リーグ前半戦を終えての感想
この鹿島戦で対戦相手が一巡、リーグの前半戦が終了しました。これまでを総括して感想を述べたいと思います。
厳しい意見になってしまいますが、次に向けたポジティブな意見として捉えていただきたいです。
各々の選手たちが伸び伸びプレーできていない
窮屈そうにプレーしている
何か、みんなが窮屈そうに、苦しそうにプレーしていた印象を受けました。伸び伸びやれていない。
チーム事情や戦術で、凌磨選手や敦樹選手のように、本来のポジションからコンバートされたことで、本人の良さが発揮できていないと思います。
また、大久保選手、関根選手、松尾選手を初めとして怪我人が多く、本来のプレーを見ることができないと言うのもあると思います。
サンタナ選手は、本来のポジションで怪我もなくプレーできているものの、悩みながら窮屈そうにプレーしています。正直、彼のポテンシャルを発揮できているとは思えません。
攻撃に関して、得点力という意味では、昨年より確実に向上しているとは思います。しかし、攻撃の形というか、前線で澱みなく攻撃ができるのは、翔哉選手がプレーできている時だけだと思います。鹿島戦でも、武田選手の個人技頼りでした。
なぜそうなのか?
この課題に対して、本質的な理由をしっかり考えて、後半戦に向けてしっかり対応することが必要だと考えます。
理由として考えられるのは、
怪我人が多く、適正ポジションの選手を配置できない
試合スケジュールは余裕があるのですから、怪我人が出る本質的理由を考え、改善して欲しいのです。来年に向けて、週2回試合がこなせるようなフィジカルの構築のためにトレーニング負荷を上げていることが原因なら、この怪我人が多い結果を見て、トレーニング負荷をコントロールすべき。来年以前に今シーズンの成績に重きを置くべきだと思います。
適正なポジションの選手を配置できない
そうだとすると、適正なポジションの選手補強、特に左サイドバックの補強は急務。(編成上は明本選手、荻原選手ありきだったはずだが、海外移籍をしてしまい、その穴が埋められていない)
適正なポジションの選手をあえて、配置していない
そうだとすると、ヘグモ監督の考え方を柔軟にする必要があると思います。
自分の理想のスタイル(4-3-3)に選手をはめ込もうとして、選手の個性を殺していないか?と自問自答してほしい。
前半戦が終了して、結果的にうまくはめ込めなかった部分もあるのですから、この事実から、監督の口癖である「学び」を得て、後半戦に向けてある程度見切りや方針変更も必要だと思います。
守備組織が全く見えない
厳しい言い方ですが、守備組織が構築できているように思えません。
攻撃にシフトしているのは理解できますが、守備があまりにもおざなりになり過ぎていると感じます。
リーグを上位フィニッシュ、優勝を狙うためには、守備組織や、リスクマネージメントができないと、安定した戦いができません。
昨年のマチェイ監督とマココーチの守備ブロックがあったからこそ、4位フィニッシュできたことが証明しています。(たらればはないですが、誤審がなければもっと上位フィニッシュできていました。)
さらに来年のCWCでの対戦相手を考えると、ほぼ格上のチームと言って良いのではと思います。相手の圧倒的な攻撃力に晒され、浦和が守備をする時間が圧倒的に長くなることが簡単に予想できます。
そういう意味で、4-3-3 もっと言うと アンカーシステムの4-1-2-3は、将来性がないのではと思ってしまいます。
ダブルボランチシステム 4-2-3-1か 4-2-1-3が現実的ではないかと思います。
その上でしっかり、守備組織を構築する。そう柔軟に路線変更するヘグモ監督であってほしいと思います。
チームに勝者のメンタリティが不足している気がする
今の課題は、勝者のメンタリティが不足していて、選手各々にバラツキがあることなんじゃないかと感じます。選手個人個人はそうではないと思っているかもしれませんが、サポーターの目からはそう見えてしまいます。
劣勢の時に、強烈なメンタリティを発揮し、チームを引っ張る。多くはいませんでしたが、そんな選手が浦和にもいました。
ギド・ブッフバルト、闘莉王。思い起こせば2人だけじゃないですか。だから、浦和はリーグ優勝をまだ1回しかできていなんじゃないかと思うんです。
