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暴動など2度と繰り返してはならない!!【浦和レッズ第三社委員会公開シンポジウムに参加してきました】

公開シンポジウムに参加してきました

2度とあってはならない、浦和の負の歴史。

昨年の天皇杯名古屋戦終了後の暴動事件はまさにこう言えると思います。

そして事件後に書いた記事に、

クラブ主催の公開討論会を開いて、クラブとサポーターたちがこういう問題について深く語り合いたい」

という提案をしていました。直接討論して意見をぶつけ合いたかったのです。

なぜ浦和をサポートしているか?暴動を起こした彼らに問いたい!【天皇杯名古屋戦後の暴動について】ちょうど一年前の今頃も残念な事件がありました 昨年のちょうど今頃、7月26日にこの記事を書きました。 https://cozy-...

かなり時間が経ってしまいましたが、先日、浦和レッズ主催の暴動に対する公開シンポジウムが開催されるという案内が来ました。なので、早速申し込んで、一昨日参加してきました。

しかし、残念ながら自分の思っていた内容とは違っていました。サポーター同士が語り合うわけではなく、

「客観性を持つ第三者委員会が浦和レッズに対する問題点を洗い出し改善方法を提案する」

ような会だったのです。それでも、まあ意味はあるなと思いプレゼンを聞いていました。

第三者委員会とは?

こちらが、視聴者に配られたパンフレット。

第三者委員会の趣旨としては、こちらに記載されている通り。浦和レッズに対する以下3つのテーマに沿った分析をしてくださったとのことでした。
①不適切行為の原因分析
②クラブが講じてきた対策についての評価と問題点の洗い出し
③今後の必要な対策についての提言検討

第三者委員会のメンバーの皆さんです。大学教授や元著名人の方、弁護士の方など、客観性を持ったメンバーが選出されていました。

第三者委員会のプレゼン後の個人的感想

納得した指摘

・ルール違反するサポーターに対して、クラブが毅然とした態度を取れていなかった。(個人的には、納得できない場合は、Jリーグやサッカー協会に対してもしっかり意見書を出すという意味での毅然とした態度も期待したい)

・クラブのガバナンス体制が不足していた。負の事態が発生した時の対応策のマニュアル化など。

・今浦和は変わるべきタイミングである。クラブとサポーターの関係性、サポーター自体の成熟化が大事だと感じた。そうしないと、浦和の輝かしい未来が変質し蝕まれていくから。

不足していた内容

・前提の問題だが、浦和レッズに対する提案のみで、Jリーグやサッカー協会に対するサポートの改善の必要性を提言してほしかった。クラブだけでは解決できない問題は多々あるはずなので。

・暴動を起こした要因はいくつか上がっていたが、「なぜ彼らがその感情を抑えられなかったのか」という本質的な深掘りが欲しかった。

・他クラブとの因縁部分の深掘りができていなかった。

第三者委員会のプレゼン内容

プレゼンの流れ

A,B,C,3チームに分かれて以下の内容をプレゼンしていく流れでした。

①不適切行為の原因分析  → Aチーム
②クラブが講じてきた対策についての評価と問題点の洗い出し → Bチーム
③今後の必要な対策についての提言検討 → Cチーム

Aチームプレゼン (松瀬氏、高橋氏)

トラブルの原因分析を行う担当として関係者のヒアリングを実施したそうです。総勢15名、総時間18時間。内訳は、トラブルを起こしたサポーター、止めに行ったサポーター、現場の警備者、レッズの選手、中学生だそうです。

ちなみに、問題を起こしたサポーターの何人かはシンポジウムに参加していたとのこと。心に響くことを祈ります。

このスライドで語られていた内容で、個人的に印象的だったのは、

名古屋サポーターの品位のない言葉たち。「早く帰れ」「かかってこいよ」「死ね」。最後の言葉は面と向かって言うような言葉か?と耳を疑いましたね。

・相手に舐められたら負けられない、売られたケンカは買う、レッズサポーター気質とまとめられていましたが、明らかに誤解ですね。ほとんどのサポーターはそんなことありません。一括りにされている表現に危険性を感じました。

