やっぱり看過できませんでした
「手を使うファール」「体当たり」が多すぎる
前節の神戸戦の観戦記で、神戸の選手たちの「手を使うファール」「体当たり」が多すぎることに対して苦言を呈しました。
この記事を書いて忘れようと思ったのですが、どうしても看過できませんでした。なので、「スポーツマンシップと日本サッカーの未来」と言ったちょっと大それたテーマで、この事象を自分なりに深掘りして、問題提起してみたいと思います。
この記事を書くに際し、最初に言っておきたいことがあります。自分は、サッカーに関しては完全な素人であり、ただのサポーターです。ルールに対する解釈に間違いがある可能性もありますし、自分の見解が間違っている可能性もあります。間違いを指摘していただければ、訂正し謝罪いたします。どれが真実なのか理解したいので、是非指摘の程よろしくお願いします。
問題とするシーン
このお話をするのに、問題するシーンを挙げておきます。59分にペナルティエリア内で、翔哉選手が倒されたのにファールおよびPKを取られなかったシーンです。
そのシーンをYOUTUBEで挙げている方がいらっしゃいましたので引用させていただきます。
凌磨選手のクロスを受けようとシュート体勢に入っていた翔哉選手に対して、後ろから佐々木選手が押し倒しています。
まさに後ろからの体当たりです。
DAZNの後ろから写したスロー動画がわかりやすいのですが、佐々木選手のカラダの位置は、ボールというより、翔哉選手を先に倒してそうとしていますし、ボールには全く関与していません。
これがファールではないという判定もそうですが、このプレーをすること自体に全く納得できませんでした。
問題提起したいこと
なので、問題提起したいのはこちらになります。
・ファールを見逃しているであろうレフェリング
・それ以前にスポーツマンシップやモラルはどこに行った?
・インテンシティという言葉を履き違えていないか?
・これが日本サッカーの未来なのか?
ファールを見逃しているであろうレフェリング
ファールを見過ごしているから、何度となくルール違反のプレーがまかり通ってしまう。つまり、レフェリングの基準が緩すぎる。そんな印象を覚えました。
体当たりは、サッカー用語で「チャージ」という
JFAのサッカー競技規則からルールを確認します
サッカーの素人ですので、サッカー競技規則2023_24からまず勉強します。
第12条 ファウルと不正行為
1. 直接フリーキック
競技者が次の反則のいずれかを相手競技者に対して不用意に、無謀に、または過剰な力で行ったと主審が判断した場合、直接フリーキックが与えられる。
・チャージする。
・飛びかかる。
・ける、またはけろうとする。
・押す。
・打つ、または打とうとする(頭突きを含む)。
・タックルする、またはチャレンジする。
・つまずかせる、またはつまずかせようとする。
身体的接触を伴う反則が起きたときは、直接フリーキックまたはペナルティーキックで罰せられる。
・不用意とは、競技者が相手にチャレンジするときに注意もしくは配慮が欠けていると判断される、または慎重さを欠いて行動すること。懲戒の罰則は、必要ない。
・無謀とは、競技者が相手競技者にとって危険になる、または結果的にそうなることを無視して行動することで、警告されなければならない。
・過剰な力を用いるとは、競技者が必要以上の力を用いる、または相手競技者の安全を脅かすことで、退場が命じられなければならない。
「体当たり」のことをサッカー用語では、チャージというのです。
こちらの動画がリンクしていたので、引用いたします。
また、手を使って「押す」こともファールになっています。
もう少しわかりやすく解説してくれる記事を見つけました
サッカー競技規則だと曖昧すぎるので、もう少し調べてみるとわかりやすい記事を見つけました。
反則になるチャージを引用させていただきます。
◎ 反則になるチャージのポイント
①自分の肩ではなく、腕や肘などを使ってチャージしている。
②相手の背中など、肩ではないところに対して、チャージしている。
③ボールをコントロールする・支配する目的ではなく、相手を吹き飛ばすことだけが目的になっている。
※ボールに届く距離・角度からチャージしていない。④タイミングが遅れたにもかかわらず、チャージをやめずに、不用意に相手とぶつかっている。
⇒ 無謀に(= まぁいっか)反則となるチャージをした場合は、警告(イエローカード)⑤過剰な力で、チャージして、大きく相手を吹き飛ばし、危険にさらした。
⇒ 退場(レッドカート)
正当なチャージは、反則になるチャージを反対語ですね。
◎ 正当なチャージのポイント
①自分の肩でチャージしている。
②相手の肩へチャージしている。
③ボールをコントロールする・支配する目的がある。