嫌われ役になったとしても、言うべき時に厳しいことを言って、チーム全体をピリッとさせる選手が必要なんだと思います。勝つ、優勝するためには。
監督自身が闘将のような方もいらっしゃいますが、ヘグモ監督はそれとは程遠い、教師のように柔和で優しい印象です。(内部ではどうだかわかりませんが)
そう言うメンタリティをうまく育むためには、個性の強い勝利にこだわる選手、プレーで表現できる選手を連れてくることが重要なんじゃないかと感じます。
今思うと、その観点で、メンタリティを持った明本選手、荻原選手が移籍してしまっていることが、クラブにとって大きい損失だったと思います。
その意味で、原口元気選手の浦和復帰。これが、チームに勝者のメンタリティをメンタリティを注入できる唯一の方法なんじゃないか?と思います。
主力選手の流出について
リーグ前半戦は、試行錯誤の時期だったと思います。しかし、後半に向けてはしっかりと勝ち点を積み上げていく戦いにシフトしていくことに期待しています。
しかし、そんな希望に水を差すような、主力選手の流出のニュースが続いています。
酒井選手の離脱の発表、ショルツ選手、今朝は岩尾選手の報道。
しかも、この3人は、チームのキャプテン、副キャプテンたち。
まさに前代未聞の事態ですよ。厳しい言い方をするならば、チームが崩壊するんじゃないか?それぐらいの重大事件です。
しかも移籍先を考えると、ステップダウンとも見てとれます。なのに、どうして移籍してしまうのか?来年にはクラブワールドカップ出場予定のクラブがそんなに魅力がないのか?
全く理解できないのです。
自分自身、動揺しています。
なので、どうしてなのか?を考察して気持ちを落ち着かせたいと思います。
なぜなのか?
邪推になりますが、自分なりにその理由を考えてみました。
クラブ主導で世代交代を図るため
クラブ主導で、チームの若返りを図る計画がもともとあって、その流れの中で、偶然良いオファーが来て、移籍が決まったとも考えられます。
意図しない移籍だとしたら、その後の補強も後手後手に回る可能性があるのですが、そもそも計画していてその時期が早まったのであれば、補強アクションの遅れが最小限になると思います。
正直、これが一番の理由であってほしいと、切に願います。
彼ら自身の浦和レッズにいる目的が終わった
今思えば、昨年の過酷なシーズン、ACL優勝とその後のACL予選リーグ、ルヴァンカップやリーグ優勝に向けての戦いが、彼らが心に決めていた浦和レッズでの終着点だったのかもしれないと思いました。
彼らはチームリーダーとして、あれだけ激しいシーズンをこなして、フィジカル面・メンタル面、双方において厳しかったに違いありません。特にメンタル面の消耗・疲労も半端なかったのだと思います。そして、新シーズンを迎えてもなかなかその気持ちの切り替えができず、怪我につながってしまった要因になっていたかもしれません。
そうだとしたら残念ではありますが、受け入れなければならないのかなと思います。
彼らが現状の浦和というクラブの内情に不満を持っていた
ヘグモ監督のスタイルや戦術に対して不満があった可能性です。
彼らはいずれも守備の選手ですし、ここ半年、守備組織が見えない現状に対し、監督に意見していたのかもしれません。このままではダメになると。それが一向に好転しないことに対する苛立ちがあったのかもしれません。
また、選手の怪我が多いことも考えられます。彼らはいづれも、今年怪我をして長期離脱しています。ショルツ選手や岩尾選手は、昨年あれだけハードなシーズンをこなして長期離脱がなかったにも関わらず、スケジュール的に余裕のある今シーズンに怪我をしてしまうのは理解できません。昨年の疲労の履歴が残っているとも考えられますが、そうなのでしょうか?トレーニングの負荷に原因がある気がしてならないのです。そうだとしたら、これは改善できるポイントなので、しっかり見直ししてほしいのです。
そんなことが重なって、選手たちにとって浦和というクラブが魅力的なクラブでなくなってきているのだとしたら?それは、非常に問題です。
そうだとしたら、致命的です。クラブはそこに問題意識を持ち、自らに矢印を向け、改善していってほしいと思います。フロント、監督、スタッフで問題点を共有して解決策を模索してほしいと思います。
一定期間浦和にいて、違う空気を吸いたくなった