因縁試合だったと一言で済まされていたことに違和感がありました。もっと深掘りして欲しかった。それまで、サポーターは、名古屋に対する不公平感を感じていました。名古屋スタジアムのアウエイ席の安全性の問題にJリーグなどからお咎めがなかったことなどについて。伏線は明らかにあったのです。それを毅然とした態度でJリーグに意見書を出したりしなかった浦和のクラブ対応にも問題はありましたが。曖昧な状態でサポーターの感情を燻らせていたことがあったと思います。

・サポーターのリーダーが行っていなかったので統率が取れていなかったと言うこともあったそうです。サポーターとは言え中心のサポーターは組織なのですから、その中で危機管理体制を真剣に考えるべきだと思いましたね。

次のプレゼンは、過去の事案を振り返って、傾向を分析した内容。

傾向としては、
・ホーム・アウエイは関係ない
・対戦相手による (結局因縁の相手が大きな要因なんです)
・近年増えている (コロナによる声出し規制やコミュニケーション不足の原因もあり)
・事案がなくなる時期と増加する時期がある。(サポーターの中に不満がマグマのようにたまるのではないか?)

この傾向は、肌感としてはすごくわかりやすいものでした。

これで思うのは、そのサポーターの不満や気持ちをコントロールすることが大事なんじゃないかなと思います。そのためには、
・サポーター自身が人間的に成熟、成長すること。
・クラブが、常にサポーターと良質のコミュニケーションを取る努力をすること。(討論会や、ヒアリング、SNSでの状況把握と感情コントロールなど)
が必要だったんじゃないかと感じました。

Bチームプレゼン(山本氏、ゼッターランド氏)

クラブが講じてきた対策についての評価と問題点の洗い出しを担当するBチーム。こちらも聞き取り調査を行ったそうです。

以降のプレゼンで、危険認識と対策についての検証がされています。

正直、因縁の相手、J1リーグのスペックを満たさないスタジアム、大敗と、前例を見ない最悪の状況が重なっていたとは言え、想定を超えた事象が起きてしまったのも確かだと思います。

指摘されていた「過去事例を含むチェックリストがなかった」ことも含めて、クラブ側の危機管理体制を見直すと言うことも大事になってくることを示していましたね。

次に、特性要因図で、事象が起きた要因を考えていっていました。これは、自動車会社など製造業で、量産後の商品の不具合が発生し、市場対応・対策をする必要がある場合に、本質的な要因を網羅的に解析する手法です。

残念ながら、最初の特性要因図の写真を撮りそびれてしまいました。

続いて、クラブからサポーターの対策ということで、ハード面はなくてソフト面に着目をするべきなのではないかということでのプレゼンがありました。

まさにそうなんです。ここを突っ込んで欲しかった。

色々と上がっていますが、本質的には、クラブはルール違反をするサポーターに対して、やはり毅然とした態度で接するべきだったと思います。これまで曖昧だったかなと思います。

また、ここにある、コアサポーターの集団としての自己統制能力の消失がある気がします。歴代のリーダーの引退、先輩から後輩への文化の継承、集団としてどう振る舞うべきかをメンバー全員で再認識する必要性があると思います。ここまで大きくなった集団の特に倫理的な統率を真剣に考えるべきだと思いますね。しっかりとうちうちで議論をしてほしいと思います。また、そのことが要因で、誤認識や越権行為事態が横行したこと。サポーターとしての立場を誤解していて、主役ではなくあくまで脇役であることの理解をもう一度するべきだと思います。

Cチームプレゼン(竹村氏、望月氏)

最後に、今後の必要な対策についての提言検討をするCチームのプレゼンです。

教育という言葉には正直違和感を感じました。クラブとサポーターは親子関係だとコメントされている方もいました。そんな意味で、ここで教育という言葉が使われているんだと思います。まだ人間的に未成熟なサポーターを教育する役割がクラブにはあるということなんですね。スポーツを通じて豊かな人間形成をするという話をよく聞きますが、そのスポーツを観戦するサポーターも同じことが言えるはずです。しかしスポーツ観戦はその勉強の題材でしかない、クラブに教わらなくてもそこで繰り広げられる状況において、サポーター自身が自ら気づき学ぶべきものだと思うんです。

