シーズンオフは数々の噂に踊らされました
昨年の12月22日、クラブワールドカップの3位決定戦で幕を閉じた2023年シーズン。それから約1ヶ月のシーズンオフに入りました。選手たちは長く厳しいシーズンの疲れをとって、2024年シーズンに向けてしっかりリフレッシュしてもらいたいものでした。
しかしこのシーズンオフは、我々サポーターにとってはハラハラドキドキの期間でもありました。選手の移籍の情報や噂が飛び交うからです。
正直、昨年のギアクマキス選手獲得失敗のトラウマがいまだに残っているのも、移籍情報に過敏になる大きな要因だと思います。あの時は、本当にどうなるか気になって、夜中に目が覚めてTwitterを確認したりと睡眠時間も削られるほどでした。吉本新喜劇の吉田豊氏の「乳首ドリル」に出てくる、「来んのかと思ったらこんのかい!来んのかと思ったらこんのかい!来んのかと思ったらこんのかい!なんか喋れよー!」のように突っ込みたくなるような心境でした。
今年も、早いうちから、キーセテリン選手や、ペルグリーノ選手の名前が上がってワクワクしたと同時に、本当に来るのか?気が気ではありませんでしたね。昨年と同じように、夜中にXを確認する日々が続きました。
その中で一番動揺したのが、岩尾選手のタイのムアントンへの移籍の噂。グスタフソン選手が加入が決定しているとはいえ、昨年のバリバリのスタメンの選手であれだけ貢献した選手を放出するなんてあり得ない!俺の岩尾をどうしてくれるんだ!理不尽だろ!と勝手にムカムカしていました。
でも、もしかして、もっと大局的に考えると、これは浦和レッズのアジア進出戦略の一環なんじゃないだろうか?岩尾課長をタイに赴任/駐在させて、浦和レッズの選手ということで浦和レッズの注目度を上げタイ国民の皆さんにファンになってもらい、グッズ販売などにも繋げる。また、岩尾課長には、現地の理解と人脈の構築、技術の伝承をしてもらいゆくゆくは、若手選手をタイリーグに期限付き移籍させて海外経験を積ませるような人の行き来の第一号になってもらう。そして岩尾課長は駐在終了後戻ってきたら栄転してフロント入りし、アジア本部長に就任。
なんて勝手な妄想を1人でしていましたが、完全なる取り越し苦労。来年はアンカーの番号の6番を背負って頑張ってくれます。よかった!6番のユニフォーム買いまーす!
最後の最後は本当にハラハラしました。昨日の2024年シーズンの浦和レッズの新体制発表会の前日の夜に、サンタナ選手と松尾選手という最後のピースが発表されて、ギリギリで全てのピースが埋まりました。
結果、120点とも言える補強となりました。キャンプ前にしっかりと補強したメンバーが揃って新体制発表会を迎えられるのはいつぐらいぶりだろう?と思うくらい久々。でもこれは、これまでACLという世界大会に愚直にまで取り組んできて、昨年3回目の優勝を勝ち取り、巨額の賞金を得ることができる新フォーマットの2025年の出場権を獲得できたことが、強力な補強ににつながっていると信じています。これまで所属してくれた監督、スタッフ、選手や応援し続けてきたサポーター皆さんのおかげだと信じています。
とは言え、フロント・強化部の皆さんは年末年始本当に大変だったと思います。お疲れ様でした。そしてグッジョブでした。
そして2024年の新体制が発表されました
そして昨日、2024年シーズンの浦和レッズの新体制が発表となりました。早速の監督の開口一番の言葉に心を鷲掴みにされたのでした。
ヘグモ監督にすぐ心を鷲掴みにされました
開口一番のおじいちゃんの話。
「私の祖父は生涯を通じて世界を旅する船の船長でした。私は子どものころ、おじいちゃんの膝の上に座って、世界中を旅して得たいろんな経験を聞くのが好きでした。そして彼の最後の旅は日本に向けてのものでした。帰ってきてから、彼は日本の国としての素晴らしさ、そこにいる人間たち、そしてその文化が本当に良いものだったという話をしてくれました」
まあ、その光景が目に浮かぶようなドラマチックなストーリーが展開。日本に対する親近感を語ってくれた同時に、何か彼に引き込まれるかのような感覚を覚えました。ヘグモ監督は明らかに人身掌握術に優れているな、それは天性のものなのかもなと思いました。
また、その後の話の中でも、しっかりとしたクリアな言葉を連発してくれていました。
・西野TDとしっかりと話し合いながら、方向性に共感して決断してくれたこと。
