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スポーツの判定をめぐるテクノロジーの進歩と課題

ここ最近、バレーボールの世界大会が続いています。ネーションズリーグ、アジア選手権、アジア大会、、、それも女子、男子と交互に来て、楽しみが尽きません。

自分は、スポーツ観戦の中で特にバレーボールという競技が大好きなんです。

理由はなんだろうと考えると、

「ダイナミックで超人的なプレーが見られて、爽快感を何度も味わえるところ」

かなと思います。超人的な飛躍を見せるアタックで目にも止まらないボールが決まった時た守備でも、破壊的な相手選手のアタックに対してブロックが決まった時、リベロの選手が超人的なレシーブを見せたり床ギリギリのボールに飛び込んで拾い上げた時。もうたまりません。そのワンシーンワンシーンに声を上げてしまうのです。

そして、男子も女子も世界レベルで強い!!特に男子は、ネーションズリーグは、前人未踏の11連勝を達成しましたし、アジアカップでは見事に優勝して、28年のロス五輪の出場権を見事に獲得しました。準決勝の韓国戦、決勝のイラン戦とも苦しみながらも終わってみればストレート勝ち!強いです。

その男子チームの強みといえば、レギュラーの選手のレベルの高さもさることながら、控え選手含めた選手層の厚さかなと思います。控え選手が出てもレギュラーの選手と遜色のないプレーができる。これは強いです。

個人的には、甲斐選手に期待しています。2m超えの身長から振り下ろされるチームナンバーワンと思える豪速球スパイクとサーブが際立っていて、次世代のエースとして世界的に大爆発するんではないかと、いつも楽しみに見ています。

バレーボールのライン判定テクノロジーに注目

試合を見ている中で、ふと、ボールのインアウトを判定するライン判定はどうやってやっているんだろうと疑問が浮かびました。

現代のスポーツ界において、判定を巡るテクノロジーの進歩は目を見張るものがあります。かつては審判の肉眼と一瞬の感覚に頼っていた判定が、今やミリ単位の精度を持つ高度な工学技術によって可視化される時代となりました。

その象徴とも言えるのが、バレーボールで定着したライン判定です。

判定メカニズムを調べてみるとこうでした。

ホークアイ(Hawk-Eye)と呼ばれるこのテクノロジーは、コート周囲に設置された10台以上のマルチアングル高速度カメラが、毎秒数百フレームでボールの三次元空間位置を精密に追尾します。

ここで極めて興味深いのは、単に「球体の影」や「真下の一点」を計算しているのではないという点です。

時速100キロを超えるスパイクが床に衝突する瞬間、ボールは激しく変形して潰れます。ホークアイは、ボールの内圧や素材の弾性、衝突速度に基づくリアルタイムの物理シミュレーションを行い、「実際に床へ接触した楕円状の接地面(コンタクトエリア)」を正確に算出していルのです。

ラインに1ミリでもその潰れた接地面が触れていれば「イン」と判定される仕組みであり、まさに物理現象と画像解析の融合と言えます。

これには驚かされました。真上からの球体の影で判定しているものと思っていたので、そこまでしているのか!とびっくり。判定に正確を期すために、かなり高価な機械の導入がされているんだなと思いました。

一方、サッカーはどうだろう?

すると、サッカーで行われているゴールラインテクノロジー(GLT)やオフサイドテクノロジー(SAOT)どうなっているんだろうという疑問が湧いてきました。

調べてみると、GLTでは、球体全体が幅12センチのゴールラインを空中を含めて完全に越えたかをカメラや磁気フィールドでミリ単位で判定しています。

さらにオフサイドの判定であるSAOTについてです。

そもそも、オフサイドの判定は線審の役割です。しかし、ボールを蹴るタイミングと、その時点で相手選手の最終ラインを超えてキーパーと一対一になっているか?を同時に判定するって、両目で別々に判定するようなものです。本来、人間がやる上でかなり難易度の高い仕事です。その意味で判定精度を上げる価値のあるテクノロジーだと思います。

調べてみると、SAOTでは、スタジアム屋根下の12台の専用カメラによる骨格トラッキングに加え、ボール内部への超小型IMU(慣性計測装置)センサーの搭載という画期的なアプローチが採用されています。

