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【急アクセル抑制機能とは?】テクノロジー好きの方にココカゼ!!

ホンダから「急アクセル抑制機能」が発表されました

先日、新しいN-WGNに搭載される「急アクセル抑制機能」という技術が発表されました。

狙いとしては、昨今頻繁に起きている高齢ドライバーに多く見られるブレーキとアクセルの踏み間違え事故に対応して被害を軽減する機能です。

基本は、たとえば、交差点や横断歩道の停止間際や、駐車時に止まろうとした際に、ブレーキと間違えてアクセルを踏んだ場合に、急加速にないようにクリープレベルに加速制限して、発生する可能性のある事故の度合いを軽減をします。

今回は、機能の内容と今後に向けた期待をまとめたいと思っています。

そもそもの背景は??

池袋暴走死傷事故

2019年4月に起きた痛ましい事故。Wikipedia(東池袋自動車暴走死傷事故)から引用させていただきました。

乗用車を運転していた飯塚幸三(当時87歳)が、ブレーキとアクセルを踏み間違えたことによって車を暴走させ、交差点に進入。歩行者・自転車らを次々にはね、計11人を死傷させた(母子2人が死亡、同乗していた飯塚の妻を含む9人が負傷)

誰でも渡る横断歩道。いつもの幸せな日常。それが消えてなくなる。痛ましい。そんな事故を2度と起こしてはならない。当該車両だったプリウスを作ったトヨタのエンジニアの気持ちを考えると、俺たちが作ったクルマが暴走するはずがない!と思った反面、こんな事故を2度と起こしてはならない!そう考えたに違いありません。

そんな事故を筆頭に、コンビニに突っ込んだとか、病院に突っ込んだとか、踏み間違えによる事故はあとを絶ちません。

思うのですが、これから先主流になるであろうハイブリッド車(HEV)や電気自動車(EV)などのモーターで駆動する車は、エンジン車に比べて発進加速がすごいんです。モーターの駆動トルクがアクセル踏み始めから最大になるからなんです。そのため踏み間違えて気づくまでにエンジン車に比べて加速してしまっているんじゃないかと思います。

なので、社会的にも必要とされる急アクセル抑制機能は、今後訪れるであろう電気自動車時代にとっても必要とされている機能だと思います。

類似の機能

この機能に類似したというか、既存の機能として、誤発進抑制機能というのがあります。

駐車場などで、発進しようとした時に、前進/更新を間違えて発進しようとするのを、前後のバンパーに装着した距離センサーによって、発進を防止し、事故を回避する機能。

ただ、この機能は停車からの発進、距離センサーを用いた障害物が既にある前提で作動する機能。池袋の事故のシーンでは作動しません。

実はトヨタが最初でした

勉強不足ですみません

やはり池袋暴走死傷事故で、当該車両を製作したトヨタが、最初にこの機能を量産していました。2年も前。2020年の7月でした。プラスサポートという機能名でプリウスに搭載。

プラスサポート プリウスに初搭載(2020年7月)

運転に不安を持っているドライバー専用スマートキー「プラスサポート用スマートキー」(販売店装着オプション[税込価格1万3,200円~])を購入することで、この機能が作動可能になります。

基本仕様は、トヨタが作ったんですね。ホンダが作ったと勘違いしてました。トヨタさんすみません。

その後も拡大

トヨタも適用機種を順次拡大、ダイハツ(トヨタの子会社なので同じ名前のプラスサポート)やマツダ(MAZDA ドライビングサポートプラス¥48,620 MX-60に適用)も追従して、どんどん拡大しています。

この動きを見た上で、改めて国土交通省の取り組みを調べてみると、やはり随分前から官民一体でこの問題に取り組んでいたことがわかりました。つまり、国土交通省の指導のもと、各メーカーはほぼ機能差はないと考えられます。

しかし、ホンダの急アクセル抑制機能は、機能価格が安い。機能はオプション設定で、作動させるために、セットアップ費用としてスマートキー1本ごとに5500円必要だということ。トヨタ、マツダに比べると、機能価格としてはリーズナブルです。コスト的にもユーザーがつけやすい価格設定ではないかと思います。

具体的な機能解説

こんな機能

ホンダのホームページ(ホンダ 急アクセル抑制機能)から引用させていただきました。

作動条件と制御内容

作動するシーンと作動させないシーン

メーカーの意図通り作動するシーンはいいのですが、作動してほしいシーンで作動しなかったり、過剰に作動したりするシーンはあるようです。なので、使う側は内容を理解した上でしっかり使いこなす必要があるようです。

いいところ

ブレーキの踏み間違えした結果のフル加速に対して、被害軽減という観点では効果があると思います。圧倒的に。ハマれば。

心配なところ

アクセル・ブレーキ・シフトポジション・車速・前後加速度などから、急アクセルの判断をしているとの解説がありましたが、それらだけでは比較的単純なロジック・判断になってしまうと思います。