・補強については、西野TDにしっかりとリクエストし合意した上での選手選考であること。
・浦和の素晴らしいファン・サポーターはアジアナンバーワンだということ。
・学ぶという言葉を大切にしているということ。
・4-3-3のシステムを採用すること。
・攻撃的なサッカーを目指すこと。
・練習の7割は攻撃の練習だということ。
特に、多様な文化を認め合いながら、日々のスモールステップの学びと成長が大事という考え方がすごく気に入りました。高い視点で、哲学を持っている人だと思いました。
今年の補強は、J1リーグでのスタメンはおろか、海外でも活躍しそうな選手が入ってきてくれたというところから、熾烈なスタメン争いが繰り広げられるのが予想できます。しかし、その反面、弊害として選手同士の一体感がどれだけ保てるのか?が課題となってきます。その辺りを、人間力の素晴らしいヘグモ監督にうまくコントロールしてもらい、シーズンを通して一体感をキープしてもらえることを期待します。
新加入の選手たち
宇賀神友弥選手
挨拶には、もう風格すら感じました。西野さんよりも。2020年にチームを離れる際に、離れなければならない、浦和で引退できない、そんな辛さを痛感したと思います。でも頑張っている人には、幸運が巡ってくるんです。今、浦和でプレーする重みやありがたさを一番痛感している選手だと思います。その気持ちを前面に出して、積極果敢なプレーと、年長者としてチームを引っ張っていって欲しいと期待します。
前田直輝選手
いやー、もうこんなに怖い選手はいませんでしたね。なぜか、浦和戦には大活躍して稲妻のように点を取っていく選手。しかも、出身が浦和という信じられない事実。どうして浦和でプレーしてくれないの?とずっと思っていました。
昨年の名古屋戦でも、後半出てきて、明らかに流れが変わって名古屋のペースになっていましたね。本当に怖かった。
そんな選手が来てくれるなんて本当に嬉しい。地元の選手が活躍してくれるのも嬉しい。本当に右サイドからキレのあるドリブルと突き刺すようなシュートを期待しています。
渡邊凌磨選手
凌磨選手は、昨年の開幕戦に後半出てきて決められたゴール。印象深いですね。また、YOUTUBEで浦和のショルツ選手のことを語ってくれてたり、前橋育英高校で同期だった佳穂選手と共演したりと割と身近に感じる選手でした。
である時に、山形に所属していた時代に「浦和でプレーしたい」という夢を持ってること、また、埼玉県東松山市出身であることを知りました。そして、昨年夏、浦和が獲得に動いているという噂。もう俄然注目していました。
そんな、攻撃的な華のある選手、しかも浦和をすでに愛してくれている魂を持った選手が来てくれるなんて本当に嬉しくてたまりません。そして、同級生の佳穂選手との絶妙なコンビネーションが展開されると思うとワクワクが止まりません。
本当に来てくれてありがとう。期待しています。
井上黎生人選手
申し訳ないですが、全く注目していなかった選手でした。しかし、加入が発表されてから、岡山に在籍時のインタビュー動画を見たりしながら、受け答えがしっかりしている好青年だなと感じたのと、J3から叩き上げでここまで来た反骨心やメンタルは人一倍ありそうだなと感じました。
昨日の自己紹介でも緊張気味でしたが、力強さと素直な姿勢を感じました。対人とリカバー能力に自信があるとのことで、それを聞いたら、次世代の阿部勇樹選手になれるのではないか?とすごく期待しています。
松尾佑介選手
もう大多数の浦和サポーターが、松尾選手の帰還を心待ちにしていたに違いありません。昨年の左サイドには、松尾選手の見せてくれるドリブル突破の迫力が明らかに欠けていて足りない部分でした。
もしかしたら、ベルギーで引き続きプレーしたかったのかもしれませんが、まさに今浦和が松尾選手を必要としているのです。これからの2年浦和でプレーしてもらって、25年のクラブワールドカップで活躍すれば、もっと上のレベルでの海外挑戦につながると信じています。期待しています。
佐藤瑶大選手
佐藤選手も、井上選手と同様、全く注目していなかった選手でした。しかし、
「去年Jリーグベストイレブンに選ばれた2人のセンターバックがいますけど、僕は必ずスタメンを取りたいと思っているので、自分の力を最大限発揮して浦和レッズがタイトルを獲得できるように頑張っていきます」