啓発という言葉ならわかるんです。その意味合いでは、自分としてはこんなことを提案したいです。
・影響力、説得力のあるOBや選手などに協力してもらって、浦和の目指す姿や今回の事案に関するサポーターへ啓発動画を定期的にYOUTUBEなどで配信し、サポーターに考える機会を創出する。
・未来の浦和レッズのあるべき姿という内容で、サポーターの研修会というか討論会を定期的に開催して、そこでサポーターそれぞれが自らの考えをぶつける。言葉にして、それが自分ごとになってくると、あるべき姿を実現するためにはどうやったらいいかを真剣に考えるようになる。そうすると壮大な目標に対して、今回の事件のようなちっぽけないざこざが気にならなくなる。そんな気がします。

制裁制度は、抑止力として強化すべきだと思います。また、クラブのガバナンスについても工数がかかる仕事にはなりますが、クラブとしてしっかりと整備して強固かつ盤石かつ毅然とした態度の取れる会社となって欲しいと思います。

結局、ビジタースタジアムでの対応が難しいですよね。環境面で言うと、今回みたいなJ1リーグレベルを開催するに値しないスタジアムを選定しないルールを作るのがまず最初にやるべきことかなと思います。

この中でいいなと思ったのが、クラブへ課された制裁の影響や経済的損失を数値化、可視化すると言うもの。どれだけの迷惑をかけたかがはっきりするいい取り組みだと思いました。

制裁規定、懲罰規定は、Jリーグのものがあったので、それを使用していたと認識しています。結局、今回の事案含めて今の浦和にはそれも不十分だったと言うことですね。そう言う意味で、それらを見直し、オリジナルかつ厳罰化することで、クラブが毅然とした態度を取ることが重要かと思います。

スタジアムでのリスクマネジメントに関しては、浦和の主管でない天皇杯やアウエイゲームで、安全安心を守る役責が浦和にあるのかはいまだに疑問で、Jリーグとその辺りの議論をしっかりしてほしいと思います。まあそうだとと言うのであれば、リーチングアウトして、主体的に安全安心を守る施策を強化していくしかないですね。

この内容は同意します。

最後にプレゼンされた、望月氏のお話が自分には刺さりました。本当におっしゃる通りだと思います。浦和レッズのホームページの書き起こしから引用させていただきます。

最後に発言の機会を与えられた私は、ファン・サポーターに1点だけ訴えます。『ルールを守って、チームの勝利を目指す。』これをファン・サポーターとクラブの文化とすること。これを宣言して実行しませんか。

レッズはこれまでも『SPORTS FOR PEACE!』プロジェクト、サポーターミーティングの開催などで、スポーツはルールある戦いであることを共有しようと試みてきました。クラブの力不足もあり、残念ながら全てのサポーターに正しく理解されるには至らないまま、今回の問題になってしまいました。

フィールドに降りてはいけないということはみんなが知っている。しかし、やられたらやり返す。売られた喧嘩なんだから行ってやる。そういう場面になるとフィールドに降りてしまう。そういう一部サポーターの価値観。(中略)売られた喧嘩、なめられたという場面では、ルールを守らない行動が許容される。これが浦和レッズサポーターだという認識は正しいでしょうか。

これが今回の問題の根幹だと考えています。レッズを勝たせるためにはどうすればいいのかと考えるのが本来のサポーターです。レッズを勝たせるために、サポーターが自らの気持ちをコントロールすることがどれだけ大事なのか。

ファン・サポーターのみなさん、一緒に考え、行動しませんか。レッズサポーターは、これまでも問題を自ら解決した経験があります。かつてサポーターによるピッチへの物の投げ込みが問題になりました。今はそんな行動は見られません。どうしてか。サポーターの間で、ピッチへの物の投げ込みは選手に対する裏切り行為だという認識が共有化され、自らを律したからです。レッズサポーターは自ら問題を克服した成功体験を持っています。今回の問題も必ず克服できると信じています。

