサイドバック寄りなのが気になります。そのためで、サンタナ選手が孤立して周りのサポートが足りなくなり、サンタナ選手のストレスを貯める結果になってしまっていると思います。

また、その距離感のあるポジショニングは、パッと見て不安を感じるんですね。攻め切ってしまえばいいのですが、ボールを取られた後のネガティブトランジションが遅いと、あっという間に失点してしまいそう。昨年の圧縮したコンパクトなディフェンスの記憶からすると、不安を感じざるを得ません。去年後半にやられていた、自陣でボールロストしてサイドチェンジされてカウンターにやられるようなシーンに対して、明らかに弱くなっている気がします。

そして心配だったのが、佳穂選手がマリウス選手からボールを受けようと要求しているのに、マリウス選手がパスを出さないシーンが何度か会ったこと。北ゴール裏のマリウス選手の背中の位置から見ていたのですが、明らかにクリアなパスコースが見えていたのに。グスタ選手を見すぎていたのか?消極的なのか?要因はわかりませんが、積極性を見せて欲しかったと感じました。そうすれば、もう少し流れが変わったのではないかと感じました。

打開策は?

自分が考えるに、やはり後半の選手交代が今後のヒントになるのではないかと思います。

岩尾選手とグスタ選手の同時起用

前節でもいったように、岩尾選手とグスタ選手をスタメンで同時起用することが、今の閉塞感を打ち破る方法なのではないかと思います。

この試合でも、岩尾選手は、左インサイドハーフで、前線で受けてサイドに供給したりと攻撃のアクションになっていました。またポケットの位置に積極的に進入するシーンも見られました。そしてグスタ選手が前進すれば、アンカーのポジションに下がってポジションを埋めるなど、スムーズな連携を見せていたと思います。

グスタ選手がインサイドハーフの位置に上がれば、精度の高いスルーパスを何回か通していましたし、チャンスクリエイトできていました。

この2人の同時起用により、攻撃面でも、守備面でもハイレベルに補完し合える関係性が出来上がります。それにより、試合中、各々のポジションを変えながら、相手を撹乱しマークを外すことができるのではないか?と思うんです。

中島選手のインサイドハーフでのスタメン起用

今回のプレーは、この試合で見せてくれた中島選手のイマジネーションあふれるプレー、アジリティの高いプレーは、彼の才能が頭抜けていることを証明しています。また、昨年夏に加入した時点から考えると格段にコンディションが上がっているように見えます。

確かにポジションを自由に変えていくプレーが、監督の戦術に合わないのかもしれません。しかし、インサイドハーフとして、大畑選手に絶妙なスルーパスを提供するなど、しっかりと役割は果たしていると思います。

中島選手をスタメンで使わない手はないんじゃないでしょうか?中島選手をスタメンインサイドハーフにして彼の個性が十分に発揮することが、攻撃力のかなりのこれも現状打破の特効薬だと思うんです。

監督が上手に起用して欲しいものです。器の大きさを見せて欲しい。

印象的だった選手たち

素晴らしい選手だ!! 凌磨選手

「うまい!!素晴らしい選手だ!」これが、この試合で初めて彼を浦和の選手として生で見た感想でした。

彼のプレーを挙げてみると、

・2分、佳穂選手とのワンツーで進出してシュートチャンスもあったが松尾選手にスルーパス。
・19分、左サイドを持ち上がりつつ、前線の松尾選手にスルーパス。
・25分、松尾選手を追い越して、松尾選手からのパスを受け、クロス。
・28分、左サイドライン、センターラインあたりの位置で、グスタ選手からボールを受け、右足アウトサイドで外から巻くように松尾選手にスルーパス。
・32分、定位置から、インサイドハーフの佳穂選手にドンピシャのハイボールを供給。
・36分、コーナーキック崩れで、右サイドにポジショニングしていて、クロスを上げる。
・51分、マリウス選手からのボールをワンタッチで、裏の関根選手へスルーパス。

北ゴール裏の凌磨選手の真後ろの位置で見ていたので、2分、19分、28分の彼の放つ見事な縦のスルーパスには感動しました。後半の51分のスルーパスも圧巻でした。

突然の右ウィングへのポジションチェンジで、練習不足で馴染んでいない印象でしたが、このポジションで慣れてきた凌磨選手を早く見たいですね。

試合後に上がっていたこちらの記事(【浦和】渡邊凌磨が夢をかなえた「埼スタデビュー」に喜びと悲しみ。「まだまだできるって思ってるんで」)にグッとくるものがありましたが、まだまだ始まったばっかり。これから才能あふれるプレーをたくさん見せてくれることを期待しています。

思い切り良くなった!!大畑選手

押し込んだ状態であったことから、守備面での評価はできないかなと思うのですが、左サイドバックとしての前線への飛び出し、攻撃力は素晴らしいものがありました。

なんといっても思い切りがいい!!パリ五輪に向けてコンディションを上げていかなければならない時期ですし、レギュラー奪取に向けて、若者らしく思い切りのいいプレーを見せてくれているのはすごく好印象。昨年はどうしちゃったんだろうというくらいのパフォーマンスでしたが、今年は大畑選手の本領を発揮して、浦和のためにも、オリンピック代表のためにも、良い年にして欲しいと思います。

次の試合は、札幌戦

次は、3月10日(日)アウエイ札幌戦です。

ついこの前、アウエーで札幌戦やったばっかりな印象ですが、3ヶ月経っていますね。札幌は、怪我人が多く出場停止もいるようです。次の試合こそ、しっかり勝ってそろそろ勢いをつけ始めていかないと、優勝なんておぼつかなくなりますからね。大事な試合です。!!

※なお、本記事の写真で、自分で撮影した写真以外は、浦和公式サイトの写真を引用させていただきました。

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