※ボールに届く距離・角度④タイミングが遅れたりして、不用意なチャージになっていない。
⑤過剰な力で、チャージしていない。
非常によくわかる解説でした。
結局のところ、ファール・イエロー・PKにしか見えない
DAZNの映像を見ながら、この「反則になるチャージのポイント」に問題のプレーを当てはめてみます。
結論として、5個のうち、4個も該当しており、自分としては明らかにファール+イエローカード+PKにしか思えませんでした。
①自分の肩ではなく、腕や肘などを使ってチャージしている。
→佐々木選手は、腕か肘を使ってチャージしている
②相手の背中など、肩ではないところに対して、チャージしている。
→佐々木選手は、翔哉選手の背中にチャージしている
③ボールをコントロールする・支配する目的ではなく、相手を吹き飛ばすことだけが目的になっている。※ボールに届く距離・角度からチャージしていない。
→佐々木選手は、ボールに届く位置にいなかった
④タイミングが遅れたにもかかわらず、チャージをやめずに、不用意に相手とぶつかっている。⇒ 無謀に(= まぁいっか)反則となるチャージをした場合は、警告(イエローカード)
→ボールに対して届かない位置にいることから、タイミングが遅れていることが明白なのにも関わらず、チャージをやめずに、不用意に相手とぶつかっている。(まあいっか感を感じる。)
⑤過剰な力で、チャージして、大きく相手を吹き飛ばし、危険にさらした。⇒ 退場(レッドカート)
→過剰な力というほどではない。
VARの介入、主審のOFRの判断をして欲しかった
副審が見える位置にいたんじゃないか?そう思って映像を確認しました。しかし、副審は同サイド、つまり近いサイドにはいましたが、オフサイドラインを見るのに集中しているようで、接触シーンを見えていなかったようでした。
中村主審はというと、立ち位置も遠く距離があってちゃんとみれていなかったのかもしれません。直前に前を別の神戸の選手が横切っていて陰になっていたのかもしれません。
しかし、自分の主観にのみ頼らず、せめてVARの介入、OFR(オンフィールドレビュー)をして欲しかった。
これが、PKとなったとしても、PKが決まったかどうか?直後にまた翔哉選手が決めて逆転する未来が来ていたのか?は誰にもわかりません。しかし、浦和が攻勢をかけていた後半だっただけに、逆転の可能性もあったに違いないのです。勝ち負けに直結する重要なジャッジだったと思いますし、非常に残念な結果だと言わざるを得ません。
46分にも、佐々木選手はペナルティーエリア内で安居選手を倒していいますが、これも見過ごされており、緩いレフェリングがルール違反を続ける流れを作ってしまったことも残念に感じます。
近年はコンタクトプレーを許容するレフェリングに見える
もっと言うと、近年のレフェリングは、イエローカードを出さない、つまり、フィジカルコンタクトを許容する傾向にあると感じます。この結果、ラフプレーが許容されつつある状況になったと言えます。逆にあまりにもイエローを出しまくるのもどうかとは思います。
しかし、昨年あたりから、神戸や町田といったフィジカルプレーを前面に押し出したスタイルのチームが増えてきた以上、このままの緩いレフェリング基準が続くと、スポーツマンシップやフェアプレーといった概念が崩壊し、取り返しのつかない怪我人が出る可能性でさえあると危惧しています。
と思っていたら、先日の町田と筑波大学との天皇杯の試合でさらなる問題が起きてしまいました。試合自体見れていないので、詳細分かりませんが、自分の危惧していたことが現実になった気がしました。
バレーボールのチャレンジシステムを導入すべきではないか
バレーボールには、審判の際どい判定について、チーム側からチャレンジを要求して、審判に映像確認させて再度判定し直すシステムがあります。
現在のサッカーのルールでは、チーム側が異議を唱えるシステムは存在しません。審判も人間ですし、絶対はあり得ません。主審の主観でのみ決まるレフェリングは間違っていると思います。
そういう意味で、サッカーにもこのチャレンジシステムを導入すべきと考えます。
問題のプレーを近くで見ていた選手や、映像で見ていたクラブスタッフなどが、判定に不服と判断した場合、監督に伝えて、監督が審判にチャレンジする。主審はそれを受けて、VARなり、OFRをすることを義務とする。
ネガティブな部分としては試合時間が長くなることがあります。しかし、チャレンジの回数も、前半、後半それぞれ2回までできるくらいにすれば、それほど試合時間が長くならないんじゃないか?と思います。また、サポーターの立場で考えると、正しい判定に寄与するならば、多少時間が伸びてもウエルカムだと思います。
それ以前にスポーツマンシップやモラルはどこに?