ルールを守って、チームの勝利を目指す。これをファン・サポーターとクラブの共通の文化として、共にレッズの勝利を目指しましょう。

暴動を起こし、このシンポジウムに出席したサポーターにこの言葉が届いたことを切に願います。

指定発言者 阿部勇樹氏のスピーチ

指定発言者ということでプログラムには匿名だったのですが、実際に紹介され登場したのが、阿部勇樹氏。浦和のレジェンドです。これがまさに、先ほど言ったサポーターに啓発する最大の近道だと思いました。

紙を見ずに、まさに心がこもったスピーチだったので、ちょっとうるっくるぐらい心に響きました。まさに肉声でした。浦和レッズのホームページの書き起こしから全文引用させていただきます。

「今ご紹介していただきました、指定発言者として参加させていただきます、阿部勇樹です。お願いします。今回の2023年8月2日のことに関して最初に聞いたときに思い出したのは、2014年の3月、横断幕の件があり、そのときは無観客試合を行いました。そのとき選手として感じたことは、誰もいないこのスタジアムでJリーグの試合をする。イメージはしていたけど、正直、ピッチに立って、普段やるトレーニングマッチなどで戦っているのかなという印象を持ちました。それと同時に、あらためて、常に多くのサポーターの方が一緒に闘ってくれている大きさを感じた無観客試合でした。

そして今回、天皇杯に出場できないという処分が下されました。この試合に負けてしまったっていうことももちろんあると思います。そして、その年の5月、ACL3度目の優勝を勝ち取りました。その結果もあり、サポーターのみなさんの期待も間違いなく大きかったと思います。その中で、敗戦はなかなか受け入れるのが難しかったんじゃないかなと思っています。

しかし、そういった問題、事案が起きたことによって、いろいろなところに影響、ダメージがあったと思います。チームに対しては経済的なダメージもあったと思います。選手への影響としては、やはり試合数が減るということは、もちろんJ1リーグがある、それだけ戦えばいい、ではなくて、浦和レッズには本当に多くの選手がいます。試合が数多くあると選手は日程的にきついかもしれませんが、若い選手の試合機会を確保するっていう意味では非常に重要な試合でした。それを考えると非常に選手にとってダメージは大きかったんじゃないかなと思っています。

そしてサポーターのみなさまにもダメージはあったと思います。日頃からこの愛する浦和レッズのチームを応援できない、その試合数が減ってしまうというのは少なからず思っていただけたんじゃないかなと思っています。

他のチームはどうか分かりません。個人の選手を応援して、その選手を引き続き、ということが多いのかもしれませんが、浦和レッズのサポーターの方は本当に浦和レッズが好きで、浦和レッズのために一緒に闘って応援してくれるという方が非常に多いと思っています。ですので、全体を考えると、みなさんが受けたダメージも本当に大きいと思います。

トップの試合、アカデミーの選手もそうですし、子どもたちは見られる機会を失ったとも思っています。アカデミーの選手からしたら、トップの選手は憧れの存在です。その機会が少なくなるのは非常に残念だなと思っています。そして今、ユースの選手を見ておりますけど、『ジュニアユースの選手、ジュニアの選手にとって、もしかしたら君たちユースの選手は憧れの存在かもしれない。だから振る舞いや、誰に見られてもおかしくない行動をしよう』という話をしています。トップの選手もアカデミーの選手に見られている。街で歩けば、サポーターの方も見ている。他のチームのサポーターの方も見ている。サッカーを離れたところでも、浦和レッズを背負って、エンブレムも背負って闘っているっていうところは自覚しなければいけません。

サポーターのみなさまはどうでしょうか。例えば、子どもたちがスタジアムに行って、みなさんの素晴らしい応援、雰囲気に憧れて、『ああ、彼らのようになりたい。俺も浦和レッズを応援したい』。そういった子どもたちは多いと思います。そういった子どもたちに本当に『俺たちのようにやってくれよ』という姿を見せているのでしょうか。もちろん数多くのサポーターは見せてくれています。そういった声も聞きます。だけど、一つのことで、そういったものが失われてしまう。みなさんが一生懸命になって積み上げてきたものがなくなってしまう。壊してしまうのはやはり簡単だと思います。

