前節の悔しい敗戦を払拭したい試合
前節、名古屋に予想もしなかった試合内容で逆転負け。正直、思い出したくもない試合となってしまいました。
今節の対戦相手は、セレッソ大阪。ここ最近勝っていない苦手とも言える相手ですが、前節の悔しい敗戦を払拭して、スッキリ勝って欲しい試合でした。
内容的には打ち合い上等の試合展開となりました。しかしゴールを破れず、スコアレスドロー、痛み分けという結果となりました。勝ちたかったー！というのが正直な感想です。
試合を通して
相手に簡単にビルドアップさせてしまう両チーム
試合開始早々から、両チームとも似ている試合展開をしているなと思いました。
ボールを持った相手に対して簡単にビルドアップさせてしまい、あっという間に攻め込まれて守り続けるという展開をお互い交互に繰り返していました。
原因は、前線でのプレスがうまくないとも言えますし、ボランチを筆頭にボールの受け手が上手だったとも言えます。その傾向は、両チームとも似通っていたと思います。
特に、セレッソの前線のハイプレスは上手くなかったですね。簡単にかわせて、グスタ選手や安居選手がボールを受けていましたから。
そのせいで、お互い、ボールを握るとあっという間に相手ゴールに迫るスリリングな展開が繰り広げられます。見てる分にはハラハラドキドキの展開が続いていきます。
前半からセレッソの奥田選手が厄介だった
前半は五分五分の展開で、30分過ぎから浦和ペースという展開でした。
前半から厄介だと思っていたのが、セレッソの右サイドバックの奥田選手でした。彼には、昨年のアウエイ戦で、J初ゴールを決められた苦い記憶があります。
その彼が、試合開始早々から高い位置を取って、相当な頻度でビルドアップの出口になり、セレッソ全体を押し上げることにつなげていました。前線では、ルーカス・フェルナンデス選手と息のあったコンビネーションでチャンスを作り、浦和を押し込みます。
彼がどうしてこんなに高いポジションを取れるのかと考えてみると、やはり、サビオ選手の守備の圧力が弱いんだなと思っていました。
すると24分、金子選手がファールを受けプレーが止まったタイミングで、凌磨選手がピッチ脇のマチェイ監督と話し合いをしていました。プレーが再開されると、サビオ選手と凌磨選手が入れ替わり、凌磨選手が奥田選手と対峙して守備をするようになったのです。きっと、彼は奥田選手のプレーがセレッソのキーになっていることに気づいていたんです。
この凌磨選手の機転の効いたポジションチェンジにより、奥田選手は容易に高いポジションを取れなくなり、徐々に浦和ペースになっていきました。
30分過ぎから、浦和が分厚い攻撃を展開し始めます。浦和らしいしっかりとしたビルドアップから、39分のグスタ選手、42分の松尾選手、44分のサビオ選手とシュートを放ちますが、ゴールには至りませんでした。
後半は交代選手で明暗が別れた
後半も立ち上がりから浦和ペース。セレッソはハイプレスを強めてくるものの、落ち着いてボールを回す浦和は、容易にビルドアップしていきます。
しかし、押し込みながら優位にゲームを進めるも、ゴールには至らず。しかし、流れはいいので、このままの展開ならゴールが決まるだろうとも思っていました。しかし、そう簡単にはいきませんでした。
流れが変わるポイントとなったのは、57分のセレッソの選手交代と、65分の浦和の選手交代にあると思います。
57分に投入された、セレッソの北野選手と阪田選手。この2人がセレッソの攻撃を完全にシフトアップさせました。
3月のアウエー戦で、彼にやられた試合と言っても過言ではないほどの活躍を見せた北野選手。その印象が強く残っていました。ザルツブルグに移籍するとのことで、当然だよなと思う選手です。その彼が投入されるや否や、明らかに円滑になっていきます。全体がワンタッチでボールを回す頻度も上がっていきます。浦和は容易にパスカットできない状況に陥り、段々と引いていきます。
また、阪田選手の左サイドの突破は疲労が濃くなる終盤には厄介なものでした。
65分には、浦和はサビオ選手に代えてサンタナ選手を投入しました。この交代が、セレッソの攻撃をさらに加速させてしまうことになったのです。
サンタナ選手個人のコンディションはまだまだだということは、しょうがないと思います。試合に出続けてあげていくしかありません。