そもそも、ショルツ選手はもちろん、日本人である酒井選手も助っ人外国人とも考えることができます。
短期間で結果を出して、高額のサラリーをもらって、他クラブへ移籍する。
昨年のACL優勝、リーグ戦での優勝争いで、彼らの中にあった浦和にいる存在意義が終わってしまっていたとも考えられます。
そして、ショルツ選手は、海外移籍する目的の一つに海外文化に触れることがあったと語っていました。経験したことのないカタールの地で新しい文化に触れることに最大の魅力を感じたとも考えられます。
そうであるならば、彼らの考え方や人生を妨げることはできませんし、尊重するしかありません。
キャリアの終盤で、最後の挑戦や恩返しをしたくなった
3人とも年齢的にサッカーキャリアの終盤で、各々、自らの価値観や将来に向けたキャリアプランを考えたときに、最後のチャレンジとして今動くべきだと判断したと考えられます。
考えたくはありませんが、岩尾選手は以前から徳島への恩返しを考えていて、自ら決めたことなのだとしたら、非常に残念ですがしょうがありません。
しかし、あと1年、来年のクラブワールドカップを終えてからでも遅くなかったんじゃないか?とも思うし、これが本当の理由か?とも思います。
Jリーグが嫌になった
いまだ、秋冬制に移行していないJリーグは、選手にとって夏場のプレーが年々厳しくなっていることは事実です。年齢を重ねた彼らにとってさらに厳しさを増すことになり、移籍を決意したとも考えられます。
また、最近の試合で、ショルツ選手が審判に対してクレームを言うシーンが多く見られました。実際、誤審とも取れるジャッジが浦和の試合に限らず、どの試合でも起きています。そんなことに不満を持っていたのかもしれません。
そもそもクラブワールドカップに興味がない
自分自身、クラブワールドカップ出場が、所属する選手や獲得する選手たちにとっての魅力になっている、存在意義になっているはずだと思っていましたが、実はそうでないのかもしれません。特に、名より実を取る、より良い選択のできるベテラン選手にとっては。
若手や中堅の選手は、クラブワールドカップで目立ったプレーをすれば、海外移籍のチャンスが広がります。しかし、ベテラン選手は、そんなにガツガツしていないのかもしれません。
この流出のネガティブインパクトは?
精神的支柱がさらに不在に
前半戦の感想のところでも書きましたが、そもそも彼らがいた時点でも、メンタリティでチームを引っ張っていくような精神的支柱となり得る選手の不在を感じていたのに、さらにひどくなってしまったと思います。
後半戦、チームが一丸となってまとまっていくことができるのか?チームの中で不協和音が聞こえてきてしまうことがないのか?非常に不安です。
厳しい試合においてのメンタリティ、諦めない気持ちにも繋がる部分で、成績にも影響があると考えます。
連鎖的な流出に歯止めがかからない
選手たちにクラブ内部や環境に関する不満があるとするならば、連鎖的な流出に歯止めがかからないことにつながらないか?すごく心配しています。
であるならば、先ほども言いましたが、早急にクラブ内部に矢印を向け、真剣に改善してほしいと思います。
後半戦に向けて戦力ダウンにつながる
彼らの穴を埋める補強を可及的速やかにできないのならば、後半戦に向けての戦力ダウンは否めません。
そうならないよう、堀之内SDをリーダーに強化部の方の活躍を期待します。
この件に関するクラブの見解・声明を希望する
ここまで自分で考えてみても、自分のモヤモヤは消えず、気持ちを落ち着かせることができませんでした。
結局わからないし、今後が不安だからです。
改めて、この流出は重大な事象であり、一歩間違えば致命傷になりかねないと思います。
そんなふうに考えている浦和サポーターは数多くいると思います。
この件に関するクラブの見解と声明を希望します。我々の不安を拭う上で。
7/1 追記
自分の要望通り、7/1に堀之内SDからファン・サポーターに向けた声明が発表されました。(ファン・サポーターのみなさまへ)
自分の気持ちにドンピシャに答えてくれたと感じたとともに、Xで以下のようにコメントさせてもらいました。
「ホリの気持ちのこもった素晴らしい文章を読んで感動してると同時に、彼についていけば絶対大丈夫という確信を得た。頼むぞ、ホリ!」
ありがとう、ホリ!