という力強い挨拶。しかも、しっかりとした受け答えと落ち着き。素晴らしいと思いました。ショルツ、マリウスは相手チームにとっては聳え立つ高い壁でもあり、佐藤選手、井上選手にとっても、レギュラー争いの中での高い壁です。切磋琢磨しながらレベルアップして、彼らを脅かす存在でいて欲しいと思います。
石原広教選手
石原選手は湘南から移籍の選手。湘南からは、遠藤選手や岩尾選手、菊地選手など浦和でも活躍してくれた先輩たちもいます。
「湘南で17年間育ってきましたが、オファーをいただいたとき、レッズを断る理由はないと思ってここに来ました。1日でも早くチームに馴染んで、偉大な先輩たちを越えて、脅かしていけるような存在になれるように頑張ります」
”レッズを断る理由がない”という言葉に惚れ込み、強い意志を感じました。当面は酒井選手とのレギュラー争いになると思われます。酒井選手の良いところを吸収して、彼を脅かす存在でいて欲しいと思います。
武田英寿選手
風貌もどことなく大人になった武田選手。思えば、2021年に入団決定後に見に行った大宮サッカー場での高校選手権。青森山田のキャプテンで出場した彼のプレーにはワクワクしたものです。こんな選手が浦和に来てくれるんだと思いました。
そしてリカルド監督時代にシーズン当初レギュラーで出場していたものの、足首の怪我を負ってから出場できなくなり、結局2年半のJ2での武者修行から帰ってきました。その間、プレーはもちろん、メンタル的な気持ちの置き所は大変だったんじゃないかなと想像します。
辛い日々を乗り越え、水戸でしっかり結果を残して逞しくなっての帰還。楽しみで仕方ありません。
でもまだ22歳なんですよね。大卒の年齢。まだまだです。結婚もされたということで、メンタル的にも安定して、素晴らしいプレーを期待したいと思います。
早川隼平選手
なんでいるの?と思った早川選手。今年で、高校卒業して、正式にユースから昇格して浦和レッズ入団なんですね。
昨年は、輝かしい才能を見せてくれましたが、今年は、攻撃のポジションにJリーグトップレベルの選手が補強され、より厳しい立ち位置になると思います。
しかし、さらにハイレベルになった練習の中で、周りから技を吸収して、自らの技を磨いて、焦らず成長していって欲しいと思います。期待しています。
グスタフソン選手
プレー集を見た時、ポンテ選手と遠藤保仁選手を足したような選手だなと思いました。
現役スウェーデン代表。広い視野、高精度な長短のキックやパス、シュートセンス、センスのあるポジショニング。しかも、前のクラブでは、キャプテンを務めていたというキャプテンシーを持っている選手。おそらくは人格的にも優れているに違いありません。しかもヘグモ監督の申し子としてヘグモサッカーを知っている選手。
これだけ挙げただけでも、今年の浦和のキーパーソンであることは間違えありません。プレーを見れる日を心待ちにしています。
ソルバッケン選手
前線の外国人選手の噂として、キーセテリン選手や、ペルグリーノ選手の名前が上がっていてずっと待っていたので、急にソルバッケン選手が来るかも?という噂を聞いた時に、正直どなた?と思いました。
それからは、イタリアのローマから来る現役ノルウエー代表のすごい選手なんだということを多方面から教えられ、驚愕したものでした。
グスタフソン選手もそうですが、そんなヨーロッパの超一流選手が来てくれるようになったのも、浦和のヨーロッパでの位置付けや印象が格段に上がったことの証明であり、成長の一歩だなと思いました。
6月末までの期限付き移籍ではありますが、気に入ってずっといてもらえるように、サポーター一丸となって応援していきたいと思います。プレーを見れる日を心待ちにしています。
サンタナ選手
もう説明のいらない選手ですね。正直、カンテ選手をも凌駕する、This is FW、典型的なフォワードと言えます。
フォワードらしいゴール前でのポジショニング、ゴールエリアへの入り方、強烈なヘディングシュートと左足のシュート、頼もしいポストプレー、周りを生かすプレー。これにワイドのアタッカーやインサイドハーフ、アンカーの選手が良質のパスを供給すれば(と言うかするに違いない)、ヘグモ監督が要望する”最低20点以上”は確実にクリアできると確信してしまいます。
ブラジル人選手が1人なのでコミニケーションが何かと大変かと思いますが、早く馴染んで、早く爆発的なプレーが見れるのを期待しています。