この事象の最大の問題は、ファールを見逃しているレフェリングだと考えます。それがルール違反と取れるプレーを繰り返すことにつながっていったと思います。
しかし、そもそも、そんな状況でもプロスポーツマンが”ルール違反”言い替えるならば”汚いプレー”を繰り返すこと自体に問題はないのでしょうか?今回のように見逃されることがわかって何度も繰り返すことに個人的に疑問を感じるのです。
つまり、プロスポーツマンが考えるスポーツマンシップやモラルはどこに行ったのか?と残念に思うのです。
バレなければ何をやってもいいのか?
サッカーではよく、”マリーシャ”という言葉を聞きます。
・審判の見えないところでのファール行為
・シミュレーション
・挑発行為
だそうですが、自分としては、これらはプロスポーツ選手として品位を欠いた行為だと考えて、受け入れたくありません。
そんなことをしてまでして勝ちたいのか?プロスポーツ選手としてのプライドはないのか?と考えてしまいます。
こちらの記事(サッカーにおけるマリーシアの意味とスペイン人の声)が興味深かったので引用させていただきます。
・まず日本人に足りないというズル賢さは、多分そのまま「ルールぎりぎりで効果的なズルをする事」だよ。
・日本語を勉強していない普通の子達でも、サッカーが好きでない子は結構いるよ。その理由は「試合を観ながら選手や審判を罵る暴力性」と「いつも痛そうにうずくまる選手の弱々しさや狡猾さ」。 みんなそれが嫌だって言うんだよ。他のスポーツはもっとスポーツマンらしく振る舞っているって。
・「自分が利益を得るためにはずるいこともする」という行為が比較的少なく、誠実で忍耐力がある人が多いので日本人は敬意を持たれているとも話していました。
・友人は「サッカーに強い国の監督が言うから全て正しいと考えるのはどうかと思う」「自分達のアイデンティティーである精神性まで捨てて、何でもかんでも強豪国のやり方に染まるのは良くないと思う」と話していました。私も同感です。
この記事のスペイン人の友人が話してくれたことは、心底同意します。
特に、スペインの子供達でサッカーが嫌いな子たちの理由には、激しく同意します。みなさん、そう思いませんか?
自分は、日本人としてこう思うんです。
誠実で忍耐力のある日本人としてのアイデンティティーを持ち続けながら、日本のサッカーを強くしていくべきではないのか?と。
相手がどんなに汚い手を使っても、それを冷静に受け止め耐えて、誠実で正々堂々としたプレーで相手を倒す。
そんな日本らしい清々しい未来像を日本サッカーは目指してほしいと思うのです。
※これは自分の価値観、希望であり、みなさんに押し付けるものではありません。
スポーツマンシップ、スポーツモラルって何?
プロスポーツで繰り広げられる、ルールを守る中で精一杯、正々堂々と戦い、行き過ぎたら謝り、握手をするような清々しいシーン。
そう、精一杯、正々堂々、清々しい。これが自分のイメージするスポーツマンシップ。それを貫き通そうとするのがスポーツモラルではないかと考えます。
子供達も含めた一般の人々は、そんなシーンの中に、スポーツマンシップのあるべき姿を感じ、ルールを守る以前にそれを守る正義というものを痛感し学んでいくものだと思います。それは、スポーツだけではなく、社会人として、もっと言うと社会に生きていく人間として、非常に重要な事だと思うんです。
今まで海外のマスコミで日本が称賛された話ありましたよね。
・海外に日本人サポーターが遠征に行った時に、試合終了後に、スタジアムのゴミを全員で拾って帰った
・W杯で日本代表の選手が控え室を綺麗に清掃して立ち去った
これは誰にも強制されていない、日本人のアイデンティティだと思います。そういう、日本人らしい振る舞いというものを大事にしていくべきだと思うんです。
子供達にどう映るのだろうか?
心配しているのは、子供達への影響です。
当日も多くの子供達が観戦に来ていました。彼らの鏡であるプロサッカー選手の汚いプレーを見て、彼らはどう思うのでしょうか?
反面教師として受け取ってくれるのならいいのですが、最初からあれくらいならやってもいいんだ!と思うようになれば、悪影響としか言えなくなります。
プロサッカー選手は、将来のある子供達の鏡であるべきです。その自覚をしっかり持ってほしいと切に願います。
バレーボールのグリーンカードを導入してみてはどうか?
バレーボールのグリーンカードとは?
