開幕戦のパフォーマンスを継続できるのか?
いい試合ができた後は、どうしたの?という試合をするのがここ数年の浦和レッズ。
サポーターとしてみれば、開幕戦で内容のある試合ができているからと言ってそれが継続できるのか?というとそうでないことは重々わかっています。
昨年に続いてこの冬の大型補強で、新加入選手が多く加入したこともあります。プレシーズン合宿がうまくいったからと言っても、選手間の感覚のズレを合わせていくのにはもっともっと時間がかかります。
そんなことを踏まえ、今節の京都戦で開幕戦と同じようなパフォーマンスを発揮できるのか?注目の一戦でした。
試合全体を通して
一言で言うと、「京都に運動量で上回れてしまい、浦和が開幕戦の神戸の立場になってしまった」と思いました。
京都のハイプレスは強烈だった
昨年の京都戦を思い起こすと、ここまでハイプレスだったかといえばそうではなかったと思います。
しかし、京都は開幕戦で岡山に完敗してのホーム開幕戦。曹貴裁監督が気合を注入しないわけはありません。まさにその通りの試合になってしまいました。
前線の3トップとそれに連動する中盤の選手の効果的なハイプレスに、浦和はうまくビルドアップできない状態が続きます。
しかしながら、京都の選手はあまりにも勢いよくプレスをかけるので、浦和の選手が交わすと、勢い余って膝から当たってしまい、浦和の選手が痛むシーンが多くありました。しかも審判が適切にファールを取らない。京都の選手及び審判には苦言を呈したいと思います。
そうは言いながらも、京都の選手のハイプレスは見事なものでした。後半に入るとガクンと運動量は落ちるはずだと予想していましたが、70分過ぎまで持続していましたし、そこから交代選手の投入で持ち直していました。曹貴裁サッカーらしい素晴らしい運動量だったと思います。
京都の選手の中で一人あげるとするならば、原選手が印象的でした。190cmオーバーのタワー系フォワードだと思っていましたが、この試合では左サイドのウイングで見事なハイプレスを披露していました。斜めのチェイスが効果的で、時には西川選手までプレスをかけるシーンがあり、浦和にとっては脅威でした。加えて特筆すべきなのが空中戦。後方からのフィードからの浦和の2センターバックとの競り合いにことごとく勝ち、京都のチャンスを何度となく演出していました。称賛に値するプレーだったと思います。
開始早々の凌磨選手の負傷交代が痛かった
そんな京都のハイプレスに苦しみながらも、たらればではありますが、凌磨選手が負傷交代しなければ、もう少しいい流れが掴めたのではないかと思います。
凌磨選手がグスタ選手に交代した時点で、試合前のゲームプランが明らかに崩れたのだと思います。凌磨選手なら相手との中盤のバトルで、全体を押し返すようなプレーができたと思います。
この試合は、グスタ選手向きの試合ではありませんでした。グスタ選手は後ろでボールを握ってビルドアップして前向きに前線に正確なフィードをするのが特徴。京都の運動量が落ちてきた終盤の時間帯になるまでそんなプレーを見ることができませんでした。それまでは、ずっと引いて守備に耐えるプレーが続いていました。

こういう相手に対してのビルドアップもこれからの課題として明らかになったと思います。
サイドチェンジの意識がもっと欲しかった
京都はボールサイドに人数をかけて、畳み込むようにボール奪取しようとして、浦和に自由をさせません。そして囲い込まれてボールを取られる。反対側サイドにサイドチェンジできれば、圧倒的なチャンスになる、特に、金子選手が手を挙げているシーンを幾度か見ることができましたが、なかなサイドチェンジできませんでした。
あれ?これって、浦和が神戸に対してやっていた戦術なんじゃないか?と思ってみていました。そうなのです。同じ戦術をよりハードにやられてしまったのです。
その意味で、選手たちはよりサイドチェンジすべきだったとわかっているはず。これも今後の課題として意識して欲しいと思いました。
70分以降、運動量の落ちた京都に畳み込みたかった
予想よりも随分遅く、やっと京都に運動量が落ち出したのが70分すぎ。グスタ選手も前向きにボールを持つ機会も増えてきて、浦和ペースになってきます。そこから怒涛の攻めで畳み掛けたかったところでした。
62分に、松本選手に代えて元気選手を投入。攻撃に活性化を図ったのですが、個人的には、松尾選手を先に投入して欲しかった。松尾選手は、84分に長倉選手とともに投入されましたが、いくつかチャンスを作っていました。そこが個人的には残念なところでした。
解説の方も言っていましたが、攻撃の連携という意味でまだまだ未成熟といった印象でした。中央にいる選手が、サイドからのクロスをあげる選手のタイミングをまだまだ熟知できていません。新加入選手が多く時間はかかるとは思いますが、個々の選手の能力が半端ないだけに、連携面での成熟によって攻撃力の爆発が期待できます。できるだけ早くそうなることを期待したいと思います。
印象的だった選手たち
コンディション良い サンタナ選手
前節の神戸戦ほどではありませんでしたが、サンタナ選手はフィジカルとメンタル両方で充実しているプレーを見せてくれました。
28分にマリウスからの裏へのロングフィードをうまくトラップして、ライン際でドリブルしたシーンを見てそう思いました。
またゴールシーンでも、抜け目なく相手のバックパスを狙ってゴールに繋げるあたり、コンディションの充実ぶりが伺えました。
今年のサンタナ選手はイケる!得点王を目指して爆発して欲しいと思いました。

圧巻なプレー 金子選手
金子選手が半端ないことが、この試合でよくわかりました。札幌やクロアチアのクラブでのプレー集は見ましたが、それをそのままこの試合で見せてくれた気がしました。
圧巻なのは、停止からの動き出しのスピード。久保建英選手と同等レベルに見えます。それだからこそ、相手選手は不用意に飛び込めません。しかも、わかっていても止められない、そんな雰囲気が金子選手にはあります。
29分に仕掛けたシーン、37分にグスタ選手らしいロングフィードを受けて荻原選手のシュートにつなげたり、53分、78分とに相手を置き去りにして突破したり。
また、アーリークロスや、金子選手からサビオ選手へのサイドチェンジと有効なプレーを何度となく見せてくれました。
金子選手が一対一を作れるようなシーンを作れるように、チーム全体として意識づけできれば、相当ゴールに結びつくのではないか?と感じました。

次の試合は、アウエイ湘南戦
次は、2月26日(水) 湘南ベルマーレ戦です。
湘南は開幕2連勝中。昨年の対戦でも2連敗といつの頃からか相性が悪くなってしまいました。しかも、京都と同じタイプ。
京都戦から中3日ですが、京都戦の課題をしっかり反省して、この試合に反映してほしいと思います。
※なお、本記事の写真は、浦和公式サイトの写真を引用させていただきました。