期待する選手たち
酒井選手
Jリーグのエース級レギュラークラス、ヨーロッパ各国の代表クラス、日本代表選手、ヨーロッパリーグを経験してきた選手、そして、ACL優勝を勝ち取った選手。もう精鋭が揃ったと同時に、この中での過酷とも言うべきレギュラー争いは激化すること必死です。それは、チームが強くなり勝つ上で自然なことだとは思いますが、レギュラー組とサブ組の実力差やモチベーションの差が生まれてしまい、一体感が損なわれてしまうと、長いシーズンの中で安定して勝ち続けることが難しくなります。
そう言う意味で、このチームをまとめて一体感を高められるのは、実力に加えて、日本代表経験があり、フランスリーグで長年活躍した酒井選手ぐらいしかいないと思います。ヨーロッパ代表クラスの選手たちも、彼の話にはしっかり耳を傾けると思いますし、英語も喋れるのでコミュニケーションもバッチリだと思います。
今年もキャプテンは、酒井選手しかいないと思います。よろしくお願いします。
興梠選手
勝手な憶測ですが、きっと興梠選手は、今年リーグ優勝を果たしてから引退したいと考えているに違いありません。相当な覚悟でプレーしてくれると思います。
サンタナ選手の加入で、出番はそう多くないかもしれませんが、重要なシーンで必ず興梠選手の出番はあるはずです。期待しています。
敦樹選手
敦樹選手こそ、この冬、海外移籍する筆頭だと思っていたので、浦和に残ってくれると聞いて何故だろうと不思議に思っていました。
きっと、納得していない、浦和でやり残したことがあると思ったんでしょうね。男気のある彼は、浦和でリーグ優勝を勝ち取り、結果を残してから海外移籍したいと思っているに違いありません。
そんな彼を、晴れて海外に送り出すためにも、今年のリーグ優勝は必達ですし、そのために敦樹選手はダイナミックなプレーを見せ続けてくれると信じています。期待しています。
本日の公開練習見てきました
そして、本日午前中に、始動後2日目である公開練習を見てきました。(通常練習内容は秘匿ですが、始動間もないという段階で、練習内容が秘匿というレベルのものでないと思いますので、簡単に記述したいと思います。)
監督、コーチ、新加入の選手たち、初お目見え
最初に監督とコーチの面々がグラウンドに現れました。ヘグモ監督発お目見えでしたが、マチェイ監督とはまた違った柔和な中にも威厳のある雰囲気を感じました。
そして選手が揃って、練習開始前、1列に並んでご挨拶。今季のキャプテンはもう決まっているのか?と思いましたが、酒井選手からの「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」と言う言葉から、練習スタートです。
いつものテックコーチのフィジカル系のトレーニングから始まり、一通り終わるとボールを使った練習に移りました。
新任の2人のコーチが熱い
そこで驚いたのが、新任のモルテン カルヴェネス コーチ。あまりにも迫力のある声に圧倒されました。すごく熱い!!熱血指導とはまさにこのことです。
その後、ゲーム形式になると、ビブスなし組をモルテンコーチ、ビブスあり組を新任のマリオ エドゥアルド チャヴェスコーチが見てしっかり指導、それを林舞輝コーチが通訳すると言う流れでした。
通訳の流れという点では、まだまだ課題がありそうでしたが、徐々にうまくコミュニケーションとれるようになっていくでしょう。
今シーズンに賭ける気持ちがみなぎる練習でした
そして、何よりもびっくりしたのは、ゲーム形式のトレーニングでは、自分が見た限り、どの選手もかなりのレベルのプレーをしていたということなんです。とても始動2日目と思えないほどのスピード感と強度の練習だということです。
既存の選手たちは、シーズンオフの休息で、昨年までの疲労が取りきれて、体が軽くなったという見方もできます。しかし、新加入の選手などはオフの間にしっかりと準備をしてきたのではないかと思います。それだけ、今シーズンに賭ける気持ちがみなぎった練習だったなと思いました。
チームは、1月17日から沖縄キャンプに向かいます。怪我なく全員が万全な状態でシーズンを迎えられることを祈ります。
※なお、本記事の写真は、自分が撮影した写真以外は、浦和公式サイトの写真を引用させていただきました。
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