こういったことがあった後が大事ではないかと思っています。それはもちろん、クラブもそう。浦和レッズ側もこうなる前に、もっとやれたことがあるんじゃないか。今まで曖昧にしていた部分で、はっきりノーと言えなかった。それは、クラブ側の責任でもあるかなと思っています。それは現役時代も感じていました。

クラブの人は選手を守ったり、サポーターの方を守ったり、いろんなところで力を貸してくれました。逆にふがいない試合をすればサポーターの方が選手にぶつける、ため込んだものを発散させる機会がもっと必要だったのかもしれません。ふがいない試合をした後、なかなかバスが出られないというときもありました。多くの方が選手に意見をぶつけたいというおもいを持って来てくれたと思います。少し時間が経って、選手が降りて、その意見を聞く。降りても殴られることはないと思っています。サポーターのみなさんが選手たちに伝えたい、それを聞いてほしいというおもいがなかなか実現できなかった。時間がかかってしまった。それによってバスの出発も遅れて、次の日に移動があったり、お互いに解決策を見つけられずに過ごしていたと思います。

今までみなさんとこのクラブ全体で作り上げてきた、この浦和レッズが盛り上がらないと、Jリーグが盛り上がらないと思っています。こういった事案で盛り上がる、いろいろな方に知ってもらうのではなくて、元々あるこの素晴らしいクラブ、みなさんの力をもっと違った形でぶつけて進んでいかなければいけないと思っています。それにはやはり全員が、現場もそうか、会社の方もそう、もちろんサポーターの方もそう、同じ仲間として自覚していくこと、地域に活力を与える、盛り上げる、浦和を、埼玉、Jリーグを盛り上げて日本を盛り上げる。

それでアジアに行ったんですよね。みんなで。そして世界に行った。みんなが一つになったからこそ、そういったことが出せてきたわけです。僕は2021年に引退しました。その後に、浦和レッズが本当に一つになったらどんな力が出されるのかということ話をインタビューなどでさせていただきました。ACLを獲ったときなど、一つになったのかなとも思っています。でも本当の意味で、まだまだ一つになりきれていない部分があるのではないかと思っています。

サポーターのみなさんと作り上げてきたこの浦和レッズを、さらに未来へつなげていかなければいけません。次世代へしっかりつないでいくこと、それは僕たちの任務、役割なのではないかと思っています。

もちろんみなさんのパワー、浦和レッズへの気持ちは十分理解しています。それを一つの方向に向かってやっていくことは難しいですよね。だって多くの人がいるんだもん。だけど良くなるっていう目標は絶対忘れないでほしいと思います。もちろん通る道、過程は違うと思います。だけど、みなさんが目指すもの、浦和レッズの姿というものは、みんな同じだと思っているので、これからもサポーターの方とクラブと、駄目なものは駄目、仲間がミスしたら、失敗したら二度とそのミスが起きないようにサポートしてあげる。これがチームプレーだと思います。

浦和に関わる全ての方が一つになって、さらに大きくなる浦和レッズを見られる。今は周りから見ていますし、アカデミーから選手が加われるようにサポートをしていきたいと思っています。今後も浦和レッズのサポートをよろしくお願いします。ありがとうございます」

もう今改めて読んでみると、涙が止まらなくなてしまいました。

阿部ちゃんの真心が、暴動を起こしたサポーターだけではなく、浦和に関わる全ての人たちに伝わることを祈ります。

総括・提言 (結城氏)

質疑応答の後、最後に副委員長の結城氏が総括・提言を述べられました。

この方のスピーチも、心に染みるものがありました。浦和レッズのホームページの書き起こしから引用させていただきます。

私どもがお伝えしたいのは、その一番大切なものを守り続けて、次につなげるためにはどうすればいいんですか、という問いです。なんで変わらなければいけないのかと思われる方もいるかもしれない。理由として私が考えられることを2つ申し上げます。

1つはBチームのご指摘等々にもありましたが、浦和の内部で考えていた自分たちのあり方、特にサポーターとクラブの関係性、これについてそれがいいんだ、これが当たり前なんだと感じてきていたことが、どうも社会の見方とかけ離れつつある。少しずれてきているからです。難しいんですよ。ガバナンスという言葉が出てきましたね。自分や組織をどうするかという意味だと思います。ガバナンスというのは実は、社会がどう見るか、どう考えるかによって、その規範が変わってくるものなんだそうです。