このことには、正直驚かされました。IMUは、昔は計測用のセンサーとして使われていましたが、近年の小型化・コストダウンにより、スマートフォンの中でのモーション判定や自動車の車両運動制御にに使われるなど、使用されるケースが増えてきています。まさかそれが、ボールの中に入っているなんて思いもよりませんでした。

搭載方法や、計測メカニズムはこうです。センサーは、なんとボールの中心部に放射状の紐で宙吊り固定(サスペンション)されているのです。これは聞くまで全くイメージできませんでした。本当に閃いた技術者は素晴らしいと思います。そしてそのセンサーは、毎秒500回(500Hz)という超高速で加速度や回転角度のデータを送信します。またスマートフォンや自動車用での用途よりさらに厳しい環境下で使用されているのも驚きです。強烈なキックや叩きつけによって数百G級の衝撃ノイズが発生する環境下でも、サスペンションによる物理的な振動減衰と、ハイダイナミック対応(±4,000 dpsの角速度、±32gの加速度)の産業用MEMSセンサー、そしてカルマンフィルタ等のデジタル処理を組み合わせることでノイズをカットしているのです。

これにより、インパクトの瞬間(タイムスタンプ)と空中での正確な回転軸・スピン量をミリ秒精度で割り出し、オフサイドの判定時間を劇的に短縮させているのです。

素晴らしい技術だと感心しました。

判定テクノロジーは進化しても減らないサッカーの誤審

しかし、これほどまでにミリ単位、ミリ秒精度を誇る最先端テクノロジーが揃っていながら、なぜピッチ上では今なお不条理な誤審や不透明な判定が繰り返され、ファンや選手の不満が消えないのでしょうか。

その根本的な原因は、技術の限界ではなく「主審のプライドや威厳を守る」という歪んだ運用プロトコルにあります。現在のVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)制度では、「主審がピッチ上の絶対的な決定権者である」という古い前提が根強く残っています。さらに「Clear and Obvious Error(明白な誤審)」でなければ介入できないというルールの壁が存在するため、VAR担当者は「主審の見立てを覆すと同僚の面目を潰してしまう」という心理的・構造的なプレッシャーから、介入を遠慮してしまうのです。

その結果、画面越しや中継映像では誰の目にも明らかなハンドやペナルティエリア内での決定的なファウルであっても、主審が自分の目で再確認するオンフィールドレビュー(OFR)すら行われずにスルーされるという不条理が生まれます。

人間の過ちを補正し、フェアな試合を作るために莫大な費用を投じて導入されたテクノロジーが、皮肉にも「主審の立場や面目を保つための隠れ蓑」になってしまっている現状は、本末転倒と言わざるを得ません。

特に我々浦和レッズとそのサポーターは、何度となくこれを経験しています。映像から明らかに誤審なのに、審判がOFRを無視し不利な状況で試合が終了、その後の審判委員会のレビューで誤審だったと認めるいう事例を多く経験しています。

勝ち負けや選手のサッカー人生、さらにはクラブの年間目標をも左右する重要なプレーにおいて、ファンや選手が審判に求めているのは「一度も間違えない完璧な神様」ではありません。人間である以上、一瞬の判断ミスや見落としが起きるのは当然のことです。

本当に重要なのは、自分の見誤りを素直に認め、テクノロジーを頼ってでも「正しい結果」を導き出す柔軟さと誠実さです。

試合をコントロールしようとするあまり選手に対して意固地になり、威圧的な態度で対話を閉ざしてしまう姿は、威厳を示すどころか、かえって最も大切な信頼を喪失させてしまいます。

ピッチ上のリーダーに本当に必要なのは、権力やポーズで相手を抑え込む「威圧」ではなく、自らの過ちに向き合い、対話を通じて正しい判断を下す「誠実さ」なのです。

威圧より誠実さを

「主審のプライド」よりも「正しい結果」を優先すること。

自らの保身や他人の視線といった「他人都合」に流されず、間違いを認めて対話を重ねるその姿勢は、スポーツの現場にとどまりません。

私たちが社会生活の中で他人の目や組織の顔色に怯えず、「あるべき自分に向かって誠実に生きる」ためにも通じる、極めて大切な生き方の真理なのだと感じます。

この事例を通じて、自分たちもどう生きるべきか?を教えられた気がします。サッカーの審判の皆さんも大変だとは思いますが、今一度そんな人間の本質に立ち返って、さらなる公正な判定を目指して欲しいと切に願います。

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