問題は、交代後のポジショニングだと思います。サンタナ選手はトップの位置に入りましたが、凌磨選手をトップ下へ、松尾選手を左ウイングへとポジション変更したのです。これはまずいと思いました。失敗だったと思います。なぜなら、あの奥田選手が息を吹き返してしまったからです。終盤、彼はほとんど前線にいましたし、危ないシュートまで放っていました。
74分に、グスタ選手、金子選手に代えて、松本選手、大久保選手を投入します。この試合すごく効いていた2人を同時に交代させてしまうことで、ビルドアップに問題が起き始めます。
79分に、松尾選手、長沼選手に代えて、関根選手、荻原選手を投入します。左ウイングを関根選手にして、奥田選手に対峙させますが、もう時すでに遅し。セレッソの勢いを止めることができず、全くと言って防戦一方になっていきます。
浦和は、ポストに2本助けられ、西川選手のスーパーセーブで辛くも失点せず。逆にセレッソも、80分の大久保選手のシュートをクロスバーに助けてもらいます。お互い攻め込みながら痛み分けという結果になりました。
印象的だった選手
存在感抜群だった グスタ選手
最近時のグスタ選手は、どんどん存在感を高めている気がします。
これまでのグスタ選手は、ビルドアップの安定感や、サイドチェンジなどの展開力が特徴でした。最近の彼はそれに加えて、明らかに攻撃参加と即時奪回の守備の意識が格段に上がったと思います。この試合でも、39分にシュートを放ちましたし、43分、44分には、ボールロスト後にボールホルダーにアタックして、ボールカットさせて見せます。
またこの試合で特に感じたのは、安居選手との関係性に円熟味が見えてきたこと。2人の間でのパス交換が多くなってきましたし、そこからテンポを上げて展開していくシーンも見られました。また、縦だったり、横だったりもありますが、近すぎず遠すぎずのポジショニングが絶妙でした。
14分にみせた、安居選手のミドルシュートをお膳立てした、振り返っての胸トラップは、安居選手との関係性の良さを証明したプレーでした。
明らかにワンランク上がった 安居選手
その見事なミドルシュートを放った安居選手。最近の、試合前の練習を見る限り、見事なミドルシュートをバンバン決めていますので、いつかは見れるなとは思っていました。
この試合で、進化が見られたプレーとしては、ビルドアップ時の西川選手やボザ選手のボールを、安居選手が正面で受けて後ろ向きにワンタッチパスするプレーでした。
54分に見せたそのプレーは、明らかに攻撃チャンスをもたらしていましたし、その後にボールロストするも、即時奪回も見せてくれました。
セレッソの攻撃に晒されていた80分にも、安居選手のワンタッチプレーから押し返して、大久保選手のクロスバーに当たったシュートにつながりました。
このプレーは明らかな武器です。磨きをどんどんかけていって欲しいと思います。
攻撃の存在感が増してきた 金子選手
金子選手の鋭いクロスがこれまでより増えてきました。そして、サイドでボールを持って勝負するシーンが増えてきた気がします。また、裏を狙って走り込むプレーも多く見られるようになってきました。
コンディションが上がってきたことが伺えます。また、同ポジションの大久保選手も好調なため、底上げされている気がします。
これから、シュートの積極性を見せてくれるようになったら、もっと怖い選手になっていくと思います。ぜひとも、思い切りよくシュートの本数を増やして欲しいと思います。
見応えあったアンドラーデ選手とのバトル 石原選手
アウエイ戦での見せたセレッソ左ウイングのアンドラーデ選手の突破は脅威でしたし、この試合での要注意人物でした。
その意味で、彼と対峙する石原選手とのバトルは見応えがありました。お互いイエローをもらい合う激しいバトルながら、安定して石原選手の方が勝っていたと思います。非常に頼しいプレーでした。
50分に、サビオ選手のクロスに、いつの間にかゴール前に進出していた石原選手がヘディングシュートを放ちます。惜しくもゴールにはなりませんでしたが、攻撃の積極性まで見せてくれる石原選手は、浦和にとって本当に欠かせない選手になったと感じます。
次の試合は、ホーム 横浜FC戦
次は、6月1日（日） ホーム 横浜FC 戦です。
クラブワールドカップ前、最後の公式戦となります。相手がどうこうというよりも、勝って気持ちよくクラブW杯に向かいたいとチーム、サポーター全員が思っていると思います。明日も、精一杯声を張り上げてサポートしていきたいと思います。
※なお、本記事の写真で自分が撮った写真以外は、浦和公式サイトの写真を引用させていただきました。