ガバナンスというものに対して、ある意味でなぜ社会がそう見るかという点に関わって申し上げると、スポーツは実は社会のさまざまな要因、社会の成熟で社会に対してより影響を与えるようになってきています。同時に、スポーツで負のことが起きると、その負の要因の影響も大きく広がります。世代を越えて、社会を越えて広がります。SNSの時代は余計にそうです。だから今は社会の批判はそれを律することを過去よりも重視し始めている。これはガバナンスの規範になっているということです。ガバナンスを考えたときに、昨年の残念なこと、そしてそれに対して与えられたペナルティー、浦和にとってはこれが一つの象徴的なものだったと考えます。

先ほどのご質問の中に、浦和の効力の中にない、よその要因もあったじゃないかということもありましたが、これまでずっと続いてきた流れを見るかぎり、どこかで何らかの形で噴出していたかもしれないと我々は見ますし、ある意味でその流れというものがクラブとサポーターのみなさま、もしくは団体との関係性やさまざまな意識、内部の意識と外部の見方のセオリーになりつつあるということも事実だと思います。これが1つの理由。

もう1つは、阿部勇樹さんやCチームの望月委員も言っていましたが、そういう変化がなければ、このままでは一部の方の行為がこれからの浦和のせっかくのサッカーの文化をむしばんでしまうからです。変えてしまうからです。本当にもったいないと感じます。

ヒアリングさせていただいた中で、サポーター文化を作った初期の方のお話もあった。その方は今の行為に関しては、今のサポーターが受けている自由、自由は受け取ったものも責任を持つものなんだけれども、一部の方は無責任な自由と勘違いしているのかもしれないとおっしゃっていました。もし無責任の自由というものがあるとしたら、それはいろいろな方面に影響、さまざまな負の影を落とします。選手にも落とす。サポーターご自身にも落とす。そして未来の世代にも落とすと阿部さんもおっしゃっていましたよね。そういう流れの中で、本来素晴らしいものを持っていた浦和の文化、サポーター文化、熱情というものがある意味で、次世代に伝わりにくくなるという側面が出てくることです。

Aチームのヒアリングの中で、中学1年生の方のヒアリングがあった。私もそこだけ同席させていただきましたが、その方はサッカーをしていて、選手になりたい、もしくはあのゴール裏に行って一緒に応援したい。それは強く思っている。だけども、ああいう選手に迷惑を掛ける行為は駄目だよねと言っていました。

浦和の大切なもの。その未来というものをどうやって伝えるのか。そして、将来の世代も含めたみなさんの誇りや希望、浦和のチームとサッカー文化の象徴であり続けること。それをどう守っていくのか。みなさまがどのように状況を理解し、そして自分を含めて、もしくは相手に対する言動も含めて、どのように律しようとしていくのか。それにかかっているのではないかと思います。クラブもそうですが、自ら行動を起こすことをお考えいただければと思います。これが私からの総括にならない総括ですが、第三者委員会が伝えたいこととさせていただきます。最後に第三者委員会委員長、武藤より提言の骨子をみなさんにお伝えし、クラブ側に渡したいと思います。ありがとうございます」

委員会提言手交

第三者委員会の委員長の武藤氏からの提言書が、浦和レッズ 田口社長に渡されました。

今後のクラブがより一層忙しくなっていくのが目にみえるようでした。

サポータとしての自分の考え

第三者委員会を終えて、それを含めて、暴動を起こしたサポーターに言いたいこと、自分がサポーターとしてこうありたいと思うことを自分の言葉でまとめたいと思います。

浦和レッズの目的

浦和レッズと関わる人々が目指す目的は、チームの勝利に全精力を注いで、浦和レッズを世界的クラブに飛躍させることだと思います。

そのためにサポーターは何をすべきか?

