優勝を目指すなら勝たないといけない今節の対戦
前節のセレッソ戦は、前半セレッソにいいようにやられるも、終盤追いついてのドローという結果でした。内容的にはやられてしまった感がありました。
もう一度戦い方を整理した上で、再度自分らしいサッカーを盤石なものとすることが大事だなと思いました。
今節は、昇格組の清水エスパルスとの対戦。これまでのサポーター間の因縁含めて、流石にこのチームには勝ちたいところ。優勝を目指し首位との勝ち点差を離されないためにも勝利が必須の試合でした。
結果的には、複数得点をゲットして、終盤清水の猛攻を凌ぎなんとか逃げ切り、2勝目を上げることができました。
試合全体を通して
守備はミドルブロックというよりローブロックになっていた
この試合は、前節のセレッソ戦の反省からか?不用意なハイプレスをしない守り方をしていました。それ自体は好印象でした。
しかしながら、鹿島戦のミドルブロックというわけではありませんでした。前半3分の凌磨選手の先制点の後、なぜだか守備的になりローブロックになっていきます。また、後半、清水の交代選手が投入された後に前線からのハイプレスが激しくなって、最終ラインがずるずると下がってしまいローブロックの守備のシーンが多くなりました。
マイボールになっても最終ラインがハッキリとハイラインにすることができなかったことが原因のように思えました。
70分まではしっかりと我慢してビルドアップしていましたが、その後は西川選手がゴールキックを多用するようになり、より一層自陣に引き、80分過ぎには6バックで守るようになっていきました。
マリウス選手を始めとする最終ラインがハイラインを心がけることが、今後の課題のような気がします。
ビルドアップのトライはしっかりできていた
セレッソ戦は、ビルドアップを放棄するような西川選手のゴールキックの蹴り込みが多く見られました。
しかし、この試合ではしっかりと我慢してビルドアップを行なっていました。
この試合では、ダブルボランチの凌磨選手か安居選手のいずれかが最終ラインに下がって、ビルドアップを助ける、ダウン3(実況の桑原さんが言っていました)を多用していました。前半は、6分、13分、20分、34分、37分、42分と多く見られました。
また凌磨選手は、左に開いてボールを受けたり、右サイドの石原選手に対して高めのポジションを取ってビルドアップに出口になるように指示するなど、本当にビルドアップの中心になっていました。そして、裏へのロングフィードをも狙っていました。40分、49分と松尾選手目がけたロングフィードは見事でした。いづれも、グスタ選手のプレーぶりから学んで進化したのではないかと思わせる素晴らしいプレーでした。
そして、鹿島で顕著だった、サイドを経由したビルドアップも何度かトライ。42分の右サイドの石原選手を起点に、サビオ選手、松本選手と繋ぎ、中央のサンタナ選手へと渡って、少しキープしながらも前のサビオ選手にスルーパス。惜しくも、シュートはできませんでしたが流れるような攻撃でした。
70分くらいまではしっかりと繋いでビルドアップするシーンが多く、良かったと思います。やはり、相手がハイプレスのチームだとしても、我慢して勇気を持ってビルドアップすることは、チームのリズムを作る上で大事だなと思います。
少しずつではあるが攻撃が噛み合ってきた
まだまだ、前線の組み合わせの最適解が見えてないところではあります。しかしながら、徐々に選手間の関係性が向上して、攻撃が噛み合ってきている印象があります。
サンタナ選手とサビオ選手の関係性、サビオ選手の左右のポジションチェンジ、松尾選手のサイドの突破や中央での気が利いたプレー、凌磨選手の上がりなど。
厚みのあるテンポのいい攻撃がところどころに見れるようになってきました。これは本当にいい兆しだと思います。
交代選手が入るとシフトダウンしてしまうのは改善要
しかしながら、終盤の戦い方はまだまだ課題が残るものであったと言えます。
この試合の70分過ぎ、交代選手を投入していくも清水の圧力を押し返すことができず、防戦一方になっていきます。
71分に、サビオ選手、松尾選手に代えて、グスタ選手、関根選手を投入。
2点リードして残り約20分。ここから、西川選手がビルドアップせず、ゴールキックを蹴り出します。これは決まり事だったのか?わかりませんが、結局ボールロストするようになっていき、押し込まれていきます。明らかに清水のコーナーキックが増えていきました。
76分に凌磨選手、松本選手に代えて、元気選手、大久保選手を投入。
そこからは6バックになっているシーンもあって、より一層最終ラインに張り付くようになっていきます。
78分には清水 矢島選手のコーナーキックを高木選手が見事なヘディングを決めて1点差になります。
その後も乾選手や松崎選手の決定機など、危ないシーンが多くありましたが、なんとか守り切りました。
終盤の戦い方、改善要です。