結果、これらの情報から構築されるシステムの制御のチューニングは、

・作動させたいシーンを増やせば、ドライバーの意図に反する過剰作動も増えていく。
・逆に、ドライバーの意図に反する過剰作動を減らしていけば、作動するシーンが減る。

という二兎を追えば一兎を得ずのようなことになりかねません。

ハマるシーンはありますので、このシステムでも効果はあると思いますけれど。

今後のこのシステムへの期待

自分なりに将来への発展につながるアイデアを考えてみました。

①ドライバーへの警告音

アクセルを踏みっぱなしで完全に停止しないのなら、人含めた衝突事故は避けられません。
それを避けるために踏み間違えをドライバーに伝える必要があります。

作動中にピピピっと作動音がしたり、メーター内で文字が出ても気づかないんじゃないですか?特に高齢者は。何が起きているんだか瞬時に判断できない可能性があります。

しかもドライバーがパニックになっている場合は、ブレーキと思っているアクセルから足を離せないのではないか?足や体、頭も固まりますよ。特に高齢者や初心者は。レーサーやテストドライバーのような日々訓練しているドライバーではないと無理です。

音声で「アクセルを踏んでます!いいんですか?」などのダイレクトなインフォメーション、声かけが必要だと思います。

②周囲への警報

踏み間違えの判定精度が高ければ、制御で加速を抑えているものの、周囲の車や歩行者に対して事故を起こす可能性があると思います。

なので、その車が危険であるということを、ハザードや、盗難防止時のクラクション音などで周囲に知らせることで、周囲が回避しやすくすることも大事なんじゃないかなと思います。エンジン車、ハイブリッド車は、アクセルを踏むとエンジン音が大きくなりますが、電気自動車はエンジン音がしないでのでなおさら必要ではないかと思います。

ただ、現状のままだと、過剰作動するシーンがあるため、さらに踏み間違えの判定を精度アップする必要がありますね。

③多重事故への対応

この機能に関連して調べてる中で、交通事故総合分析センター イタルダインフォメーション№137 四輪車のペダル踏み間違え事故例

の中に多重事故の例が二つ上がっていました。事故を起こした直後に、パニックになってブレーキと思ってアクセルを踏んでしまい再度事故を起こす例です。

いづれの例も、同乗者が重傷もしくは死亡となった悲しい事故です。

・事故例1

駐車場から急いでバックで出ようとして、後ろの電柱に衝突。前に出ようとして前進し、止まろうとした時に、ブレーキと間違ってアクセルを踏み、建物に激突。

・事故例5

市街地走行中、考え事をしていてハンドル操作が遅れ緩い右カーブを曲がりきれず、左側の縁石に乗り上げ、我に帰ったドライバーはハンドルを右に切ってブレーキを踏んだつもりが、アクセルを踏み、急加速して街路樹に衝突。

この機能でも効果を発揮するシーンではあると思いますが、作動直前に事故を起こしている場合は、ドライバーがパニックになっている可能性があるため、より加速させないようにするとかにして、多重事故を防止することが可能になりそうな気がします。

④ドライバーに適した設定とドライバーセンシング

年齢による運転技量や反応速度の低下、その人の運転状態含めたセンシングを的確に行って、適切に制御を可変できるサポート。これが理想かなと思います。

高齢者ほど守ってもらいたという希望はあると思いますし、その人のプロフィールや運転技量なりのセッティングをキーを購入する際に設定できるようになればと思います。

また、今回の急アクセル抑制機能で使われているセンシング情報に加えてさらに高度化して、

ドライバーの状態をカメラ等でセンシングしてドライバーが間違った操作をしていることを判断することで、確実に車両停止まで持っていける技術

・アップルウォッチ等、ウエアラブルデバイスの生体センサーによるドライバーのパニックを計測して、制御のトリガーにする。(高齢者に対しての安心パックとしてウエラブルデバイスとこの機能をセット販売。補助金や保険を安くするなどの取り組みをして、高齢者がより安全に走行できるようにする)

期待しています。

⑤外界センシング

また、人間に加えて、ADAS/自動運転に向けてどんどん追加される外界センサー達。それらを使いながら危険判断の精度アップが可能だと思います。

ホンダのシステムでは、障害物がある場合は追突被害軽減ブレーキが引き続き作動しますと記載されていますが、もっとシームレスに制御して、急アクセル抑制判断した時には、追突被害軽減ブレーキの開始を早めるなどの連携で、少しでも衝突の被害を軽減する制御が実現できたらいいですね。

最後に

高齢化社会になって、自分も人事ではない。近い将来いつの間にかそういうドライバーの仲間入りするわけですから。高齢になって人を怪我させるような事故を引き起こすなんて本当に悲しいことですよね。そういう意味で、こういう技術開発は素晴らしいと思っています。

一足飛びに完全自動運転と流行り言葉のように言いますが、そんなに簡単ではありません。それよりも、今回の技術のような地道なステップ、技術進化が日々重なって、難しい課題を少しずつクリアしていくのが技術開発だと思っています。いろんなシチュエーションに置かれたドライバーがより安全に移動できる将来が来ればいいなと思います。

それでは!!

 

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