サポーターは何のためにサポートしているのか?その目的を十分に理解する必要があります。

また、サポーターという言葉を理解する必要があります。サポーターは支援する人々であり、主役ではなく脇役なんです。しゃしゃり出てはいけないし、主役の邪魔、足を引っ張ってはいけないことを肝に銘じるべきです。

強靭な精神力を持とう!!

そして、強い人間は、どんな状況においても、謙虚に振る舞えるものです。どんなに連勝しても、リーグ優勝をしても、ACLを獲ったとしても、ひけらかしたり驕り高ぶることなく、次へと進んでいく。そんな強い人間でありたいと自分は思います。サポーター全員がそんな強靭な精神力を備えれば、不純物の混じらない純粋かつ強烈なサポートができるんじゃないかと想像します。

また、今回のようなネガティブな状況(完敗、天皇杯敗退、因縁の名古屋、喧嘩をふっかけられた)が起きた時は、メンタルを一旦落ち着かせて、一歩引いて自分を俯瞰して見れる余裕を持てるようになって欲しいと思います。「ここは、挑発に乗って喧嘩する場合ではない、挑発に乗ったら挑発した相手と同じレベルの人間になってしまう。感情的になってはダメだ」と客観的に考えられる精神力を持てるようになって欲しいのです。

どんな苦難があったとしてもグッと堪えて!最後に勝って笑えばいいのです!!

昨年は、名古屋にはリーグ順位では勝っていたじゃないですか。そういうことなんです。

サポーターも「浦和を背負う責任」「浦和スタンダード」

「未来を担う子どもたちに対して、我々大人のサポーターが見本となれているのか?」

今回の阿部ちゃんのスピーチの中でも指摘されていました。カッコ悪い大人になっていませんか?

そして、土田元SDが提唱した「浦和を背負う責任」という言葉は、サポーターも考え守るべき言葉だと思います。

加えて、今回の新加入選手会見で、西野TDが口にした「浦和スタンダード」。世界レベルにクラブを引き上げるという意味だと理解しましたが、当然のことながら、サポーターも世界レベルにレベルアップする必要があると感じました。

暴動を起こした彼らには波及した影響を再度考えて猛省してもらいたい

自らの頭で考えて欲しいのです。想像力を働かせて欲しいのです。暴動の影響はどんなものがあったか?自分たちの行動がどんな影響があったか?

自分がパッと考えてもこれくらいあります。

・我々が最優先にしているACL出場のきっかけを閉ざす結果になったこと
・自クラブへの影響(制裁金、クラブ社員の業務増加、状況によっては降格処分や収入減少などによるクラブの消滅)
・選手への影響(出場機会を奪う)
・子供達の影響(大人の間違った行動を子供が学ぶ)
・スポンサーへの影響(クラブへのイメージ悪化、スポンサーの減少)
・他の浦和サポーターへの影響(不快感、他サポーターの見るイメージの悪化)
・名古屋サポーターへの影響(暴動によって恐怖感を与えた)
・他クラブへの影響(不要な対策の検討)
・他クラブのサポーターへの影響(浦和に対する敵対心、恐怖心、イメージ悪化、リスペクトできなくなる)
・Jリーグ全体への影響(リーグ全体のイメージ悪化)

これだけでも、絶対やってはならないことだと理解できるはずです。

そして、自分たちが未熟だったことを認め、もう一度、「浦和を背負う責任」「浦和スタンダート」という言葉の意味を、自分の頭で考えて欲しい。

いつか、サポーター同士で、この言葉についての討論会を開催できて、それぞれの考え方を深め合えるといいと感じています。

2度とサポーターが浦和の足を引っ張ってはならない

このことを肝に銘じてもらいたい。切に願いします。

来週から始まる2024シーズンは、浦和レッズの歴史の中でのちに振り返るとターニングポイントだったと思うに違いない重要なシーズンだと思うんです。

ですから、まずはこの1年を通して、サポーターがクラブの足を引っ張ることなく、選手たちがポジティブな気持ちでプレーできることを考えて、サポートしていこうじゃありませんか!

※なお、浦和レッズのオフィシャルサイトにて、全文文字起こしされておりますので、詳細をお知りになりたい方はそちらをご覧になってください。(浦和レッズサポーターによる違反行為について(第十二報)

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