現在、開催されている、バレーボールのネーションズリーグ。今大会の試合の中で初めてみたのが、グリーンカードというものでした。
前述のように、バレーボールにはチャレンジというシステムがあります。例えばスパイクに対して相手がワンタッチしたかしないかの異議を唱えて、映像で判断するします。その前にワンタッチした選手が自己申告した場合に、審判から提示されるカードなのです。
メリットとしては、試合時間の短縮に貢献するのと、この記事(バレーボールネーションズリーグでのグリーンカード)によると、この大会では最多獲得チームには賞金約470万円が与えられるとのことでした。
そんなことよりも、このカードはスポーツマンとして正しい行いをしたと称賛される意味があるのです。
サッカーでグリーンカードを導入するとどうなる?
このグリーンカードをサッカーに導入することを考えてみます。
レフェリーにファールが取られなかったとしても、自分がファールをやってしまったと判断したら、謝るが如く自己申告してファールをもらう。その際にグリーンカードが提示される。素晴らしくないですか?
サッカーは、バレーボールと違って、多くの得点が入るスポーツではありませんから、誤審に気づいて打ち明けなければ勝っていたかもしれません。それでも自分の非を明らかにする勇気。素晴らしいじゃないですか!
そして、それに伴って以下のようなことも考えてみてはどうかと思います。
・出場停止になるイエローカードの枚数をグリーンカード分増やす
・グリーンカードによる賞金制を検討する(個人かチーム全体か)
・フェアープレー賞の一環としてシーズン終了時に表彰される
以前から小学生のバレーボールには存在していた
調べてみると、小学生バレーボールには以前からあったそうです。
こちら(バレーボールのグリーンカード)から引用させていただきます。
日本小学生バレーボール連盟の根底の考えは、バレーボールを通して子供たちの健全育成を支えていくことにあります。
ルールやマナー、スポーツマンとしての心得などをしっかりと身につけた良いプレーヤー・よい人間を育てていきたいと思っています。
そのためには、子供たちの好ましくない行為を指導するだけでなく、フェアプレーや善い行いは賞賛し広めていくことが大事であると考えています。グリーンカードを用いて、みんなが善い行いでつながっていきましょう。
小学生という育成世代に対して、素晴らしい取り組みではないかと感心しました。
そしてグリーンカードを提示するシーンとしてはこう書かれています。
審判員は試合中の子供の行動を評価しましょう。
- ミスをした選手に対して、積極的に励ましの声かけをした。
- 不利な判定になる場合でも、正直に自己申告をした。
- 点差や状況にかかわらず、最後まで全力でプレーをした。
- 判定を素直に受入れ、終始フェアな態度で試合を終えた。
大会役員、審判員、指導者が協力して子供たちの行動を評価する。
- 礼儀作法など、基本的な習慣が他のチームの模範になっている。
- ラインジャッジなど、補助員の役割に真剣に取り組んでいる。
- 会場のゴミを拾うなど、施設や用具を大切に扱っている。
- チームのためにボール拾いや応援を頑張っている。
そうそう、そうなんです。まさにそれです。自分が言いたいのは。
プロスポーツ選手であっても、改めてこの基本に立ち返って欲しいと切に願います。
インテンシティって言葉を履き違えていないか?
もう一つ違った見方で言うと、近年流行っているインテンシティという言葉があります。
その定義を調べてみると、インテンシティとは?に解説がありました。
以下の3つを主にいう言葉だそうです。
・球際の強さ
・スピード
・連続した動き
自分の今までの理解では、
インテンシティ = 球際の強さ = 身体的なぶつかり合いの強さ
と思っていましたし、外れてはいないと思います。
しかし、サッカーは格闘技ではないので、過剰な身体のぶつかり合いを奨励しているものではないし、それが前提になっているチームが多い気がします。
そのスタイルが本当にあるべき姿なのでしょうか?日本サッカーの未来なんでしょうか?
これが日本サッカーの未来につながるのか?
ボディーコンタクトで相手を倒す前提に見えるこのサッカースタイルが、日本の目指すサッカースタイルなのか?日本サッカーの未来につながるのか?個人的には甚だ疑問です。
これまでお話してきた内容に上がっていますが、理由は以下の通りです。
・勝利も大事だが、目指すサッカーの理念や哲学は大事
・元々フィジカルの劣る日本人が、フィジカル勝負だけでは海外のサッカーには勝てない
・日本人のアイデンティティに則していない
・子供達のメンタル的な成長に悪影響を及ぼす
・サポーターがスポーツの清々しさを感じない
最後にもう一度書きます。
相手がどんなに汚い手を使っても、それを冷静に受け止め耐えて、誠実で正々堂々としたプレーで相手を倒す。そんな日本らしい清々しい未来像を日本サッカーは目指してほしいと思うのです。
少なくとも、自分がサポートする浦和レッズにはそうあって欲しいと心から思います。
あくまで個人的であり、価値観の押し付けではありません。この記事が問題提起になったらいいと考えます。異論がある方はお話を伺いたいと思います。
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