最近のサッカー界のサプライズについてのお話です
最近、浦和レッズ以外のサッカーの試合をよく見るようになってきました。浦和レッズは、今シーズン、残るはリーグ戦のみとなり、過密だった昨年と比べて他を見る余裕があるんですよね。幸か不幸か。
その中で、WEリーグの試合と、韓国Kリーグ光州FCの試合を見て、これまでにない時代が来たなと、サッカー界のサプライズだなと感じましたので、そのお話ししたいと思います。
フィジカルの時代が到来したWEリーグ
ひとつ目は、WEリーグについてです。
浦和の初戦は、東京ベレーザ
WEリーグの24年シーズンが開幕、9月15日の初戦で我が浦和レッズレディースは、味の素フィールド西が丘で東京日テレベレーザと対戦しました。
その試合をDAZN観戦しましたが、試合を通じて感じたことがあったのです。
「女子サッカーもフィジカルの時代が来たな」と。
浦和レッズレディースは、技巧的なプレースタイルの選手が多く、ボールを保持しながらも、パス回しで相手を崩していく戦術です。その戦術でWEリーグ2連覇を達成しました。WEリーグの中では、抜きん出たパフォーマンスを持っているとも思います。
しかし、個人的に思うのは、これまでの女子サッカーは全体としてフィジカル面では弱い印象があり、現在の浦和レッズレディースのようなチームに対しては、容易にパスを回させてしまうという印象がありました。
しかし、この試合は違いました。
ベレーザの選手達は、浦和のパス回しを分断させようと、マークしている浦和の選手との距離を詰めて、ハードにアタックしてこようとします。これまでの女子サッカーにはない、見応えのある攻防が展開されていたのです。
この攻防を見て、女子サッカーに新しい時代が来たなと感じました。
そんな中、浦和レッズレディースに現れた新星、なんと17歳の藤崎智子選手が大活躍して2-0の勝利。大満足の開幕戦でした。
第2戦は、INAC神戸
そして、続く第2戦の対戦相手はINAC神戸。
この試合も、ベレーザ以上にハードな守備を見せるINAC神戸に苦戦。ファールギリギリというよりかは、浦和の選手が怪我しないか心配になるくらいのプレーでした。
2連覇を許しているINAC神戸としては、今シーズンは是が非でも負けられないと思っているのでしょう。もう徹底したフィジカル勝負に出ていると感じました。
結果的には、残念ながらセットプレーの失点で敗戦となりましたが、この2戦で女子サッカー界の潮目が大きく変わったと感じました。
これからのWEリーグは面白くなるぞ!
この2戦を見て、これからのWEリーグは確実に面白くなるぞ!と思いました。
今シーズン、浦和レッズレディースが自分たちのスタイルを貫きながら、この流れを乗り越え、圧倒して3連覇を飾ることを期待しています。
韓国らしくない繋ぐサッカーを展開する光州FC
浦和が出場できないACL。でもACLの雰囲気を味わいたいと思うのが、ACL大好きな浦和レッズサポーターなのです。
ということで、先日行われたグループリーグの初戦と、2戦目を何気なく見ていたのですが、驚くべきチームがいたことに気付いたのです。
それは、「光州FC」 韓国KリーグからACLに初出場したチームだったのです。
光州FC(クヮンジュFC)とは?
正直、クラブ名を見て光州FCってどこのクラブ?と思っていました。中国のクラブかな?広州の間違いじゃないか?と思っていました。
Wikipediaで調べると、まさかの韓国のクラブ、韓国南部 光州市を本拠地とするクラブだったのです。
韓国Kリーグのチームで思い出すのは、蔚山、浦項、全北現代、大邱、済州など、これまでACLで浦和と激しく戦ってきたチーム達。光州FCは、全く知りませんでした。
戦績はというと、
19年シーズンまでは、Kリーグ2
20年シーズンからは、Kリーグ1
22年シーズンは、Kリーグ2に降格するも、この年優勝
23年シーズンは、Kリーグ1で3位(蔚山、浦項に次いで)
24年シーズンは、Kリーグ1で7位(12チーム中)
2部から1部に昇格してACL出場権を獲得するという勢いのあるチーム。今年の町田のようなイメージでしょうか?
韓国サッカーのイメージとは真逆のつなぐサッカーを展開
韓国のサッカースタイルは、フィジカルを主体に当たりが強く、ボールを奪ったら鋭いカウンターで相手を仕留める。自分にとってはそんなイメージでした。
しかし、この光州FCは全く真逆でした。
初戦、9月17日の光州ホームでの横浜Fマリノス戦。
初めて見た光州のサッカーに、衝撃と感銘を受けました。
圧倒的に繋ぐ
まさに繋ぐサッカー。相手プレスに対して、全く怯まず自信あふれるプレーでパスを回していく。
各々の選手の足元の技術もさることながら、相手選手との独特の間合いが特徴的でした。相手がプレスに来るのを待っていて、距離を詰めるまでしっかりボールを保持し、相手が距離を縮めてこようとすると、サラッと精度の高いパスで、軽々と相手を剥がしていく。Jリーグで見るテンポと違う気がしたんです。
これができるのも、絶妙な選手達のポジショニングだと思います。縦横の選手間の距離感がよく、出して側のパスの選択肢が多いのもあると思います。
しかし、そんなサッカーをするのには悪条件がありました。それは、ピッチです。正直、ここはプロリーグのホームグラウンドか?と思わせるような荒れ果てて、ボコボコ。パスサッカーなんかできるようなピッチではありませんでした。ホームで慣れているとは言え、こんなグラウンドであのレベルのパスサッカーを可能とする技術とチーム戦術はすごいと思いました。
脱線しますが、先週の神戸vs浦和のゲームでも、神戸ノエビアスタジアムの芝が酷く、浦和のスタイルである繋ぐサッカーを展開することができず苦戦しました。ある意味、神戸に有利なピッチ状況ではありました。しかし、そんなピッチでもさらりとパスサッカーをする光州FCには感銘を受けました。
多くの選手が海外に旅立つ前に全盛期だった川崎フロンターレのイメージ。それを韓国のクラブが実現しているのに驚きました。
決定力の高さ
それに加えてすごいのが決定力の高さです。
一際目を引いたのが、アサニ選手。アルバニア出身の29歳の彼は、右ウイングでのプレーでした。彼の特徴はなんと言っても、まさに正確無比という言葉がピッタリ左足のキック。
スルーパス、クロスも高精度。右ウイングのポジションから中に切れ込み、鋭いシュートを放ち、しかも決定力が高い。マリノスとの試合ではハットトリックと大活躍でした。
彼を見て思い出されるのは、中村俊輔選手、浦和で言えば、ポンテ選手や校長時のモーベルグ選手。
アサニ選手、浦和に来てくれないかなあと思っちゃいました。
そして他にも決定力のある外国人もいます。結果的には、マリノス相手に7点とっての勝利。
続く10月1日の川崎ホームでの川崎戦もしっかり勝って2連勝。本物です。
今後、11月5日に神戸との対戦が予定されています。神戸のハードプレスを、さらりと交わしてぐさっと決勝点を決める光州FCが想像できます。
日本が韓国化し、韓国が日本化する未来が見える
Jリーグでは、町田や神戸のようなフィジカル系のクラブが上位に位置し、これからもそんなスタイルのチームが増えていく予感がします。
反面、韓国では、ちょっと前に日本で主流だったパスサッカーが展開されている。
日本が韓国化し、韓国が日本化する未来が見える気がしました。