清水は強かった!レギュラーがスタメンだったら、、、
正直、清水は強かった。
特に前線のハイプレスが脅威でした。浦和がズルズル下がっていったのも、それが要因だと思います。
そして、後半投入されたレギュラー組と思われる前線の3人、北川選手、乾選手、松崎選手。この3人の投入で、一気に押し込まれました。彼らが、前半からプレーしていたら?と考えると、さらに厳しい試合になっていたと感じました。
また、西原選手と高木選手という若い2人の選手が印象的でした。西原選手は、左サイドでサイドバックの吉田選手との関係性がよく、サビオ選手と石原選手の守備を難しくしていました。また、高木選手は上背がないながら、3バックの左で素晴らしい守備を見せていましたし、機を見て上がっていくのは本当に脅威でした。結局、高木選手に得点を奪われましたし、この若い2人は将来伸びる選手だなと感じました。
勝つことが何より大事だ!
課題はあったにせよ、内容はどうであれ、勝つこと、勝ち切ることが今は大事。勝ち続けることで、ポジティブスパイラルでチームがいい方向に熟成されていきます。
そういう意味では、この勝利は本当に価値のある1勝だったと思いました。

しかし、試合終了後の”王国浦和”コール。流石に言い過ぎだろうと恥ずかしく思いました。
印象的だった選手たち
ボランチとしての進化が著しい 凌磨選手
怪我をしてリハビリをしていたのに、いつの間にか進化している。この試合の凌磨選手を見て、ボランチとして、恐ろしい進化を遂げていると思いました。

利き足ではない左足でのスーパーミドルシュートは、もういうことはありません。スーパーゴールでした。
しかしながら、凌磨選手はそれだけではありません。先ほども書きましたが、ビルドアップの貢献や、前線へのロングフィード、厚みのある攻撃参加、セカンドボールをうまく体を入れてのボール奪取、危ないシーンを察知してのボールロスト後の即時奪回。
イメージ的には、グスタ選手と敦樹選手のプレーを1人でやっているような印象です。ハイレベルのプレーをする選手が何人いるの?と思うほどのプレーをこなす彼には、脱帽するしかありません。
怪我療養中に外から試合を見て、チームの課題とそれを解消するプレーをどうやってやるか?イメージできていたのかもしれません。そうだとしたら、本当にセンスの塊。
これまで以上に、彼が浦和にとって本当に重要な選手であろうことを証明した試合だったように感じました。
初ゴール、ここからがスタートだ! サビオ選手
サビオ選手は、これまでの試合、ボールを持つと自慢の推進力を見せ突進するシーンが多く見られました。しかし裏を返せば、周りとの関係性がうまくいってなかったことの表れかもしれません。
この試合では、周りとのコンビネーションが明らかに良くなってきたと感じました。
サンタナ選手、松尾選手、松本選手、石原選手。特にサンタナ選手や松尾選手との距離感が良く、スルーパスやワンツーなどのコンビネーションがよく見られました。
そして、この試合2点目、彼自身今季初、埼スタ初ゴールとなるスーパーボレーを決めて見せます。スタジアムではどういう弾道で入ったのかわかりませんでしたが、DAZNで確認したら、あの角度のないところをボレーで決める技術力、半端ないと思いました。
ゴール後の周りの選手たちのセレブレーションで、どれだけ周りが期待していて、喜んでいるかがよくわかりました。

この勢いで調子を上げて、毎試合複数得点が取れる攻撃陣の中心として活躍してほしいとお思います。
らしさが戻ってきた 松尾選手
今季、腰の手術から復帰の松尾選手。徐々に出場時間を伸ばしています。この試合は、スタメンで左ウイングでプレー。
徐々に松尾選手らしい、スピードのあるドリブルが随所に見られるようになりました。また、サンタナ選手とのコンビネーションも上がってきて、段々と欠かせない選手になってきました。
後半は、サンタナ選手と2トップとなりましたが、中央で下がって安居選手の縦パスを落とし、凌磨選手を前向きにプレーさせるなど、攻撃の組み立てにも積極的に参加していました。コンディションが戻ってきて、松尾選手らしさが戻ってきたなと感じました。

守備の安定が光った 石原選手
マチェイ監督は、前節の開始早々の失点に対して、今節の右サイドバックは、関根選手ではなく石原選手を起用してきました。
石原選手は、本職のサイドバックということもあって、守備の安定感が光りました。対峙する、吉田選手、西原選手にはやや手を焼いたものの、危ないシーンは少なかったと思います。
攻撃面では、タイミングよく前線に駆け上がって、サビオ選手の初ゴールをお膳立てするクロスボールを蹴り込むなどしっかりと貢献していました。
終了間際のカピシャーバ選手との競り合いは気持ちが入っていて素晴らしかったですね。浦和サポが大好物の魂の叫びでした。

次の試合は、アウエイ 福岡戦
次は、4月6日(日) アビスパ福岡戦です。
今年は、帰省と併せての参戦は見送りましたが、今回こそは、紺野選手を完封して、勝ち切ってくれると願っています。
※なお、本記事の写真は、自分が撮影した写真以外は、浦和公式サイトの写真を引用させていただきました。